蒸発した男 (角川文庫 赤 シ 3-2)

  • KADOKAWA (1977年5月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042520054

蒸発した男 (角川文庫 赤 シ 3-2)の感想・レビュー・書評

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  • 1966年発表のマルティン・ベックシリーズ第二弾。スウェーデン社会の変遷を描いた警察小説の古典として高い評価を得ている十部作だが、初期作品は極めて地味な捜査活動を描くことに終始している。
    著名なスウェーデン人ジャーナリストがハンガリーで行方不明となった。過去の事例により国際問題化することを恐れた外務省は、警察に失踪事件解決を依頼。白羽の矢が立ったマルティン・ベックは、ブダペストへと飛び、男の行方を辿っていく。
    往時のハンガリー観光名所巡りとしては役立つかもしれないが、麻薬密売の絡んだ犯罪に新鮮味は無く、謎解き自体もささやかなものだ。シリーズの魅力といっていい刑事群像も、本作ではベックの単独行動がメインとなっているため、物足りない印象を与える。

  • うーん、犯人が明らかになる後半部分は面白いんだけど、ブダペストのシーンはほとんどいらない気がする。あと、蒸発した男の飲み仲間たちの素性等を調べる箇所は、名前が分かりづらくて混乱した。戦後まもなくスウェーデン人ジャーナリストが共産国で行方不明になる事件があったことは知らなかった。

  • 刑事マルティン・ベック、シリーズ第2弾は東欧ハンガリー編。冷戦下のブダペストで忽然と姿を消したスウェーデン人ジャーナリストの行方を追って、夏休みを〝24時間〟で切り上げたマルティン・ベックは単身ハンガリーへと飛ぶ。彼をつきうごかすものはただ、「どんな任務でも引き受けて、解決にベストを尽くそうとする本能」、一種の「刑事根性」にほかならない。

    東西が分断された冷戦下のヨーロッパにあって、政治的な思惑から思うように進展しない捜査、麻薬密売組織、尾行者の影…… とさまざまなに伏線を張りめぐらしながらも真犯人は意外なところに。前作『ロゼアンナ』のカフカ刑事につづき、ベックは今回もハンガリーですばらしい協力者を得る。幸運な刑事なのだ。〝水と油〟な印象の同僚コルベリとも、ますます不思議に息があってきた。

    犯罪小説と呼ぶには、前のめりになった読者を軽くいなすような結末はあまりに淡白すぎる気もしなくもないが、いっぽうで、絵葉書のように風光明媚なブダペストの夏を堪能できるのがこの本の最大のポイントとなっている。それは、待ちに待った夏休みを取りあげたことに対する、作者からのベック刑事へのせめてもの「罪滅ぼし」だろうか? 土曜ワイド劇場的な観光気分も満点。ラスト、バカンスに戻ったベック刑事に対する妻の態度が、不気味(笑)。

  • うーん、ハンガリーまで行っているのに
    相変わらず地味。

    スェーデンの社会の変遷も今ひとつ、わからないし。
    前作は地道に進む捜査がメインだったが、
    今回はトリックが加わっててミステリーとしては良かった。

    しかし、最後の犯人を追い詰めるところが、これまた地味。

  • マルティン・ベックの活躍しないっぷりが大半を占める今巻、当時の東欧というポジションを考えさせるものでした。西に属するものが東に行くのは面倒だったからこそ異国情緒も楽しめる作品だったんでしょうね。そもそも海外旅行に行かない私からはすべて異国ですけどー

    時折マルティンのハンサム描写が入ってなんか笑う。どうも家庭生活に適応できない疲れたオッサンでイメージしてしまって、それを覆されるので。

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