新訳 アーサー王物語 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042243038

作品紹介・あらすじ

舞台は六世紀頃の英国。国王アーサーや騎士たちが繰り広げる、冒険と恋愛ロマンス。そして魔法使いたちによって引き起こされる、不思議な謎の出来事の数々…。今日人気の高いファンタジー文学の源流をなす、この夢のような伝説が今、よみがえる。壮大にして官能美あふれる中世騎士物語。

感想・レビュー・書評

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  • 平易に書かれたアーサー王物語。
    読みやすく面白かった。
    マーリン、ランスロット、トリストラム、ギャラハドなどファンタジー系アニメに出てくる人物の出典が確認できる。
    ブリトン人の英雄アーサーがゲルマン族を追い払ったくだりはほとんどなかったが誰でも楽しめるアーサー王物語だった。

  • 知識として入れておこうかと、天野さんの表紙が目にとまり読んでみました。
    えーと、別にダメじゃ無いんだけど、ここでこういう事があって、その時あの人はこう思った。そしてこう言った。そうしてこうなったのである。って感じで歴史の教科書みたいに淡々と進んだなぁ…( ´△`)
    後はみんなすぐ恋に落ちて病むなぁ…。

  • ランスロット好きの友達の勧めで読みました。
    アーサー王だけでなく、円卓の騎士の物語も収録されてて、短編小説に近い感覚で気楽に読めました。
    他の『アーサー王物語』も読んで見たいと思いました。

  • アーサー王の一生が書かれた話ですが、ほかの円卓の騎士の話も沢山入っていて読みやすいです。ランスロットがアーサー王より前に出ている感。全体通してみんなかっこいいですね。かいつまんでいるようなので、ほかの詳しい本も読んでみたいです。

  • 私にはあちらの騎士道は向いていないようだ…取り敢えずランスロットがもうダメだ(笑)。騎士の中の騎士がわりと序盤で主君の嫁を寝取ってる時点でお前の騎士道って何だよクソかよってなる。
    パーシヴァルとガラハドぐらいだよまだマシなの…トリスタンもちょっと微妙だし。
    そもそもあちらの騎士達は美しい女を中心に裏切ったり裏切られたりし過ぎなんだよ!もっと王に対する忠義は無いのか女より王を取らんかい。

  • w

  • 劇団四季の美女と野獣の一節から、読んでみようと手に取った一冊。散文的な物語の集まり。
    「正しき者には危険はない、ただ卑怯者に逢うとき以外は」という一文が心に残った。しかしこの舞台、6世紀のイギリスでの正義の定義は現代と違って難しい。

  • カズオ・イシグロ氏の「忘れられた巨人」を読んで
    アーサー王時代の話が気になていたところ、古本屋で見つけて購入。
    知っているようで意外と知らなかったアーサー王の物語。
    西洋の騎士の文化も知ることができる。

  • この作品は『完訳 中世騎士道物語――騎士道の時代』より、アーサー王に関する部分を現代的に判り易く編集しなおされた物らしい。だから細かい部分までは載っていないがこれで大まかなストーリーは理解することができた気がする。
    歴史的には実在の人物らしいけれど、数々の歴史化・小説化によって脚色されて来たので、架空の人物としての側面を強く残してしまっている。そして、話の中心となる円卓の騎士などが話の途中で減ったり増えたりしているのが読んでいく中で苦しい部分だった。
    内容はアーサー王の活躍や、ファンタジーとしての側面は少ない。この作品を読んで最も感じるものは騎士道精神の清らかさである。騎士の誓いは正義に背いても行わなければならない。丸腰の相手と決闘するのは恥辱である。ある意味、日本武士よりも尊ぶべき精神を持っていると感じた。
    読み終わった後の正直な感想としては、これだけでは物足りないという思いが強い。この『アーサー王の死』『円卓物語』『聖杯伝説』を統合した物語は起源が千年前にあるだけに数々の逸話がある。これを読んで、ますます興味を唆られたために他の細かい物語も読んでみたくなった。

  • なんだか平家物語を見ているような…日本の武士となんら変わる所が無いような「騎士」
    魔法や伝説という不可思議なものが生き、たくさんの人物によって織り成されているのに、ひとつの物語として、筋(まとまり)が貫かれている。――騎士道。
    アーサー王のやっていることはどうみたって侵略行為であるし、ランスロットは気性の荒い無法者であったのだと思う。だってそれが戦であふれる中世のイギリスで生きる者だから。騎士がこんなに精神的だったら戦争などとっくに放り投げている。それを捻じ曲げてでもこの物語は騎士道を貫く。この書き手による、ひとつのまなざし。それによってトリエステとイゾルデのロマンスが生まれるし、ランスロットへの乙女の死が輝くのだ。
    どうみたって略奪や殺し合い。血で穢れた手のひらだというのに。正当化と言い切ってしまえばそれまでだが、騎士道という精神で、英雄の名を負うことで、神に委ねることで、それを浄化する。
    エクスカリバーの存在やマーリンの魔法の逸脱さをご都合主義だと切り捨てるのは一面的である。奇跡や不可思議なものの存在によって、その騎士道という精神の形が実現するのだから。
    それにしても、なぜマーリンはガーウェインに聖杯探索を指示したのだろうか。彼ほどの力があれば、円卓の騎士たちの、探索の結末など簡単に予想できたはずである。それほどになぜ、聖杯にこだわったのか。
    聖杯を手にすることが目的というよりかは、聖杯を見出すことを、信仰というものの実現をマーリンは望んでいたのではないか。聖杯を手にできるのは、その生が清く正しいものでなければならない。殺しを職とする騎士が騎士道を実現するために、神聖なものの前に跪くことを望んだのではないか。聖杯は各々内にある。そうでなければ聖杯はずっとアリマタヤのヨセフの下で眠り続けていただろう。彼ら騎士の力で聖杯が実現するとともに、騎士はその血で汚れた自身を浄化される。
    宗教と騎士の精神が融けた、物語(ロマンス)の世界。戦の絶えない世界にあって書き手が望んだひとつの形。

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著者プロフィール

その生涯については僅かな記録しかないが、1796年、アメリカマサチューセッツの名家に生まれ、ハーヴァード大学に入学。銀行員として働くかたわら、聖書をはじめ、中世ヨーロッパの研究に没頭する。1867年没。生涯独身を通した。

「2004年 『完訳 ギリシア・ローマ神話 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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