暁の女王と精霊の王の物語 (角川文庫)

制作 : 中村 真一郎 
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042456018

感想・レビュー・書評

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  • 『東方紀行』に登場する「伝説」の部分のみを抜粋した書籍です。物語は旧約聖書に登場するソロモン王とシバの女王の件と、フリーメイソンの儀式の元ネタとして名高い「ヒラム伝説」を下敷きにしています。尚、本著ではヒラムは「アドニラム」という名前で登場します。

    そもそもこの本を読もうと思った切っ掛けは、白水社のヘルメス叢書シリーズの1冊『自然哲学再興/ヘルメス哲学の秘法』(デスパニエ著)を読んだところ、訳者の有田忠郎氏の解説でこの物語の一節が紹介されていたためです。
    私自身はヘルメス思想がフリーメイソンに与えた影響は、仮にあったとしても細やかなものだろうと想像していますが、本著に限って言えば、有田氏が書かれた通り、確かに所々にヘルメス思想の影響が感じられました。

    非常に印象的なのは物語の最後で、掘り出されたアドニラムの遺体について語られる言葉です。その響きが何とも不気味であり、そこにネルヴァルという作家の狂気と天才性を垣間見たような思いがしました。

  • 再読。旧約聖書の賢者ソロモン王にシバの女王バルキスが会いにくるエピソードをベースにしているけれど、ネルヴァルは二人を結婚させず、どころかソロモン王を嫉妬深く愚かで狭量な人物として描いている。

    若く美しく聡明なシバの女王がソロモン王を振って恋に落ちるのは王の家臣で棟梁のアドニラム。彼は「カインの末裔」であり、失意の彼をトバル・カインの亡霊(?)が地下の国へ案内する場面は幻想的。

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