消えた消防車―推理小説 (角川文庫 赤 520-3)

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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (425ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042520030

感想・レビュー・書評

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  • 一級のミステリー

  • マルティン・ベックシリーズ5作目。
    ベック以外の刑事達の活躍や私生活がのぞけて楽しい作品。
    新人スカッケのお花畑っぷりもいいね。

  • マルティンベックシリーズ5冊目。ラーソンがある男を見張っていると、彼のいる建物が突然爆発する。事故と思われたが、実はその前に彼は死んでいた。冒頭にいくつもの小さな謎が呈示されていて、捜査官たちも初めは皆目検討がつかない。だが地道な捜査とベテランの直感によって徐々に真相が浮かび上がってくる。
    今回はラーソンが大活躍。一作目では実に嫌なオッサンだったけど、段々味が出てきた感じ。マルティンやコルベリといったおなじみの面々も個性的だし、何よりみんなそれぞれの持ち味を互いに尊重しているところがよい。捜査の最中もきっちり休暇はとるし、仕事に対する姿勢が他の警察小説と違ってのんびりしているのも楽しい。

  • ベックシリーズとしては凡作だろう。
    冒頭に不可解な殺人が起こって以降、捜査は遅々として進まず、展開に大きな起伏がある訳でもない。
    けれども、最後まで読ませてしまうのは、登場する刑事一人一人が生き生きと描かれており、そのやりとりの楽しさが作品に深みをもたらしているためだろう。

  • 前作の「笑う警官」のあたりからがぜん面白く感じられるようになりました。
    警察官一人一人の個性がよく出ていて臨場感あふれています。このシリーズまだ続くので細く長く読んでゆきたい、と思うけどきっと読み終わるまで役どころが頭に残ってなくて忘れてしまいそうなので、一気に!という選択肢もありかな。む

  • 警察関係者が魅力的なのではない。
    マルティンにしてもそうだ。
    社会にたいする作者の切り口が魅せる。
    何に注目し、着目し、どう感じるのか。
    そこに魅力を感じます。

  • 〝スウェーデン・ミステリの原点〟といわれる「刑事マルティン・ベック」シリーズの第5弾。

    ストックホルムのダウンタウンで発生したアパートの爆発炎上事故、時をおなじくしてメモにマルティン・ベックの名前を残したまま謎の自殺を遂げた男、忽然と消息を絶った第三の男の足どりを追う中でぼんやりと浮かび上がってくる大規模な自動車密売組織の影…… 。事件性の有無さえはっきりとしないまま、ベックらいつもの面々はこの〝支離滅裂〟な事件にずるずると巻き込まれてゆくのだが、この『消えた消防車』最大のみどころはといえば、グンヴァルト・ラーソン〜新人ベニー・スカッケ〜マルメ市警のモーンソンによる〝華麗なる捜査リレー〟だろう。こうした「脇役」たちの渋い活躍ぶりこそがまた、このマルティン・ベックシリーズの魅力のひとつなのだ。

    春から夏、夏から秋へと季節が移り変わるのとおなじく、妻との不和、家庭内で唯一の理解者ともいえる娘の自立などベックの家庭を取り巻く景色も様変わりしてゆく。それはまた、厳しい季節の到来を告げる声でもあるだろう。自動車の盗難と密売、家庭崩壊や児童にまで蔓延するドラッグ問題、そして銃器を身につけない主義のコルベリを見舞った不運…… ここではスウェーデンの「負」の側面が拡大鏡でみるように誇張される。このシリーズがしばしば「社会派」、あるいは「スウェーデン社会の変遷をも描くドラマティックな大河小説」(訳者)といわれるゆえんである。とはいえ、テーマは深刻ながらも、随所に散りばめられた北欧流ユーモアのおかげでけっして重苦しいだけの気分には終わらない。モーンソンがおこなった尋問のテープを聞きながら、その予想外の〝巧みさ〟に一同首をかしげるシーンなどすごく可笑しい。これはモーンソンと作者、そして読者だけのヒミツ。そしてもうひとつのナゾ「〝消えた消防車〟は無事発見されるのか?」もお楽しみに。

  • だんだん、スェーデンの生活とか習俗とかがわかってきたせいか、面白くなってきた。
    ストーリー展開も山谷が出てきた気がするし。

    ただ、どうも人物設定というかキャラクターがしっくりこないところはある。
    まだまだ、スェーデンのことがわかってないのか。
    とりあえずわかったのは、裸で寝ることが珍しくないこと。

  •  犯人当てでもトリックがあるわけでもない。ストックホルムの短い夏と長い冬、そして陰鬱な空があるだけである。しかしそれが面白い。昭和にすると40年代のストックホルム、我々が憧憬を抱くあの東京と同じ時期なはずなのに、見方によっては暗い。しかしストックホルムが本当にそうであったのか、それは今もまだ見ぬストックホルム、だからわからない。しかし読む者の想像力を掻き立てるに十分なストーリーと内容である。
     一番好きなシーンはベテラン刑事が火事の証拠になる物証を発見して、自宅に帰るシーン。玄関を開けると長年連れ添った妻が夕飯を食卓に並べて待っている。「悪くないじゃないか」と刑事がつぶやくのだが、こういうシーンが悪くないのは洋の東西は問わない。日本の推理小説でも読んだ覚えがある。

  • 箇条書きに。
    ・ああ、すっかり忘れていたよ、著者の思惑通りにハマった私。
    ・乱暴者とか言われるけど(確かにそのようなんだけど)実は彼を嫌ってるコルベリさんの方が嫌味な男に思えてきます。
    ・ありがちなグンヴァルドラーソン氏の描写ですが、やはり刑事にはこんな人間が似合っているのだろう。
    ・実際近くにいたら嫌だけど、創作だからいい。好きです。
    ・と、著者も思っているんだろーなー。

    以上。

    2010-3-5~9読了

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著者プロフィール

1935年、ストックホルム生まれ。雑誌記者・編集者を経て65年から10年間ペール・ヴァールーとマルティン・ベックシリーズを10作書き上げる。ストックホルムに詳しく、マルティン・ベックシリーズの陰の主役ストックホルムの町と人々の暮らしの卓越した描写はマイの功績。現在ノルウェー語、デンマーク語、英語の翻訳者。

「2017年 『バルコニーの男 刑事マルティン・ベック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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