ジャッカルの日 (角川文庫)

制作 : 篠原 慎 
  • 角川書店
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レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (549ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042537014

感想・レビュー・書評

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  • 1962年8月、アルジェリア独立を支持した当時のフランス大統領シャルル・ド・ゴールを排除すべく、OASによる暗殺未遂事件(プティ=クラマール事件)が起こった。
    OAS(Organisation de l’armée secrète)とは、アルジェリアはフランスの領土であるとして、その独立を阻止するため武装闘争を行っていた実在のフランス極右民族主義組織の名称である。
    プティ=クラマール事件の後、首謀者が逮捕され、銃殺されたことに伴いOASはほぼ壊滅状態に。
    そんな歴史的背景と実際の事件からはじまるサスペンス小説の傑作。

    相次ぐ失敗で窮地に追いこまれたOASは一計を案じ、フランスにいまだ一切情報のない外国人の殺し屋を雇い、ド・ゴール暗殺を目論む。
    暗号名はジャッカル。
    ジャッカルは速やかに、合理的にド・ゴール暗殺に向けて準備を進めてゆく。
    しかしその計画もやがてフランス官憲に漏洩。ルベル警視たちよる暗殺者捜索が始まる――。

    目的のために手段を選ばず、合理的かつ論理的に行動し、周到に準備を重ね、偵察を行い、巧妙な変装と工作でフランスに入国し、ド・ゴールに迫るジャッカル。
    政治に翻弄されながらも地道な捜査を粘り強く積み重ね、鋭い推理のもとジャッカルの包囲網をせばめてゆく老練のルベル警視。

    狩る者と狩られる者。フランス大統領を殺そうと決意している人間と、それを阻止しようと決意している人間の壮絶な相剋は必見。
    イギリス首相チャーチル暗殺を目論むドイツ軍部隊を描いた『鷲は舞い降りた』と同様に、暗殺されないという歴史的事実があるため、失敗することが最初から分かっている暗殺劇だが、「もしかして成功するのではないか」というスリリングな展開に、約540ページを最初から最後まで一気に読んでしまう。

    思えば、1960年代というのは、ド・ゴールやチャーチルなど、第二次世界大戦、その戦中戦後を牽引してきた巨頭と呼ばれた政治家たちが、年齢的、時代的にも退場の時を迎えていた時代だったのか。

  • スパイ小説の傑作。あのJ・ディーヴァーが絶賛するのもよくわかる。

    標的のドゴール大統領は実在の人物で、無論暗殺などされていない。よって、作中での結末はわかっているものの、圧倒的な緊迫感とスピードでぐいぐい引っ張られる。こんなぴりぴりした緊張感で一気に読んだのは何年ぶりだろう。しかも、この大作をわずか35日で書き上げたとは。まったくもってフォーサイスは変態。

    ストーリーは至極シンプル。追う側と追われる側の攻防戦、ただこれだけ。だが、この判りやすい鬼ごっこを取り巻くディテールの精巧さは芸術品。ノンフィクションかと見紛うほどの背景にがっちりと固められ、中断は不可能。首謀者、暗殺者、刑事──彼らの徹底した仕事ぶりは、一流を超える鬼レベル。このプロフェッショナルたちにシビれます、ルール違反です。

    陰謀、探偵、アクションと、みっつのテーマで展開するストーリーは圧巻。特に、暗殺までの下準備にほぼ半分以上が費やされてるのが印象的。終了間際のちょっとしたサプライズや余韻に浸れるラストシーンなど、隅々まで旨みが詰まっており、骨までしゃぶり尽くせます。「読まずに死ねない」「徹夜本」の王道をいく作品。フォーサイス、リピートするぞ!

  • だれもが絶賛する名作ということだから、楽しみにして読んだ。数年前に購入してずっと積ん読だったから、満を持してという感じだった。まず時代が古い。フランスとイギリスの警察の気質の違いがわかる。海の中に落ちた針を探すようなジャッカルを見つける作業は、警察の偶然やひらめきに支えられていく様子はおもしろい。

  • 初版が昭和54年…。
    全く古さを感じさせなかった。
    アルジュリア問題から発するドゴール大統領とOASとの攻防。
    序章で既にドゴール大統領の暗殺計画は全て失敗に終わり、彼自身ベットの上で静かに息を引き取ったと書かれているのでジャッカルの計画も失敗に終わるという事が初めっから判ってしまっている。
    にも関わらず「どうなるんだろう?」と第2章からハラハラしっぱなし。
    プロ同士(ジャッカルとルベル)のせめぎ合いは静かに進みつつも熱い。切れ味が凄まじい。
    違う意味でジャッカルは逃げ切った。と思った。
    静かに幕が開け、そして静かに幕が閉じた感じだった。

  • ジャッカル、かっこよス。

  • 2015年11月27日到着

  • 初めの方にドゴールが暗殺されたのではないと書いてあって、ジャッカルの計画がうまくいかないと分かっているのに、ジャッカルの逃げ方や計画をどのように遂行するのか、
    ルベル警視のジャッカルの追い詰め方にハラハラドキドキ。
    最後が少し不満やけど、史実を巧みに混ぜだ物語で、楽しめた。

  • 古典。
    当時のフランスの政情・雰囲気がわからないので、最初は読むのも遅かったが、ジャッカルが登場し、暗殺までの準備を開始したあたりから、急激に面白くなる。
    現代だったら不可能な抜け口が色々あるが、それでも見事。
    この事件はは果たして、本当にあったことなんだろうか?
    迫真の物語。

  • キャラクターの対比が簡潔でうまい。次々と策を繰り出すジャッカルとルベル、二人のプロの真剣勝負は一読の価値ありです。

  • 緻密な調査をもとにして作り込まれたストーリー。古典だが、次の展開を匂わせるような、現代の映画の脚本を読んでいるみたいだった。

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プロフィール

1938年イギリス生まれ。空軍のパイロットなどを経て、ロイター通信、BBC放送の記者を勤めた後、作家に。71年ドゴール暗殺をテーマに書いた長編『ジャッカルの日』で小説家としてデビュー。綿密な取材とストーリーテリングの天賦の才で世界をわかせ続けている。著書に、『オデッサ・ファイル』『戦争の犬たち』『神の拳』『アフガンの男』『キル・リスト』など多数。

「2016年 『アウトサイダー 陰謀の中の人生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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