アフガンの男 下 (角川文庫 フ 6-27)

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042537274

作品紹介・あらすじ

アメリカで逮捕中のタリバン戦士になりすまし、無事アルカイダに潜入を果たしたマイク。だが、テロの標的は船だとメッセージを残した彼の行方を諜報部は見失ってしまう。そして、その日は刻一刻と近づいていた……。

感想・レビュー・書評

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  • イギリスの作家「フレデリック・フォーサイス」の長篇軍事スリラー作品『アフガンの男(原題:The Afghan)』を読みました。

    『戦士たちの挽歌―Forsyth Collection〈1〉』に続き「フレデリック・フォーサイス」作品です。

    -----story-------------
    〈上〉
    2006年。
    アルカイダ幹部が逮捕劇中に死亡、そのパソコンからテロ計画書が発見される。
    世界を未曾有の恐怖に陥らせる大規模テロ。
    だが、米英謀報部がどれほど手を尽くしても詳細は不明だった。
    そこで、1人の男に白羽の矢が立つ。
    「マイク・マーティン」―かつて湾岸戦争の際にバグダッドへ潜入し、任務を成功させた褐色の元SAS将校が再び敵地へと送り込まれることになる!
    円熟の著者が放つ、軍事スリラーの金子塔。

    〈下〉
    アルカイダという閉鎖的組織への潜入を成功させるために取られたのは、替え玉作戦。
    現在は収監中のタリバン戦士「イズマート・ハーン」に成りすまし、アラブ世界へ身を投じた「マイク」は、着々と進行するテロ作戦の実行部隊の一員となる。
    潜り込んだ先は、船。
    この船で一体、どんなテロを起こそうとしているのか?
    折しも、豪華客船に各国要人が集うG8の開催日が近づいていた…。
    混迷の現代社会に警鐘を鳴らす、超一級の物語。
    円熟の著者が放つ、軍事スリラーの金字塔。
    -----------------------

    アルカイダの大規模テロ計画を阻止するために、元SAS将校の「マイク・マーティン」が、アフガン出身のタリバン戦士になりすまし、アルカイダに潜入するという軍事スリラー作品です。

     ■第一部 アカエイ
     ■第二部 戦死
     ■第三部 金挺(クロウバー)
     ■第四部 旅路
     ■エピローグ
     ■解説 どう生き、どう死ぬのか 真山仁

    元SAS出身の「マイク・マーティン大佐」は、既に退役しイギリスの田舎での生活を送っていたが、アルカイダが企てる陰謀を阻止する任務を依頼される… アルカイダの計画は、手段や方法が不明であり、その内容を知るために「マイク」はアフガン人「イズマート・ハーン」になりすまし、アフガンに潜入することになる、、、

    幾度となく戦場に身を置き、祖国の為、世界の為に命を懸けるという任務を黙々とこなしてきた「マイク」は、引退していたにも関わらず、この依頼を引き受ける… 「マイク」は、少年時代をイラクで過ごし、若い頃アフガンで任務に付いていたことから、パシュトー語もマスターしており、この任務の適任だったのだ。

    「マイク」は、首尾よくアフガンに潜入し、当初はアメリカ軍の無人機にて追跡・生存が確認されていたが、アメリカ軍は途中で彼を見失ってしまう… 生死不明の状態の中、「マイク」は着実に任務を遂行し、船舶を爆弾化して、豪華客船上で行われているG8会議へ突入するという大規模なテロ計画の中枢に近付いていた、、、

    「マイク」はG8会議の各国首脳を救うことはできるのか!?

    逃亡した「イズマート」の追跡劇や、爆弾化した船舶上での駆け引き等、終盤は「フレデリック・フォーサイス」らしい盛り上がりはあったものの、全般的には事件の背景や世界情勢の解説に割かれている割合が多く、やや退屈な展開でしたね… ドキュメンタリータッチに描かれている影響か、エンタテイメント性に欠ける感じ、、、

    『ジャッカルの日』や『戦争の犬たち』のような作品を期待していたので、ちょっと物足りなかったですね。



    以下、主な登場人物です。

    「マイク・マーティン」
     褐色の元SAS大佐

    「イズマート・ハーン」
     元タリバンの司令官、パシュトー人

    「マレク・グミーニイ」
     米・CIA副長官(工作担当)

    「スティーヴ・ヒル」
     英・SIS本部中東担当の上級管理官

    「マイケル・マクドナルド」
     米・CIAテロ対策本部所属、金挺(クロウバー)作戦工作管理官

    「ゴードン・フィリップス」
     英・SIS中東部所属、金挺(クロウバー)作戦工作管理官

    「サム・シーモア」
     英・SISテロ対策本部、海事部門

    「チャック・ヘミングウェイ」
     米税関・国境警備局商船部門所属

    「エリザ・マニンガム=ブラー」
     英・MI5長官

    「ジョン・ネグロポンテ」
     米・国家情報局長官

    「スティーヴ・ハドリー」
     米・国家安全保障会議議長

    「アヴドゥル・ラザーク」
     パキスタンCTC部門指揮官

    「ブライアン・オダウド」
     在ペシャワルの英・SIS工作員

    「テウフィク・アル-クール」
     アルカイダの資金調達部門幹部、エジプト人

    「アイマン・アル-ザワヒリ」
     アルカイダの次席、エジプト人の医師

    「オサマ・ビン・ラディン」
     アルカイダの首領、サウジ出身

    「アリ・アジズ・アル・ハタブ」
     アルカイダのスリーパー、英在住のクエート人

    「ユスフ・イブラヒム」
     アルカイダメンバー、アル-イスラの実行指揮官

    「スレイマン」
     アルカイダメンバー、偽カウンテス乗組員

    「アフメド・ランポン」
     ジェマード・イスラミアのメンバー

    「ファイサル・ビン・セリム」
     ダウ船ラシャ号船長、ワッハーブ派

    「アフマド・シャー・マスード師」
     反タリバン抵抗運動の軍事指導者

    「ムハンマド・オマール師」
     タリバンの首長

    「グルブディン・ヘクマトヤール」
     ペシャワル・セブンの一つのグループの指導者

    「ラッバーニ」
     マスードのグループの指導者

    「サイヤフ」
     ペシャワル・セブンの一つのグループの指導者

    「マウルヴィ・ユーニス・ハリス師」
     ヒズブ・イ・イスラミ党党首

    「アブドゥル・ハク」
     ユーニス・ハリス師の部下

    「テリー・マーティン」
     ロンドン大学所属のコーラン研究者、マイクの弟

    「ナイジェル・マーティン」
     マイクとテリーの父

    「スーザン・マーティン」
     マイクとテリーの母

    「ルシンダ」
     マイクの元妻、看護師

    「ヌリ・ハーン」
     イズマートの父

    「マルヤム」
     イズマートの母

    「クヌート・ヘルマン」
     ジャワ・スター号船長

    「ライアム・マッケンドリック」
     カウンテス・オブ・リッチモンド船長

    「パブロ・モンタルバン」
     ドンア・マリア号船長

    「ラリー・デュバル少佐」
     米空軍パイロット

    「ニッキー・ジョンズ大尉」
     デュバルと同乗する兵器管制士官

    「マイケル・リネット大尉」
     米陸軍工作指揮官

    「ピーター・ベアポウ曹長」
     リネット隊の狙撃手

    「ナジブ・クレシ」
     英・GCHQの翻訳官、フォーブズ城でのマイクの教育係

    「タミアン・ゴッドフリー」
     コーラン学者、フォーブズ城でのマイクの教育係

  • 上巻よりもテンポよく進んでいくが、
    気になる点がいくつも出てくる。

    あの終わり方はちょっと納得いかない。
    もっと余韻を残して読者の好奇心を煽ってくれたらよかった。
    最後まで、マーティンとイズマート・ハーンとの関係も掴みにくかった。
    そこがキーポイントだと思っていたのだが…

  • 上巻から打って変わってテンポが速く読みやすくなる。結末がショックだった。「ジャッカルの日」のように余韻を残してくれても良かったかもしれない。個人的には。

  • フォーサイスにしては今一つ楽しめず。いつものような最後のオチもなかった。マイク・マーティンとイズマート・ハーンの間にあった何かが、オチになる予想だった。

  • イマイチ

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著者プロフィール

1938年イギリス生まれ。空軍のパイロットなどを経て、ロイター通信、BBC放送の記者を勤めた後、作家に。71年ドゴール暗殺をテーマに書いた長編『ジャッカルの日』で小説家としてデビュー。綿密な取材とストーリーテリングの天賦の才で世界をわかせ続けている。著書に、『オデッサ・ファイル』『戦争の犬たち』『神の拳』『アフガンの男』『キル・リスト』、小説のような半生を描いた自伝『アウトサイダー』など多数。

「2022年 『ジャッカルの日 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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