十七歳の夏 (角川文庫)

制作 : 中村 能三 
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042283010

感想・レビュー・書評

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  • 原題は『Seventeenth Summer』。1942年発表作品。

    青春小説の古典、という風に紹介されていたのを見て、読んでみる事に。

    最初は思っていたよりも古風な言葉遣いに戸惑い。求めていた“ヤングアダルト小説”より、印象としては“児童文学”に近い感じ。
    序盤にある、主人公アンジイと恋の相手ジャックとの会話を引用してみると、

    「ぼくのことなど、もともと、そんなに知ってやしないんじゃないか」
    「名前は知っているわ」とわたくしは答えました。
    「なんていう名と思っているの?」
    「ジャック・ダルース」
    ~中略~
    彼は笑いました。「きみの名はなんというの――というと、あの晩、マクナイトの店で会ってから、そのままききださなかったみたいに聞こえるけれど、ちゃんと知っているんだ。アンジイ・モロウ、アンジイというのはアンジェラインをつづめた名、どうだい?」

    こんな感じで、19世紀の小説の登場人物かーい!と突っ込みたくなるような、古めかしい調子で翻訳されている。語られている出来事自体は21世紀の人間でも共感できるものなのに、文体のせいで時代のギャップが感じられてしまって、勿体ない思いを抱いた。もっとくだけた、現代風の口調に直した翻訳が出てれば良かったのになあと。

    とはいえ、読み進めるうちに物語に引き込まれていき、気にならなくなっていった。自然と心情の描写の細やかさが特に強く印象に残った。十代ならではの感受性溢れる視点から見た、自然の豊かさ、夏の熱気、気候の移り変わり。植物や果物の瑞々しさなんかが、直に伝わってくる。十七歳の少女の心と身体に生じる微妙な動きは、読んでいるこっちまで胸が疼くほどリアルに感じられた。

    自分以外の人間が実際以上に良く見えてしまって劣等感や羨望を覚えたり、理想像に近づくために背伸びしたり、礼儀がなっていない・連絡がないなど些細な事柄で心が揺り動かされたり。
    科学技術の発展や文化の移り変わりなどで、表面的には変貌を遂げていても、根本的な部分は今も昔も一緒なんだなと。

    高校卒業から大学に移るまでのひと夏。進学だけでなく恋まで加われば、彩りは更に増える。アメリカの青春小説でこの時期がとても多く持ち出されるのは、十代の少年少女にとってはこの時期こそが最も多感で、変動が激しくて、成長が見られ、忘れがたい時期であるからなんだろうな。

  • 音は人間に聴かれなかったらそれは存在しないんだよ


    ただただ17歳の少女が17歳の夏の6月7月8月をつづったものです。

    最初は読んでて「あんまりおもしろくないかなぁ」って思ったけど、気づいたら読み終わってた。

    こんな夏っていいなって思った。

    21歳の夏。

  • 夏の間の恋って感じで、最後はお別れなんだけど、悲劇じゃないしさわやか?

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