Xの悲劇 (角川文庫)

制作 : 越前 敏弥 
  • 角川グループパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042507154

作品紹介・あらすじ

満員電車の中で発生した殺人事件。被害者のポケットからは、ニコチンの塗られた針が無数に刺さったコルク球が発見された。群衆ひしめく巨大なニューヨークで続く第2、第3の大胆な殺人にも、目撃者はいない。この難事件に、聴力を失った元シェイクスピア俳優ドルリー・レーンが挑み、論理的で緻密な謎解きを繰り広げる。20年ぶりの決定版新訳でよみがえる、本格ミステリの不朽の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 人生初のエラリー・クイーン作品。
    『Yの悲劇』を読む予定だったのだけど、四部作になっていることを知って四冊全部読むことにした。
    解説は読むきっかけのひとつを作ってくれた有栖川有栖さん。
    何やら運命的なものを感じてとても満足。

    もちろん物語にも満足。
    探偵役のドルリー・レーンさんも魅力的。
    「レーンは独特の身のこなしで肘掛け椅子から立ちあがった ーすばやく滑らかで、筋肉を使っているようには見えない。」
    レーンさんの美しさ、優雅さを表現する記述は全てこの調子。
    妄想が膨らみます。
    レーンさんの扮装係のクエイシーさんも、サム警視も好き。
    四部作全てに登場してくれることを願う。

    そして、レーンさんが挑む事件は、一見すると簡単に片付きそうな印象だった。
    なにしろ周囲の人間が怪しい。
    誰でも殺せたんじゃないの?などと思ってしまった。
    レーンさんが語るように自明の理に気付かなかった。
    ブルーノ検事とサム警視と同じように。

    犯人の思惑に最後までまんまと乗せられ、レーンさんの鮮やかな推理に目から鱗。
    こんなに複雑な仕掛けたっぷりな事件だったのにそれを見抜けなかったなんて…。

    次は大本命(?)の『Yの悲劇』。
    ドキドキ…。

  • The Tragedy of X(1932年、米)。
    レーン4部作、1作目。元シェイクスピア俳優の素人探偵ドルリー・レーンが活躍するシリーズで、クイーンの代表作。

    ニューヨークを走る満員電車の中で、ある男が毒殺された。凶器は毒針を仕込んだコルク球。独創的かつ大胆な犯行はしかし、第二、第三の事件の序曲に過ぎなかった…。

    倒叙に比べて本格推理小説は、書き手と読み手の情報量の差が大きく、後で見直しても、「この時点で気付くのは無理」と思うことも多い。でもこの作品では、決定的なヒントは間違いなく与えられていて、それでもしっかり騙されてしまう。もっとも印象に残ったのは死体検案書のヒントで、こういう使い方があったのか、と感心することしきり。

  • 名作を今更ながら読了。傑作だった。
    当時の文化や技術の水準への不案内さに苦戦し、推理はうまくいかなかったが、ダイイングメッセージのおかげで犯人だけは判った。
    しかし自分が最後にやっと辿り着いた犯人が序盤で特定出来ると明かされたときには衝撃だった。極めてシンプルな論理で事件のあらましが見えてくる様は唖然。
    レーンの自由さと秘密主義(理由はあるのだが警察には言ってもよかったのでは笑)にはやれやれという思いはあったが、難解に見える謎をシンプルかつロジカルな手法で隙なく落とす展開は名作たるものだった。

  • 色々なミステリを読んでいると、兎に角よく出てくるエラリークイーン。
    どんな作品なのか気になって、気になって。。。
    Amazon でポチっと手に入れた。

    訳者の所為なのか、エラリークイーンの特徴なのか?
    結構なハードボイルドタッチの作品で、想像とは乖離していたが、
    それはそれでとても楽しめた。

    文章の重厚感も良かったのかなぁ。
    人物名がカタカナで読むのに時間がかかったが、
    色々な本を読む前に、この作品に出会えていたら随分楽しめたんじゃないかと
    思う。現代はこういうパターンというかトリックというか、
    結構真似されちゃっていると思うので。

  • だいぶ前に読んでいても内容はほぼ忘れてしまっていたので楽しめた!
    近日中に「Y」「Z」と「レーン」まで読む予定。どれも一度読んではいたけれど、今回挑戦。わくわく。

  • 私自身、初のエラリー・クイーン作品。
    先般、有栖川有栖氏の『月光ゲーム』を読んでいたら、ミステリーの古典・名作への引用が多々あり。
    すっかり興味をそそられ、矢も盾もたまらず...とばかりに名作と名高い『Yの悲劇』を読みたい!
    と、その前に、ここはきちんと順番通り。ということで。
    初エラリー・クイーンは、ドルリー・レーンシリーズ第一作目の『Xの悲劇』です。

    他のミステリー作品よりも時間をかけて拝読し、すっかり堪能させていただいた本作。
    じっくりと味わわせていただきました。

    読み始めはさすがに、すっとは頭に入ってこない部分がそれなりにあり...
    1930年代の米国の情景描写や登場人物の身なり・特徴。
    事件にまつわる細かい描写。
    特に、シェークスピア色の濃いドルリー・レーンまわりの描写は、本書の記載と実物イメージをつなげるのに多少の時間が必要でした。

    が。

    ページが進むにつれ、グイグイ引き込まれる。
    中盤に来ると、一言一句、逃したくなくなる。
    いつの間にやら、事件関連の描写や謎解きにつながりそうな些細なことでもメモを取る。
    などなど...すっかり物語に引き込まれ。

    そして、謎が一気に、なおかつ、理路整然と解きほぐされていく最終章。
    関連する描写・記載を、ページをめくりめくって確認しながらの、謎解きへののめり込み。

    エラリー・クイーン作品にすっかり魅了された自分がそこにいました...

    ミステリー作品へのスタンスや読み方をすっかり変えてくれた本作。
    次作の『Yの悲劇』。
    とてもとても楽しみです。

  • ドルリーレーン氏の洞察力と論理的思考力の高さは見習いたいぐらいに素晴らしい。

  • 満員電車の中で男が殺害された。
    コルク球に何本も針を刺し、
    先に毒を塗った奇妙な凶器が使われた。
    警察の必死の捜査にも関わらず
    犯人の手掛かりは掴めない。
    そこで元シェイクスピア俳優の名探偵
    ドルリー・レーンに白羽の矢が立った。


    個性的過ぎる名探偵のキャラに
    慣れるのは時間が掛かったが、
    徐々に装飾過多のこの名探偵に
    魅了されていった。
    物語も事件の設定も非常に複雑。
    当時のNYの雰囲気も良く描かれ、
    古典ミステリとは思えない
    その完成度に感嘆した。
    登場人物が非常に多く、
    犯人を容易に推察させない所が
    この作品で特に良かった点。
    後半になって登場する人物や
    事件の背後の物語などは、
    普段なら鼻に付く所だが
    レーンが解き明かした真相は
    感服する程よく練られた物語で
    彼の推理も非の打ち所がない。
    幾つか読んだ古典の中でも
    とびきりの傑作。

  • 1932年に出版されたミステリー小説。観察した事実から推理して犯人を特定する本格もの。
    非常に推理のレベルが高い。今まで読んだミステリー小説の中で最も論理的な本かもしれない。
    ドルリー・レーンを筆頭に主要登場人物も魅力的だ。しかし、耳の聞こえないレーンの設定は相手の口を見て言葉を読み取る、ということだが、しかし多人数があっちこっちから喋るシーンも結構あって、本当にそれで読み取れているのか、という疑問はいささか残る。
    後半の推理パートよりも裁判でジョン・どウィットの無実を証明するシーンが最も興奮した。
    ここまでレベルの高い本が1932年に書かれたということはミステリーは早々と頂点に達してしまったのではないか、とすら思えるとても完成度の高い小説だと思う。つぎはYの悲劇を読む予定。

  • 混み合う路面電車の中で男が毒殺された。
    凶器の特質。
    遺体の状況。
    残されたダイイングメッセージ。
    キレのあるロジックが盛り沢山の今作は本格ミステリの愉しさをその物語いっぱいで表現している。
    60歳のスーパーヒーロー ドルリー・レーンが舞台に姿を現わす。

    誉れ高きレーン四部作の一作目。

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