- 本 ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042537199
感想・レビュー・書評
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1999年、ロシア経済は完全に破綻した。台頭する新勢力。恐るべき黒い野望(帯より)
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外れなし、必読書。
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この本には、実に多くの登場人物が描かれている。
しかも、何人もの重要な人物の役どころがしっかりしていてさすがフォーサイスと唸ってしまう。
さて、登場人物の誰の視座でこの本を読めば楽しいか。
これは、下巻の最後に種明かしがある。
スパイゲームサスペンスの傑作である。 -
1999年インフレに陥ったロシアを舞台に、独裁政治をもくろむ政治家コマロフの大統領就任を阻止するために、元CIAや元SISスパイ集団が立ち向かう話。
KGBやCIAやSISなどが繰り広げるスパイ合戦の様子がとてもくわしく書かれているが、前半は登場人物やかけひきがとびかいがまんの部分であるが、後半主人公の元CIAモンクが動き出してからは一気に進む。
ザ、スパイ小説である。 -
(上下2巻、読み終えての感想です)
ロシアも何となくそれなりに動いていて、イラクとの戦争をフランスと一緒になって止めたりしていると、なんとなく普通の国になったんだなって気がする。ソビエト連邦が崩壊した後しばらくのロシアは、すでに歴史の一齣なのだろうか。
だとすれば、ある意味ではロシア再生のひとつのシナリオを提示したようなこの物語は、時代遅れになりそうなものだ。しかし実際は、時代遅れになんかなってはいない。宣伝上手なファシストの台頭というのは、今の世の中だって充分にあり得ることだから。
物語としては、敵味方がはっきりしていて、フォーサイスにしては淡泊なような気がした。とにかく、前半のスパイの話、結末を読むのがつらい。回想シーンが多くて、それが読みどころではあるんだけど、妙にリアルすぎて、切なくなってくるんだよね。 -
国粋主義的な政治家・コマロフの書いたレポート―のちに「黒い宣言書」と呼ばれる―が盗まれ、SISのもとへと運ばれます。この宣言書をめぐるコマロフとSISの攻防が一つの物語。
そして、CIA至上最悪のスパイ、エイムズとCIAのホープ、モンクの暗闘を描いた物語。この二つの物語が平行して描かれていきます。
著者の持つ背景知識には脱帽であり、その豊かな知識に裏付けられた物語は非常に濃厚であり、かつスリリングであります。
もっとも、読む人は選ぶでしょう。スパイとかインテリジェンスとかに興味のない方には、あまりお勧めできません。
一方で、興味のある方は、読んで損なしです。
著者プロフィール
フレデリック・フォーサイスの作品





