東京アンダーワールド (角川文庫)

  • 角川書店 (2002年4月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (520ページ) / ISBN・EAN: 9784042471035

作品紹介・あらすじ

東京のマフィア・ボスと呼ばれ、夜の六本木を支配した男の、奇想天外で波瀾万丈の生涯が明らかにする、日本のアンダーワールド。政府と犯罪組織の深く長い闇の絆――知られざるニッポンの姿がここにある!

みんなの感想まとめ

戦後の混乱期における日本の裏社会を、マフィアボスの生涯を通じて描き出した作品は、ノンフィクションでありながらも小説のような魅力を持っています。著者は、暴力や売春といった生々しい側面を通じて、社会が抱え...

感想・レビュー・書評

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  • 戦後すぐの日本における混乱した空気感がヒリヒリと伝わってくるような本。ノンフィクションだが小説のようで、吸い込まれる。だが題材が題材だけに綺麗な話ではなく、暴力や売春などの生々しい、いわゆる裏社会を描く。

    暴力組織はなぜ生まれてくるのか。それは、社会がそれを許容してしまう隙がある事、それを生み出すか呼び寄せる歪みがある事の、啐啄同時。国家の警察機能による免疫が働かぬバグのような現象とも言える。

    誰しもが抑え込んで平穏に暮らしているはずの「欲動や衝動」を武器にした集団。主役は夜の六本木を支配した男ニコラ・ザペッティ。東京のヤミ社会、日本の暗部と深くかかわったマフィアだ。

    この頃の暴力組織は、印象としては朝鮮系が占めているイメージだったが、本書にもやはり白人社会だけではなく、朝鮮系暴力団も登場する。同じ朝鮮系である力道山の話も語られる。

    ー プロレスは占領後の日本人の心を、筆舌に尽くしがたいほどとりこにした。あえて表現するなら、大きなアメリカ人が小さな日本人にコロコロ負けるという、ほかではおよそありえない光景が、日本列島を戦後史上、類をみない熱狂の渦に巻き込んだ、とでも言おうか。日本人は深く傷ついていた。敗戦という痛手ばかりではない。その後もアメリカ人による占領が、非公式に続いているも同然だったからだ。そんな日本人の屈辱感を、プロレスは一気に吹きとばし、大和魂をよみがえらせた。そればかりか、日本でよちよち歩きを始めたばかりのテレビ産業に、大きなはずみをつける効果ももたらした。

    クリーンな社会を目指しながら、しかし、アウトローの感覚をいまだに残している。ネット詐欺、外国人犯罪、パパ活、ホストクラブ問題…。従順な人間ばかりが損をする社会にならぬよう祈るばかり。いや、欲望を満たす人間が得だ、とも言い切れないが。

  • マンハッタン出身のイタリア系マフィアを家族に持つニコラ・ザペッティを主軸に日本の戦後史を見る。日本人や日本社会は誠実で民度が高くてマジメだというステレオタイプを崩す一冊。政府レベルでも民間レベルでも構造汚職が蔓り、一党独裁の保守的な民主主義国、当然それにはアメリカによる加担もある。日本社会では接待や贈り物が未だに必要経費との風潮があり、政治献金のスキャンダルも常態化しているが国民は無関心で有名人が当選する。そもそも自民党は闇フィクサーの児玉誉士夫が生みの親で、後継者たちは田中角栄、中曽根、金丸・・当時は汚職に対する罪の意識も低かったかもだが、本質は今も変わっていない。元ヤクザのハマコーがテレビタレント化していたことも記憶に新しい。ここ20年の取り締まりは暴力団を地下に潜らせてマフィア化。政治と暴力団の繋がりはさらに表面化が難しくなっていそうだが、当時も公然とはいえ関与は裏口の出来事だったため関係を完全に断つのは難しい。
    ザペッティ本人はヤミ取引で一財産築いて前科もあるが、おいしいピザレストランを独学で経営して成功させた苦労人のイメージ。4回の離婚で訴訟費用が転落のきっかけになった。そして店を乗っ取る日本交通、このタクシー会社はウーバーを参入させないなど日本の岩盤規制をフル活用して消費者の利益を奪う悪徳企業だが、こんなヤクザまがいなこともしていたとは驚きだ。そして朝鮮出身の力道山がアメリカ人を倒す構造がプロレスブームのきっかけとなるが、レスラーでも何でもない外人が出ていたのが面白い。力道山の流れで猪木が平壌に行ってたのも記憶に新しい。
    大手商社や全証券会社、航空業界などのスキャンダルも扱うが、日本の銀行こそ大問題で、怪しい担保をもとにローンを組みまくってバブル崩壊を起こしているわけで、リーマン・ショックに先んじること約20年。 
    今はコンプラ厳格化、ポリコレ、不道徳警察、の時代になってきているが、これからトランジスター・セールスマンの国はどうなっていくのか…

  • 外国人プロ野球選手に関する著作の多いボブさん。これは名作だと思う。
    外国人から見るからこそ分かる真実がある。力道山ほか日本社会の裏面、ビザのニコラのけいえいから始まるザペッティの波乱の一生涯。
    福生のニコラの元が六本木でかつ裏社会の舞台となっていたとは。
    これは面白かった。

  • 東京アンダーワールド

    占領政策
    民主主義の鏡→共産主義の砦
    アメリカで極左の自由主義台頭しそう→ワシントンの方向転換

    社会の最上層と最下層にとってまたとない金儲けの機会に

    プロレス、アメリカ占領の憂さ晴らしで流行った
    日本の人口1/3の2400万人が力道山の試合を見た。

    西洋人がやりたい放題の東京。

    帝国ホテルダイヤモンド時間。

    力道山視聴率87%、御成婚パレードだけが超えた。

    宝石泥棒の後ザ ベッティはイタリアンレストランを経営

    東声会、住吉会
    雑誌を作りゆする。
    テキヤ、バクト→ヤクザ

    児玉よしお
    中国で軍に協力、自由党発足の資金

    力道山の興行、自由民主党に流れる
    日本プロレス協会、戦後権力構造の縮図。 
    天下りと企業の連携。
    日米安保や韓国国交への貢献

    50年代終わりに20万人のヤクザ

    力道山の由来は朝鮮半島の山の名前

    リラックスしてる人間は怪我をしない。

    当時のGNPの1.5%が接待費
    国防費より多い

    コパカバナ
    航空機の産業スパイ女性

    ヤクザ、オリンピック期間に東京離れる。
    その後タクシー、トラック、建設、芸能など合法的なビジネスに参加

    オリンピック後の暴力団の年間収益、東京都の年間予算の二兆GNPの1.5-2%を超えた。合法的なのは1/5
    警察の推測だが実際は7倍との見方も。
    マフィアはアメリカのGNPの2.5と推測

    日本の流通システムと冷戦協定のおかげで参入出来ないアメリカ。日本はアメリカにいける。

    ーー
    中国進出に苦戦とかハードル高いが日本もそうだったのでは?

    ーーーーー
    女性遍歴、最初の妻と離婚し帝国ホテル宝石泥棒。次の妻と離婚し多額の金、札幌の女と離婚し

    日本交通による乗っ取り、住吉会との連携による。

    裁判のスロースペースは意図的に。

    ガイジンが儲けるのは許せない?

    軍隊が入ってるからこそ航空機産業はアメリカの民間が入り込む
    町井、アメリカで油田掘る。
    韓国にカジノやキャバレー、釜山と下関のフェリー

    ロッキード事件
    児玉誉士夫、ロッキードかな雇われる。
    自衛隊がマクドネルダグラスを買ったため。

    小佐野賢治、政財界の超大物、JALとANAの個人筆頭株主

    田中角栄、さまざまな献金もらい国土開発計画。
    選挙での金バラマキで党首に。

    封建制が続いたこと、小選挙区制、アメリカの影響が原因では?

    ウォーターゲート事件によりオールドスクール、軍需複合体が東海岸のビジネス国際企業連合に?

    ロッキード事件暴いたチャーチ率いる委員会の共和党幹部がロックフェラー擁護派。
    ニクソンが失脚し副大統領にネルソンロックフェラー

    関係者が次々死亡したロッキード事件。

    政治的モラルがない国、封建時代や戦前のように政界で何が行われてるか国民が疑問さえ持たない国。

    ニックザペッティ ニコラ小泉に

    総会屋、脱税経費の水増し、不正株取引など企業相手のゆすり

    稲川会プスコットブッシュを通じ大統領へ

    小池隆一

    伝説のTSK.CCC

    1軒のレストランやショップでその場所は変わる

    東声会と住吉会、日本人と在日韓国人

    アメリカ、ヤクザ、自民党

  • 2002/5/1

  • ノンフィクション

  • 知らなかったことだらけでした。面白いだけでは済まされない。読んで良かった。

  • 主に、アメリカ人ニコラ・ザペッティの目を通して描かれた占領期からバブル期あたりまでの東京の裏面史。暗躍する不良外国人、ヤクザ、実業家、政治家、力道山。波乱万丈にして活力あふれる豪快なエピソードに満ちていた。東京という街は外部の助けがなくても十分腐敗している、その腐臭が不良外人を引きつけたにすぎない。

  • 2002.11.30~ 12.12 読了

  • 20151111

  • 日本の裏社会や六本木の歴史など、ディープな世界が興味深く面白かったです。

  • GHQ、RAA、力道山からロッキード疑獄まで。
    歴史の、教科書に載らない部分は コチラ。

  • 戦後の東京の裏の歴史を、一人のガイジンを通して眺められたのではないかと。
    それはそのまま日米史になるものであった。
    非常に面白く読めたが、
    真似はできそうもない苦笑

  •  敗戦後の混乱期に東京の闇市から身を起した、一人の外国人ニコラ・ザペッティのノンフィクション小説である。本人との度重なる取材を経て、その事実の裏づけを取り当時の東京の闇を暴く。暴力に支配された裏社会を生き抜き飲食店で成功を収めるニコラだったが、晩年は訴訟を抱え失意のどん底で苦悩する。ニコラの様な人生に共感することが出来る人は稀である。共感できないからこそ、一般人なのである。

  • ニック・ザペッティっていうレストラン経営者にして元プロレスラー、闇世界にも通じたイタリア系アメリカ人(後に日本に帰化)の半生を通して戦後の日本、東京の裏社会を描く。話手であるザペッティ氏のかなり個人的な話も結構含まれるので、他人の離婚やら借金やらについて特段興味のない方はざっくり飛ばし読みしてもいいかもしれない。今から10年前に出版されただけあって、構造改革路線へのシンプルな礼賛と日本社会の非効率性・閉鎖性などへの批判がある種の懐かしさをかもし出すとともに、「この程度の理屈でコロッと騙されてたんだ?」という悔悟とも何とも形容しがたい読後感が残る。肝心の裏社会の話にしても、まあそんなもんなんだろうな位の印象。

  • 戦後の裏社会を垣間見る!的な内容。
    特定の人物(ザペッティ)の話が非常に長く、 その時代の背景や思想、その推移などの大枠の話があまり無かったためにあまり実感が湧かず・・。その時代に詳しい人であれば楽しめるのかもしれない。

  • 夜の東京を支配する「不良外人」ニコラ・ザベッティが戦後、進駐軍への日本人たちの卑屈な劣等感に始まり、国民の英雄:実は北朝鮮人だった“力道山”との関わり、児玉誉士夫、横井英樹ら闇社会の実力者との交友。そして腐敗した政界との深い関係も暴露!日本の戦後を裏社会から見た日本史が迫力あります。ニコラが晩年、日本に帰化した時には、日本は自信満々で、戦後と異なり米国を馬鹿にするという逆説もまた面白いです。裏日本史のどこまでが真実なのか?参考文献を見る限りどうなのか、興味しんしんです。

  • 10年余り前に出版された時から気になっていた本。先日ブックオフで105円だったのでやっと読んだ。

    ニューヨークの貧民街ハーレムで生まれたイタリア系アメリカ人ニック・ザペッティは、終戦直後に占領軍の下級兵士として来日した不良外人である。この本は、そんな彼の目から見た赤裸々奇想天外な戦後史である。登場するのは彼自身付き合いのあった力道山をはじめ一般社会の人間が名前は知っているような政財界の有名人やヤクザ・右翼など日米のあやしげなヤミ社会の面々。日米の国家権力とヤミ社会の魑魅魍魎が跋扈する生々しい終戦後の日本。そんな戦後の混乱期に不良外人ニック・ザペッティは、ヤミ社会での不法ビジネスを軸に商売で大成功と大凋落を味わった。そして1992年72歳、バブルがはじけた時期の東京で波乱の人生を閉じた。

    これも又戦後史の名著である「突破者」の著者宮崎学氏が巻末の解説でこう書いている。「日本社会は、今も戦後の混乱期と本質では何も変わっていないのである。」現在もヤミ社会と国家権力との関係は終戦直後と本質的に同じである。

    教科書やマスコミ記事のような表面的戦後史ではなくリアルな戦後史がここにはある。この本と併せて、昨年ベストセラーになった孫崎享氏の「戦後史の正体」、上記の「突破者」を読めば本当の戦後史が少し見えて来るのではないかと思う。

  • 凄く面白かった。

    日本史の教科書の近代史の章なんか読むよかずっと臨場感があってリアル。そして今までて一番ちゃんと納得できる。

    「世の中」とか「社会」ってゆー今まで自分にとってボンヤリとしか見えていなかったものを、クッキリさせてくれた気がする。何か「腑に落ちた」とゆーか。

    この本に出会えて本当に幸運だったと思う。感謝。

  • これが日本の歴史。。
    闇が深いな。

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著者プロフィール

1942年、米国ニュージャージー州生まれ。大学在学中、合衆国空軍に入隊して来日。除隊後は上智大学で政治学を専攻した。出版社勤務などを経て、日米の文化をテーマとした執筆活動を開始。77年に『菊とバット』(サイマル出版会、早川書房)、90年に『和をもって日本となす』(現在、角川文庫)がベストセラーとなる。『東京アンダーワールド』『東京アウトサイダーズ』(角川文庫)や『サクラと星条旗』『イチロー革命』(早川書房)など多数の著作がある。

「2018年 『ふたつのオリンピック 東京1964/2020』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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