ネオン・レイン (角川文庫)

  • 角川書店 (1990年9月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784042466017

感想・レビュー・書評

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  • 中盤、ショットガンを金ノコでソードオフして復讐に出かけるあたりゾクゾクするが、結果はまちがいだった。この本の主人公は基本的に諦観に支配されているように感じる。自分なりの信念みたいなものもあるっぽいけど、それが正しい事なのか自分自身疑っているようなフシがある。ボートハウスの床に割れて散らばるレコード盤は主人公の絶望的な無力感の象徴なのでは。

  • 「ボタニストの殺人」でポー刑事が読んでいたので。

    殴り殴られ、酒を呑み呑まれ、銃で撃ち撃たれ、
    ハードボイルドというよりはヴァイオレンス。
    主人公がベトナム戦争帰りの刑事と言えば、
    ハリー・ボッシュを彷彿とさせるが、
    舞台はニュー・オリンズ、主人公ロビショーはケイジャンとフランス系だ。

    釣りに行った先で女性の遺体を見つけたことから、
    命を狙われるロビショー。
    事故死として扱われるが、管轄の警察に出かけ揉め事が起き始める。
    悪人にはたたきのめされ、相棒には裏切られ、
    美女に夢中になりと、まあ王道の展開。

    相棒か、美女かどちらか殺されるのかと思ったら、
    生死の境をさまよったのは、
    悪党と親和性の高い腹違いの弟だった。
    上司に離職を引き止められる優秀さは今ひとつは分からなかったが、
    最後は警察を辞めてしまった。
    今後はどうなるのか。

  • 初めましての作家さん。
    情景描写や人物描写だけでなく暴力シーンまでもがリアルで
    グロシーンなんて、かなりヘビーです。
    元々が文学畑の人だったらしく、表現が文学的っていうんですか?
    語られる内面とかが文学的で、更にハードボイルドなんです。
    苦手がダブルで来た!って感じです。
    高潔で正義感あふれる人物像なのに、脱線してばかり。
    意固地になって事件を追いかけているうちに
    暴走して、どん底まで落ちるのに諦めない執念。
    なのに結末がぼやけている。
    読んでいて苦しいのなんのって・・・
    良かったのはニュー・オーリンズの描写だけかなぁ~

  • 中盤までは快調。風景や人物描写、社会的背景と小道具などに文学出身者らしいこだわりを感じる。臨場感あるアクションも、ハードボイルドとして合格点だろう。主人公ロビショーも骨のある好漢で良い感じだ。
    だが、プロットが弱い。ハードボイルドに謎解きなど不要だとしても、もう少しひねりが欲しい。
    ただ、合間に挿入されるベトナム戦争など過去のエピソードの描き方は素晴らしい。この作家は、大筋よりも、場面場面を如何に印象的にするかに力を注いでいるのだろう。

  • 訳者あとがきにある、次巻のネタバラしはちょっと酷い。

  • ハリケーン・カトリーナで、大きな被害を受けたニューオーリンズを舞台にしたミステリー。フレンチ・クォーターとか、バーボン・ストリートとか、おなじみの地名もばんばん出てくるのだが。


    しかし、この作品、重要人物がどんどん殺されるのだ。若い黒人の女性の他殺体が湖沼でみつかる→溺死という捜査結果に、刑事で主人公のロビショーは疑問を抱く→どうやら中米出身のギャングがからんでいるらしい……というわけで、つかみはバッチリ。それなのに、中米への武器輸出や、アメリカ政府の関与疑惑など、惹きつけられる要素がどんどん出てくるにも関わらず、容疑者も、連邦捜査官も、ギャングも、みんなみんな殺されるのだ。なのに、物語はカタがつく。真相は、なぜかロビショーの推測のかたちで語られて終わり。


    ……消化不良だ。わたしのアタマが悪いのかも。

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