阿Q正伝 (角川文庫)

著者 : 魯迅
制作 : 増田 渉 
  • 角川書店 (1961年4月発売)
3.27
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  • 41レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042204015

阿Q正伝 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 狂人日記。悪夢のような自己暗示にかかっている。その時代、その状況によっては、ありえない思い込みとも言えない。
    故郷。親、子の第と重ねて描かれている。そんなさみしさに、次は出会わず済むといい。ずっと同じ目線で。
    阿Q正伝。うらやましくなるほどポジティブだ。しかしその楽観的な部分が彼に禍をもたらす。その気性により彼は混じり気なく彼らしく活き、そして終わりを迎える。ここまで一貫して活きられるなら、それもユニークで芸術的な生き方だ。

  • 4月30日読了。魯迅の名作だがはじめて読むことができた。態度は卑屈だが内面で「精神的勝利」をおさめる阿Qの栄光と転落の物語。無学で根拠もなく尊大な態度を取る阿Qもそうだが、周囲の顔色をうかがい自己保身のために偉い(と、自分が判断した)者にこびへつらう阿Qの周囲の人々も、中華人民の典型と言えるのではないか・・・?原文が中国語だからか、ウェットでない突き放したような文体が印象的。

  • 狂人日記、孔乙己、小さな事件、故郷、阿Q正伝、家鴨の喜劇、孤独者、藤野先生、眉間尺が載っていた。特にお勧めは故郷、孤独者、阿Q正伝、孔乙己である。訳本だからか、すごく読むのに時間がかかった。
    「阿Q正伝」:阿Qは村の社に住み、村人が忙しい時に手伝いをして、生計を立てる貧しい人であった。喧嘩は弱いが、プライドだけは高く、いつか村人達を見返してやろうと思っていた。ずいぶん投げやりな人生に感じ、言い訳をつけたりしながら、自分で自分を守る彼。しかし、彼は村の人はあまり外へ出ないのに対し、城下の町へ行ったりしていた。
     この本では改革だと、声を上げても、実体、中身のない改革で何も変わってはいない。という事も暗に述べている気がする。
     最後阿Qは泥棒の嫌疑をかけられ、死刑にされる。村人達は銃殺されたのは彼の悪い証拠だ、悪くなかったらどうして銃殺されることがあろうかとみんな言った。まるで御上の言う事は全て正しいのだ。と、何も疑問に思わない事も、問題視しているのではないかと思った。
     阿Qはどこか間抜けで、憎めないところがある気がする。彼は悪かったのであろうか。
     しかし、よく庶民を愚民にしたような作品を書いた魯迅は、当時よく処罰されなかったものだなと思う。
     

    「故郷」:大人になって子供の頃仲の良かった手伝いの子と、久しぶりの再会を楽しみにしていた。しかし彼は目から輝きが消えた大人になっていた。身分、立場の違いが、何も知らない子供の頃のように、無邪気に隔たりなくつきあう事を妨げた。しかし、彼らの子供は、彼らの子供の頃のように、隔たりなく仲良く遊んでいた。まるで自分達の子供の頃のように。そして、彼らの将来、時代の繰り返し、大人になってからの再会の失望を想像させられる終わり方だった。
     孤独者:
    09.05.13

  • 難しかった。日本語や表現が古いという事も若干あるが、それ以上に魯迅の置かれていた環境を想像する事が非常に難しいからだ。清朝から中華民国への民族革命(辛亥革命)、日本や西欧列強国による支配、思想解放運動等の混乱・流血の中での訴えに対して、それを正面から受け止められる資格や要件を自分は満たしていない。

  • この本は短編集です。
    学生時代以来、久しぶりに魯迅の小説を読みました。
    当時の中国の様子がわかります。
    「阿Q正伝」では運命の不条理や人の残酷さを読み取りました。
    時代や社会が変わっても人の振る舞いが大切であるということが変わりない事実である。

  • 自由気ままなその日暮らしを送る阿Q。後先考えずに好き勝手やった揚げ句、わけもわからぬまま時流に乗って「革命」を唱え、わけもわからぬまま処刑されてしまうという救いようのない愚か者の話。
    魯迅は1881年生まれの中国人だけど、マスコミや世論に流されやすい現代日本人への警鐘とも読める。

    中国現代史やに疎いので、どう読めばいいのか(革命翼賛?反革命?)戸惑ったりもしたけど、巻末の解説にある程度助けられた。

    表題作のほかには、「小さな事件」というエッセーと、「故郷」という短編がよかった。

  • 神保町の露店で買った古本、知らない出版社ハト書房、昭和27年10月発行。内容よりその本に興味があったといって良い。しかし、こんなに有名な古典をなぜ今まで放置してきたのかという思いがある。中国の古代文化には素直に興味があり受け入れるのだが、近世の中国文化、文明、文学などになると自然と引いてしまう自分があった。これをきっかけに、魯迅をもう少し勉強したい。現在の中国人の心理を理解する上に少なからず助けになるような予感がある。

  • 子どもの冬休みの課題図書。
    こんな機会でもなければ手に取らない本に挑戦。
    作者が自国の民衆を風刺しているのが興味深い。
    また。無知ゆえに陥った阿Qの最後が、とてもやるせなかった。
    読書感想文の課題図書という点でみると、少し内容が難しい
    作品(書きづらい作品)だと思った。

  • (2003.06.09読了)(2003.03.06購入)
    内容紹介 amazon
    民族のマイナス面として典型化された「阿Q」を通して、「辛亥革命」の内臓を痛烈にあばき、その失敗を教訓として民族的決意を促す主題を貫く。魯迅の作家的存在を文学史上に定着させた代表作。

    ☆関連図書(既読)
    「阿Q正伝・狂人日記・他12篇」魯迅著・竹内好訳、岩波文庫、1955..
    「新・魯迅のすすめ」藤井省三著、NHK人間講座、2003.02.01

  • 作者と訳者の組み合わせが悪いと言わなければ魯迅様に悪い気がする。
    一方口では真実は伝わらない。読者、作者、訳者どちらが悪くても評価は漂流 

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