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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784042179092
作品紹介・あらすじ
内気で陰気な独身女性・ヴァランシー。心臓の持病で余命1年と診断された日から、後悔しない毎日を送ろうと決意するが……周到な伏線と辛口のユーモアに彩られ、夢見る愛の魔法に包まれた究極のロマンス!
感想・レビュー・書評
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序盤は、親族に抑圧され鬱屈した日々を過ごす主人公に嫌気が差しましたが、医師からの手紙を境に、強い意思と勇気を持ち他人の顔色を気にせず言いたいことを言いやりたいことをやり始める主人公に共感し、痛快な読書感を味わえました。さらにそこからまたストーリーが進展し、重厚で幸せな物語が味わえました。
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赤毛のアンシリーズはかつて夢中になって読んだ。モンゴメリの小説は人物や風景の描写が細部まで綺麗な言葉で描かれていて、どれも心地よく感情移入できて大好きな作品が沢山あった。この「青い城」は最近になって存在を知り読むに至った。登場する人物の描写、風景の美しい言葉の表現、ユーモア、物語の伏線の鮮やかな回収、ラストの大団円、存分に楽しみました。ストーリーは、中高生で読むより大人になって読む方が面白さが余計に理解できる内容だと思います。出会えて良かったと思えた一冊です。
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『赤毛のアン』作者モンゴメリーのロマンス小説。
二年越しに読了。なぜ二年越しかというと、始まりが鬱々としていて嫌な人ばかり出てくるし主人公も抑圧されてイジイジしているので読んでいて楽しくない。つまりは挫折したわけです。
それが第七章まで読み進めると話が予想外の方向へ進み、第八章から爽快痛快な展開に変わります。
終盤からはロマンス小説ならではのロマンティックで甘々なセリフもたくさん出てきますが、ロマンス小説を敬遠しがちな私でも胸焼けせず、うっとりしながら読めました。作者の筆力はもちろん訳者さんもお上手なんだと思う。
物語の進行もさることながら、カナダの自然の描写がとにかく美しい。全てが凍てつくような冬の研ぎ澄まされたような情景は北国ならではだし、それを乗り越えてやっと訪れた春も輝くような喜びにあふれていて読んでいて楽しい。その風景描写がとてもロマンティックなので、主人公たちの甘い言葉の数々も違和感なく読めてしまうのかも。
少しネタバレをすると、舞台は1920年代のカナダ。倫理観などがかなり古い田舎町です。女は結婚する以外に道はなく、一族郎党ご近所さんなので醜聞を恐れながら生きなければならず、自由な言動なんてできません。そんな中で29歳にして未だ独身の主人公ヴァランシー。イジイジもしちゃおうってもんです。
自分が余命いくばくもないと知って自由に生きようと決心するわけですが、そこからの展開が胸のすく思いで好きでした。ヒーローのバーニィは魅力的かどうかと言われると好みの分かれるところだと思うけれど、最後には「王子さま」だったことが判明するので、読者が羨望のため息をつくことになるという寸法。
王道とは少し外れているように見えて、俯瞰してみるとけっこう王道なシンデレラストーリーといえるのではないかなと思います。
バーニィがヴァランシーを「月光さん」と呼ぶのがとっても好きです。こんな感じならロマンス小説もいいなーなんて -
モンゴメリ後期の単発作品。
大人の女性向けのロマンスもので、「赤毛のアン」シリーズではありません。
楽しみにとっておいたんですが~ついに読みました。
面白かったです☆
29歳の独身女性に巻き起こる事件。
内気でぱっとしない外見のヴァランシー・スターリングは、愛称でドス(本人は大嫌いな呼び名)と呼ばれています。
父を早く亡くしたつつましい家庭で、高圧的な母親にきつく束縛されながら育ちました。
口うるさい親戚に囲まれ、一つ年下の従妹オリーブが美人で明るい人気者だったために、割を食ってもいました。
これから結婚が出来る望みを捨ててはいないけれど、これまで恋人が出来たこともないのは、苦にしています。
いつも怯えていて、逆らうことも出来ず、言いなりになっているヴァランシー。
ヴァランシーの楽しみは二つだけ。
自分で夢に描いた空想の世界に入り込むこと。
図書館で借りてくる本を読むこと。
小さい頃から目をつぶれば、青い城を思い浮かべることが出来たのです。
ありとあらゆる美しいものがあるお城で、夢のような恋人と暮らすお姫様という自分を思い描いていました。
最初のほうは嫌なことばかりが書き連ねられ、「モンゴメリ、本気?」と思わずその嫌な文章を読み返してしまったほど。
それほど、ばしっと書かれていて猶予がないのですが、それもどこか透徹したユーモアが。
切れる寸前の心境だったことをうかがわせ、「あと1年の命」と医師に宣告されたヴァランシーが思い切った行動に出る前哨となります。
親戚の集まる祝いの席で、これまで言えなかったことを言い放つヴァランシー。驚愕する一同に苦笑。読者は内心、快哉を叫ぶ?
子供の頃の級友シシイが、看病する人手も足りない状況で重い病の床に伏していると知り、家政婦として働くことを決意、シシイに寄り添うのです。
スターリング家の社会的地位としては明らかに格下の仕事で、家族は勘当同然の態度に。
しだいに自分らしく生きるようになるヴァランシー。
シシイのことを気にかけてくれていたバーニイ・スネイスと親しくなり、あるとき「結婚してくれない?」と自分から申し込みます。自分はあと1年足らずの命だからと。
バーニイは森に一人で住み、身元もはっきりしないので、街での評判は悪い男でしたが、ヴァランシーは惹かれていたのです。
街から離れた森はとても美しく、これこそ青い城だと思うのでした。
ところが‥?
面白おかしく、はらはらさせる展開で、大逆転のハッピーエンド。
良く出来た喜劇なので、ミュージカルにしたら面白そうだなと思ったら、やはり舞台化されたそうです。
モンゴメリ自身が祖父母に厳しく育てられたのもありますが~牧師夫人として世間を見ていて、おとなしい女性が不当な目に遭うのを見てきたからじゃないのかな。
苦労の甲斐あってお似合いの恋人に出会い、個性を花開かせるヒロインに嬉しくなります☆
原著は1926年の発行。
ルーシー・モード・モンゴメリは、1874年プリンス・エドワード島生まれ。36歳で結婚後、牧師の夫の赴任先で暮らす。
この作品の美しい森のモデルは、トロントの北バラにあるマコウスカ湖周辺だそう。 -
モンゴメリの赤毛のアン以外の作品があるなんて、それもこんな面白いなんて!
ヴァランシーが身内のくだらない因習を蹴散らして、本当に自分が気持ち良い生き方を見つけたのが我が事のように嬉しかった。そして意地悪なだけかと思っていたお母さんにも、娘を思う母親らしい心があるのが垣間見えてほっとしました。
自分の青い城は何かな、と考えさせられました。 -
『赤毛のアン』と同様、読んでいると、こんな恋がしたい!と叫ばざるをえないくらい素敵な恋愛小説。世界一愛する人と、こんなふうに人里離れた森でふたりぼっちになれたら、短い一生でも悔いはないのかもしれない、そう思ってしまう。野いちごのような甘酸っぱい初々しさに満ちている。モンゴメリは、決して美しくはないが魅力ある個性的な女性を描くのがお得意だ。日常の片隅に、くだらない家の掟に、埋もれてしまったフェアリーであるヴァランシー。物語の主人公に、思わず、末永くしあわせであらんことを、と願ってしまった。
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この物語はおそらく最も痛快な喜劇であり最もロマンティックな恋愛小説だと思います。
あまりに硬直した超保守的なスターリング一族に対する皮肉めいたユーモアには思わず笑ってしまうし、ミスタウィスの自然についての描写は、文章それ自体が極めて美しく、青い城の幻想的な魅力に読者を没入させる。
そして本書のあらすじにも書かれているように、究極のハッピーエンディングが待ち受けています。さながらディズニー映画のような、きれいで爽やかなハッピーエンドで、今の世の中に必要なのはこれだ!と私なんかは思ってしまいます。
何か今のSNS社会って、他人の迷惑とか己の品性とかを顧みずに、自己顕示欲の塊みたいな生き方をしている人が利を得ちゃうので、そんなこと歯牙にもかけないヴァランシーやバーニィのような生き様が私にはとても素晴らしく映るんですよね…。
読んでよかったです。 -
喜怒哀楽という人の心の感情すべてをこんなにめいっぱい引き出してくれた
物語がかつてあったでしょうか...
苛々と怒りにムカついて、ソワソワしてドキドキして、嬉しくなって微笑んで
可笑しくなって大笑いして。哀しみに泣き、喜びには感極まって涙して
そして予想外の展開には目を丸くして驚いて。
それがどんなことかと語ればきっときりなく永遠と、それこそ
アン・シャーリーのようなおしゃべりが止めどなく続いてしまいそうです。(笑)
なのでここではほんの一部を...
これまでずっと自分の殻の中に閉じこもって、誰に対しても
口答えなど一切したことがなかった主人公・ヴァランシー。
ほぼ初めて母親に立ち向かう姿勢を見せた時、母親は驚いてこういいます──
"おとうさんがそれを聞いたらお墓の中でひっくり返るでしょうよ"
それに対しするヴァランシーの切り返しの一言がもう! ツボにはまって
大爆笑しちゃいました。しばらく笑いが止まらなかったくらい...^^
29歳にして独身のまま、家族親戚身内の柵に縛られ、"自分らしい"ことなど
もってのほかのヴァランシーでも、図書館で借りた本を読むことは大好きで
お気に入りの作家・ジョン・フォスターが語る言葉を引用しては
自分の正直に思う気持ちのうちを当てはめて、心の拠り所にしている
ヴァランシーですが、ジョン・フォスターの引用された言葉のそのほとんどが
ヴァランシーだけでなく、私自身の心にまで深く響いて、それが
あまりにも身に染みるので、ジョン・フォスターって....どんな人??と
実は検索をかけて調べてみたりしました。マジでです。(笑)
それがいくら調べても出てこない。小説の中では古典文学などが
引用されることはよくありますから、てっきり~とは思いつつ
注釈がついていないことも気になってはいましたが...
それがあぁ...なんと!!
最後まで読み終えて、改めて私はモンゴメリという作家さんに
惚れこんじゃっているのだなぁとつくづく思いました。
はい♪私も好きですジョン・フォスターさん。(笑)
ヴァランシーが暮らす森の、移ろう季節の木々や花々の、風景描写の美しさは
さることながら惨めで哀れで横暴で、憎くて醜い、情けない、それでいて
どこかに優しさが隠れていて、揺れていて傷ついて哀しんで、なのに
倖せを感じている...前向きな....人の心の内に潜む感情を、巧みな筆致で
最大限に引き出して感じさせてくれるモンゴメリさん。大好きです。
意外などんでん返しが待ち受けているシンデレラ・ストーリー。
読んでよかった♪心洗われました。 -
たぶん高校生のころ、単行本で読んで、赤毛のアンよりおもしろい!!と思い、かなり感動した記憶がある。再読して、だいたいの展開は覚えていたので驚きはなかったんだけど、やっぱりおもしろかった。ジェイン・オースチンみたいな感じ。上品なハーレクインって感じもあるけれど。なにもかもを恐れてびくびくと不幸に生きていた主人公が、うってかわって自分の生きたいように、どころか、型破りな生き方をはじめるのはやっぱりわくわくしたし。
モンゴメリはすごく風景描写がきれいで好き。風景にわくわくするってところもあって。こんな風景が見られたらそれだけでも幸せだろうなあという。 -
赤毛のアンシリーズとエミリーシリーズしか知らなかったわたし
村岡花子さんの訳のほかにはもう作品はないものと思っていた
ところが、モンゴメリーにはそのほかにもたくさん
10冊以上の作品があったことを知る
偶然、本屋で『青い城』の文庫本を見つけて「えっ?」とびっくりした
まさか「モンゴメリーもどき作品」ではなかろうね
と、あとがきを見るとまさしくお作品
本好きのとしてはうかつである
『青い城』『もつれた蜘蛛の糸』『ストーリーガール』『黄金の道』『銀の森のパット』
そんなわけで読む読む
*****
モンゴメリの作品で『青い城』が一番好きかもしれなくなった
『赤毛のアン』の1巻も素晴らしいが
いまではどっちとも言えないほど気に入った
乙女は(昔の 笑)『美しい城』に呼ばれたいと夢見る
それを思うさま味わわせてくれるものがたり
とくに打ちひしがれたような孤独を感じているときに...
ヒロインは内気なぱっとしない独身女性ヴァランシー・スターリング
あろうことかお医者様から余命を宣告された
(と、ありがちな展開から始まる 笑)
では悔いのない人生を送ろうと...
(これもありがち)
もちろんハッピーエンド、シンデレラストーリ、むむむ
ありがちなのだけれどもそんなことは吹っ飛ぶ筆力
秘密めいた、ゴシックロマンの物語だ
よくできている、なぜこれがもっと早く世に出なかった
(わたしが知らなかった 笑)のだろうね
モンゴメリの小説は何気ない日常が題材となっている
つまり少女の成長や恋愛を夢多く語りながら、人生の機微を垣間見せる -
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自由に生きるようになったヴァランシーの魅力的なこと!
開き直って一歩踏み出しさえすれば、どんな冒険だってできるんだなと勇気が湧いた。 -
傑作。主人公が29歳の「みっともない」オールドミスで、心臓病といったら、ハッピーエンドになりようがないと思うが、読後感は非常に爽快である。主人公ヴァランシーに襲いかかってくる精神的圧殺は、19世紀英国上流階級社会(舞台はカナダだけど)の恐ろしさを思い知る。こういった社会的圧力は東洋も西洋もないんだなと思う。だが、死を覚悟した主人公がほんとうに生きるために、行動を起こしてからは、これらの精神的圧殺をはねのけ、ついに理想の夫を見つけていく所は痛快にして美しい。ヴァランシーとバーニーの間の関係は、一種の夫婦の理想なんじゃないだろうか。人間の「再生」というテーマでは、ゲーテの『ファウスト』とか、黒澤明の『生きる』などと言った作品が思い出されるが、注目すべきは、モンゴメリーが哲学や政治の文脈ではなく、「生活」の中で、この人間の再生を描いていることだ。表面的にはロマンス小説のように読めないこともないが、文学的テーマも深いものがある。何かにしがらみを感じている人は読めば、得るところがあるであろう。読み出したら止まらない、ストーリーテリングや自然描写は魅力的、美しい自然の中で紡がれる静かな愛情の描写にも心を打たれる。惹句には「すべての夢見る女性に」と書いてあるが、男性が読んでも十分楽しめた。
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序盤は耐えてください、そこからの展開の大切な大切な礎になります。
最初は正直根を上げてしまうかと思うほどの、考察考察考察の繰り返し。そのくせ何を言うわけでもわるわけでもない。そんな主人公。
モンゴメリらしくないのでは、とまで思いかけたときにやってくる転機。
そこからの変貌ぶりには驚くどころではない。それ以上の言葉が必要だ。
読者が感じている伏線への答えがなかなか返ってこないけれど、返し方にもまた一興があるなぁ、と。
それはそのときにそう使ってくるとは!!!
やられた〜!!!!となること間違いなし。
読み切った後、晴れやかな気持ちになるでしょう。 -
妄想番長ざるめ、空想の魔術師モンゴメリに完敗<(_ _*)>ちょうどアンを再読しようかなぁ( ̄~ ̄;)と思っていたところに、皆さまのレビューを拝読し、これは私好みに違いない!と本屋へ走った(^-^)そして、アンの世界と同じくらいヴァランシーの世界も好きに!(*≧∀≦*)特に自分の余命を知ってからのヴァランシー最高(^o^)
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ヴァランシー・スターリングは、29歳のオールド・ミス。
彼女は、実家で一族の者たちを顔色を窺うように生きているような女性だった。
具合の悪かった心臓を診てもらいに医者に会いに行ったのだが、
なんとその時は、医者の息子が事故に遭ったと連絡があったところ。
彼はすっかり動転してしまっていて、ヴァランシーはちゃんと診てもらえない。
医者にすらきちんと相手にされないのだと落ち込むヴァランシーだったが、
その後衝撃の手紙が彼女のところに届く。
そこには、狭心症のために余命1年と書かれていたのだ。
だが、彼女は、ここで大きく変わるのだ。
死を恐れていないといっても、それを無視するわけにはいかない。
ヴァランシーは、死を恨んでいた。
生きてきたという実感もないのに、もう死ななくてはならないとは、いかにも不公平だ。
暗闇の時間がすぎていくにつれ、彼女の心の中には反抗の炎が燃えあがってきた。
それは、彼女に未来がないからではなく、過去がなかったからだ。
(中略)
あたしは、いつも、ぱっとしない、取るに足らない者だった。
そう言えば、こんなことを何かで読んだことがあるわ。
女には、それで一生幸福だと感じる一時間がある、
それは、見つけようと思えば見つけられるものだ。
でも、あたしには見つけられなかった。
もう、決して見つけられないんだわ。
ああ、もしその一時間があたしのものになったら、いつ死んでもいい。
この燃え上がるような気持ちに強く強く共感する。
私は、決して、抑えつけられて生きてきたわけではないのだが、
生きたい、生きたいと思ってしまうのだ。
この思いは何なのだろう。
彼女は、家を出て、「がなりやアベル」と呼ばれる老人の家に住み込み、
アベルの娘で、胸の病で余命いくばくもなく、また、過去の心の傷により、
ほぼ人づきあいをしなくなっていたシシィの看病をするのだ。
彼女自身も死を意識しながら、同じく死に臨もうとするシシィを看病する。
ふたりは心を開いていき、そして、ヴァランシーはシシィを看取る。
彼女が幸せそうに死んでいく姿をヴァランシーは「なんと美しい!」と思う。
実家に住んでいる頃から、なぜか気になる存在だったバーニイ・スネイスに、
彼女は病のことを打ち明け、自ら結婚を申し込む。
なぜなら、彼女は気づいてしまったから。
今や、ヴァランシーは自分がバーニイを愛していることをはっきりと知った。
きのうまでは、彼女は自分だけのものだった。だが、今はもうこの男のものだ。
しかし、彼が何をしたわけでもない―何を言ったわけでもない。
彼女を女と見てくれもしない。だが、それはどうでもいいのだ。
彼女は無条件に彼を愛しているのだ。彼女の中のものすべてを彼に捧げるのだ。
もはや、この愛をおさえつけたり、否定したりすまい。
ヴァランシーは自分があまりにも完全に彼のものだという思いがして、
彼以外のことを考えること―彼のことを考えずして物事を考えること―すら
不可能な気がしていた。
もし、自分の命があと1年しかないのだとしたら、いったい自分は何をするだろう。
いや、自分の命が1年しかないとして後悔しない生き方を自分は今しているの?
そう考えずにはいられない。
ヴァランシーに深く共感する点は、さらに2つある。
ひとつは、タイトルにもある「青い城」の存在だ。
現実がどんなに苦しくても、誰しも、自分だけの世界を持っている。
たとえ、呼び名は違っても。
そして、心の支えとして、本があったこと。
彼女は、ジョン・フォスターの本の影響を受け、
その本の言葉が、決断を促したり、
過去のしがらみに戻りそうになってしまったときに気づかせてくれたりする。
「世の中のほとんどすべての悪は、その根源に、
だれかが何かを恐れているという事実がある」や
「もしあなたがある人と、三十分間口をきかずに座っていられて、
その上なんの気まずさもないのなら、あなた方二人は友達になれる」など。
作中作家であるジョン・フォスターは、印象的な言葉を残している。
自分にとってちょっと意外だったのは、
本書の語り口がかなりの毒舌で辛口だったことだろうか。
私は毒の強いものはダメだと思っていたのだがそうでもなかったらしい。
身近なある友人に似ているこの語り口をにやりとしながら読了した次第だ。
その友人とモンゴメリはどこか似ているのかもしれないと思ったのだった。
自分の心の支えとしての自分だけの世界と本と本読み本語りを共にできる友だちの存在。
リアルはいろいろなことがあったし、これからもいろいろなことがある人生だけれども、
本当に必要なものはちゃんと求めてきたし、ここにあるんだと感謝したいと思った。 -
素晴らしかった!!!
読めば誰でもヴァランシーを愛さずにはいられなくなると思う。
最初はイライラして仕方なかった親族たちでさえ最後は微笑ましくなってしまった。
この本に出会えて良かった! -
爽快で面白かった
人の評判や評価なんてささいなことで変わってしまうしあてにならない -
とてもとてもよかった。
モンゴメリは赤毛のアンシリーズ、しかも一冊しか読んだことがなかったけれども、心理や自然の表現がとても美しくて大好きだし、素敵な言葉がたくさんあるよね!というイメージで読みました。
どんどん素敵になるヴァランシー、いいね〜
当たり前だけどアンよりもヴァランシーに年齢が近いから、なかば友達に対する応援みたいな気持ちで読んだ!最後のほうは泣きながら読んでいたよ。とても気持ちがよく喜ばしい目の腫れだ〜!!
どんな人にも青い城ってある。気になったらみんなにも読んでみてほしい!!! -
最高に面白かった!
モンゴメリの書く物語はとても読みやすい。
「絶望からの解放」。人生も折り返し地点にきて、先が何となく見えてきた私にとっても、ヴァランシーの行動に共感しすぎて勇気をもらえた。
「月光さん」「青い城」「青髭の部屋」
ワードも可愛くて好き。
著者プロフィール
谷口由美子の作品
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