- KADOKAWA (2000年4月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784042179016
作品紹介・あらすじ
「『アン・シャーリー』は生まれ落ちるとまもなく両親を失った孤児。それに、恐ろしいばかり真っ赤な髪の毛で、そばかすだらけの顔に眼ばかりぎょろつかせている、やせっこけのへんな女の子でしたから、幼いアンは、誰からも可愛がってもらえません。貧乏人の家で育てられて、早くから子守などにこき使われ、それから孤児院へやられます。
でもそんな哀れな育ちの中で、少しもゆがめられぬ敢然としたチビの魂を持っています。天使のように純粋で、また小鬼のように鋭くはしこい、宝石の輝きを持つ魂です。暇さえあればロマンティックな光まばゆい空想に陥ちていって、現実の自分の惨めさを忘れていられます。その代わりしばしば夢と現実が一緒になってしまうので、アンのやらかす失敗というのは、また無類のものです。
十一で引き取られた先が、プリンス・エドワード島の『エヴォンリー』という片田舎。年寄った兄妹二人暮らしの『グリーン・ゲイブルズ』(緑の屋根の家)と呼ばれる農家でした。美しい大自然に恵まれた平和な村の生活です。それでも、夢想家の激情的なアンは、そのおだやかな日常生活の中で、次々と『死ぬか生きるかの大騒動』を引き起こしてしまいます。まわりの人々は、アンの突飛な言動に面くらったりはらはらしたり、また憤ったりおなかを抱えて笑ったりさせられます。そうしながら誰も彼もが、アンに激しくひきつけられ、愛さずにいられなくなるのですが、それはまた私たちの気持ち――この本を読む者誰もが、みんなアンを愛さずにはいられなくなるでしょう。」(訳者あとがきより)
多くの作家、女性の生き方に影響を与えた不朽の名作を、「文体が美しい!」とかねてより定評のある、中村佐喜子訳で。Netflix (ネットフリックス)のドラマ「アンという名の少女」でも改めて話題を集めた、大ヒット映画『赤毛のアン 初恋』、『赤毛のアン 卒業』(2018年カナダ・アカデミー賞監督賞・演技賞受賞)につながる、すべての物語はここから始まる。
感想・レビュー・書評
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老兄妹がじぶんたちのために孤児の男の子を引き取る手はずだったが、
やってきた子は女の子。
妹が「役に立たない」といやがるも、
よくわからないながらもその女の子を気にいった兄のマシュウが
「わしらがあの子の役に立つかもしれないよ」というところから始まっていく。
アニメ化されていたり、
名作として認識している作品ではありましたが、
「子供向けにすぎるのではないか?」だとか、
「昔の物語だし?」だとか、
斜にかまえてなかなか読む機会がなかった本書。
『花子とアン』の影響などはまったくないのですけれども、
なんだか気が向いて、本屋さんで手に取っていたのでした。
それで、読んでみたら、もうおもしろくてしかたないです。
第二章からのアンのおしゃべりの中身から、
彼女のきらきらして快活な内面が
うかがい知れるようになっていて気持ちのいい読書感覚。
こころのセンシティブな所って
普段傷つかないように、
外界に触れないよう気をつけて生活するものだけれど、
今回の読書に関しては、
その繊細な部分でなぞって読めるかのよう。
また、脇役たちも、なかなか筋の通ったキャラクターをしていました。
たとえば、リンド夫人などは、
「期待はしないものだ、そのほうが、失望しなくていい」
と、村上龍さんのようなことを言います。
また、アンが言っていたのですけれど、
たとえば豪奢な家具調度にかこまれて
モノに満たされた生活をしていると、
想像力がいらなくなってしまう。
貧乏人のひとつのなぐさめは、
想像するものがいっぱいあるということ。
なるほど、と思います。
11歳から16歳くらいまでのアンが描かれています。
子どもから、大人になるまでの女の子の様子、
それも才媛としてきらめいていく様子(幾度と失敗しながら)は、
読んでいると、胸に感じられるアンや周囲の人たちの豊かな人間性に、
自分の人生に不足しているものが
補給されていくようにすら感じさせられました。
今回読んだのは、角川文庫のもので、420ページくらいでした。
もともとの文章が素晴らしいのでしょうけれども、
翻訳文もよかったです。
おすすめですね。
さすがの名作で、ご満悦です。
また、アンってその後もあって、
10巻くらいのシリーズだったんですね。
全部読みたくなります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「子供時代に赤毛のアンを読んだかどうかでその人の人生って違うと思う」と何かのレビューで読んだ。そういえば私の友達も、子供の頃に読んだ赤毛のアンが好きで、大人になってカナダの小さな島まで旅に出ていたので気になって読んでみた。大人になって読んだせいか、マシュー達大人の気持ちがよくわかる。アンの感性の素晴らしさに目を丸くする。こんな子がそばにいたら楽しいだろうとも思った。そしてやっぱり、子供の頃にアンに出会っていたら、周りのささいな自然に想像力を膨らますのが一層楽しくなっただろうな、と少し惜しい気持ちになった。自分の子供にはぜひ子供の頃に読ませておきたいなという本。
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どこか人を惹きつける魅力があるアンに私も惹きつけられ次々とページをめくりました。私にとってお気に入りの1冊です。その後のアンの話も読みたいけど角川文庫からはでていないんですね。残念です。
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「角川文庫からはでていないんですね」
作者ルーシー・モード・モンゴメリの死後50年が経ったので著作権の保護期間が切れました。ひょっとしたら、...「角川文庫からはでていないんですね」
作者ルーシー・モード・モンゴメリの死後50年が経ったので著作権の保護期間が切れました。ひょっとしたら、角川から続編の翻訳が出るかも、、、2013/01/05 -
2013/01/05
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タイトルは知っていましたが、こんなに面白いストーリーだとは知りませんでした。
笑いあり、感動あり、教訓あり。
そして、アンが見ている世界が美しすぎました。 -
50過ぎのオッサンが、いまさら「赤毛のアン」?!
そうなのかもしれませんが。以前、茂木健一郎さんの講演会で、「赤毛のアン」と「三四郎」が生涯の愛読書とおっしゃっていたのを聞き、さっそく購入したものの、積読になっていたのです。
素晴らしい、豊かで、のびやかで、純粋な世界ですね。政治や社会は変化しても、変わらない愛すべき物語がここにあります。人生の中で一度は読んで損のない作品だと思いました。 -
とても有名な小説であるが、過去に読んだ記憶がない。
アンはとても愛らしい少女で、本作は彼女が子供から少女になる姿を描いている。
妄想ばかりしてロマンティックで、少し浮世離れしていたアンが、成長し少女になっていく姿は頼もしい。
天真爛漫な性格に読んでいるこちらも楽しい気分になった。
赤毛のアンの訳者と言えば村岡花子が有名である。
そちらは読んでいないので比較のしようがないが、中村佐喜子バージョンの本作は翻訳もの特有のまどろこしさが無く、とても読みやすかった。 -
アニメやマンガで作品自体は知っていたけど、しっかりと小説を読むのは初めて。お馴染み(?)のエピソードも読めて良かった。
残念だったのは、少し文章が読みづらかったこと。好みの問題かも。
小説だと文字しかないから、そこから景色を想像するのが楽しい。とは言っても私の知識量では限界があるので、アニメのイメージで読んでることが多かったかな。 -
11歳前後でこんなに大人びてるものなの?女の子って?すごない??
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大人になって初めて読んだけれど、おしゃべりで想像力豊かなアンに夢中になりました。
辛い状況に置かれても卑屈になることなく、得意の想像で乗り越えていく姿や、失敗をして落ち込んでも反省をして立ち直る姿に力をもらえます。
不思議な魅力にアンの周りの人も惹きこまれるし、読者も惹きこまれてしまいます。 -
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多くの人に愛されている名作。
何度も読み返しています。
個人的にはアンが髪を染めて失敗してしまうシーンが好きです。
愛しくてギュッと抱きしめたくなる。 -
しばらく小難しい本ばかりだったので久しぶりに楽しく読めた。世界名作劇場のアニメをみて以来かな。子供である時のらしさというのはアンの様に限度のない想像力の豊かさではないかと思えました。
今では大人になったからか自分の生活にあまり想像力を働かす事がなくなったが、人間には想像力というのは優れた特性だと思うので再び取り戻そう。 -
この作品は一言で言えば、元孤児のおてんば娘アンネとその家族や仲間達が織り成す、感動ストーリーである。
カスバァト兄妹は自分達の営んでいる畑の働き手となる男の子を孤児院から引き取ることになっていた。しかしやって来たのは、本作の主人公であるアンネだったというところから物語は始まる。
マシュウ・カスバァトはアンネを引き取ることに好意的だった。そこで否定的だったマリラ・カスバァトを有無を言わさぬ態度で説得し、アンネを育てることを決めた。そして次第にマリラも彼女の魅力に気づき、慈しむようになる。
その他にも様々な個性的なキャラクター達が登場し、話を盛り上げていく。そのなかでも、アンネの「心友」(親友)ダイアナは、共に空想話に花を咲かせられる程の仲良し。話のなかで、一度その仲が切り離されるが、アンネの活躍により復縁する。
この話のキーポイントは、アンネの成長と家族の変化である。
アンネは話のなかで数多くの失敗をする。しかしその失敗から反省し、精神的に成長する姿が描かれている。
また最初のマリラとアンネの関係は言うなれば、主人と使用人のようである。この関係が本当の家族のように、お互いにかけがえのない存在になっていく姿は必見だ。
ラストは感動間違いなし!ただし他のところに比べると、かなりあっさりと書かれているような気がする。そこが残念でならない。
また中盤は思わずクスッと笑ってしまう展開が何度もある。そのパターンが続き、ちょっと退屈するかもしれない。だが感動のラストを味わうために、我慢して読んでほしい。
家族について、子どもの可能性について深く考えさせられる作品である。
NHKの朝ドラをきっかけに、(翻訳家は異なるが)作品もぜひ読んでみてほしい。 -
すごく綺麗な文章でした!読んでいて気持ちが明るくなります。
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初めてちゃんと読んだ気がする!
アンがのべつまくなししゃべるので、読みながら息切れしそうでした。
ギルバート、いいやつだ・・・。なんでそんなにやさしいのかしらと思う。ずっと無視され続けているのに。
マシューの不器用なやさしさ、マリラの表面にはでない愛情。
素敵でした。
それにしても、アンには本当に嫌なやつというのが出てこない。
続編は読まないほうがいいかもしれないな・・・。ここで終わるのがとても気持ちがいい気がする。 -
子どもは、やがて大人になる。でも、その過程で何か大切なものを失ってしまう。もちろん、それを「成長」と呼ぶこともできるのだろうし、でもどこか残念な感は否めない。ただ一つ言えるのは、いずれにしてもその先に、きっと幸福は待っている。
ちなみに、カバーイラストは『よつばと!』のあずまきよひこさん。
【目次】
赤毛のアン
あとがき 中村佐喜子
(カバーイラスト/あずまきよひこ) -
「あの頃は悩みがなくて良かった」なんて言う人はいるけど、物心ついたときから、思考が止まることはなかった気がする。アンが赤毛を気にしたように、「○○子」と言う自分の名前を妙に気にしたこともあったし、アンが妖精を空想したように、ポケモンがそこの草むらにいたら…と想像して遊んだことがあった。そんなことが無駄だとは、ちっとも思わなかったし、想像を膨らますことへの抵抗感なんか全く抱かなかった。
表紙のイラストに惹かれて思わず買っちゃった本です。本書はアン教師になるところまでですが、あとがきには続編があると書いてありました。んー、すぐにでも読みたいような、想像の余地を残していたいような…。 -
文章がとてもきれいで、一言一言大切に読みたくなります。プリンスエドワード島の素晴らしい景色が目の前に広がるようで、すっかり物語の世界に引き込まれました。心が、ほくほくあったかくなりました^^
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エヴォンリーをはじめとする、自然の移ろい、そこに広がる豊かな風景の描写がとにかく美しい。
世界はこんなに素晴らしいんだなあ、と、思う。
それと想像力の素晴らしさにも。
ダイヤモンドで着飾った貴婦人になるよりも、グリーン・ゲイブルズのアン・シャーリーであることに幸せを感じる。
このくだりがたまらなく好きで、
それだけに、この後の展開が一層深みを増す。
子供向けの本でハイライトは知っていたけれど、ストーリーだけでは分からない良さが沢山凝縮された本でした。
あと、ギルバートとアンの関係の変化がとても好きだ。
どうなるかと思ったけど、あの終わりでとてもほっこりした。
中村佐喜子の作品
