ひとたび人を殺さば (角川文庫 赤 541-1 ウェクスフォード警部シリーズ)

制作 : 深町 眞理子 
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042541011

感想・レビュー・書評

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  • 老刑事ウェクスフォードが体調不良による休養のため、甥の首都警察ハワード警視のもとに滞在した際に、身元不明の女性の殺人事件が発生し、刑事魂が抜けずに、独自に事件の捜査を行う話。
    「ロウフィールド館の惨劇」と「わが目の悪魔」を読んで、異常性格者が引き起こすサスペンス小説を書く作家だと思っていたが、本作品は全く毛色が違っている。
    ジャンルとしては、老刑事ウェクスフォードの紆余曲折の捜査課程を描いた警察小説と言えよう。
    身元不明の女性を取り巻く人間関係が複雑で、私の理解力不足なのか、最初に読んだ時点では登場人物間の関係が十分に把握できず、「誰が誰?」状態であった。パラパラとページをめくり直して確認し、ようやく理解できた(と思う)。
    身元不明の女性の過去を探るのが焦点の話だが、ウェクスフォードも地元警察も、仮説を確信するあまり、間違った道に入り込んでしまい、それが話を複雑にし、わかりにくくしている。
    ウェクスフォードが最後に、人物Aが犯人ではなく、人物Bが犯人であるという根拠を示すのだが、その根拠はいずれも薄弱であり、本格物とは言い難い。
    てっきり、私はAでもBでもない人物を犯人だと思っていた。

  • すごい!
    薄皮をはぐように謎が解き明かされていく。
    見事!

  • ロンドンの街並が浮かぶ描写とどんでん返しのきいたミステリー。楽しめました!

  • ウェクスフォード警部は病気療養のため田舎町からロンドンの甥の家の世話になっていた。退屈しきっていた中、近くの墓地で女性の絞殺死体が発見されるという事件が起きた。警部は微妙な立場ながら捜査に携わるが、女性の身元がわれず、捜査は難航する…。天才型ではないが、堅実な捜査と人を見る目を持つウェクスフォード警部が、ロンドンというアウェーでの捜査に難航しながらも持ち前の長所を発揮して真相に近づいていく様が、安定感があっていい。まあ、少々早とちりもするが…。ところが、この早とちりもただの失敗に終わらず、ラストの真相にうまく絡めたところも面白い。女性の生前の痕跡を探そうとすればするほど影が薄くなるような人物造型もうまい。背景に閉鎖的で特殊な家庭環境があるとわかったときはちょっと驚いた。イギリスという国の暗部をのぞかせる、低所得者層の生活描写にもちょっとショックを受けた。※懐かしのレンデル。一時はまっていたのにすっかり内容を忘れてしまった。このシリーズは好きだったなあ。

  • 上手い!
    重厚で昏いイメージを数多の書評子から植え付けられていたが、いやいやどうして!何と読み易い、そして抜群のリーダビリティーがある。

    恐らく本作は著者にとっては傑作ではなく寧ろ佳作となるべき作品だろう。しかし、登場人物、特に女性像がどれも印象的で、登場人物表に載ってないのが不思議なくらいだ。
    しかもプロットをしっかり形成して取りかかる作者らしく、終始一貫したテーマが立ち上り、着地も見事決まった。

  • ロンドンの墓地で若い娘の絞殺死体が発見された。聞き込みを重ねても身許が割れず、名前も偽名だった…。二転、三転、捜査は意外な結末へ。第二のクリスティと評される気鋭女流の傑作ミステリー。

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