薔薇の殺意 (角川文庫 赤 541-2 ウェクスフォード警部シリーズ)

制作 : 深町 眞理子 
  • KADOKAWA (1981年12月発売)
3.50
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  • 本棚登録 :29
  • レビュー :7
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042541028

薔薇の殺意 (角川文庫 赤 541-2 ウェクスフォード警部シリーズ)の感想・レビュー・書評

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  • 手持ちの本の再読。3度目ぐらいかな。

    ルース・レンデルの記念すべきデビュー作。
    ウェクスフォード警部シリーズ1作目。
    キングズマーカムはロンドンまで1時間ほどの田舎町。
    警察署の建物はモダンで新しく、まわりからやや浮いている。
    部下のバーデン警部がキングズマーカムに赴任してきて、半年ほどの時期。
    ウェクスフォード主任警部のことは、バーデンの目を通して描かれる。
    ウェクスフォードは52歳で、外見はテレビなどの警察首脳役のイメージそのものとバーデンが評している。

    バーデンの近所に住むパースンズが、妻が帰宅しないと相談してきた。
    質素に暮らしている平凡な主婦マーガレット・パースンズ。
    夫婦の住む古い家には冷蔵庫も洗濯機もないという。(貧しさもあるけど、それ以上に時代かなあ?!)
    つつましい妻に限って、勝手に夜遊びに出ることなどないと訴える夫。
    後に、牧草地で絞殺されているのが発見される。

    ゆっくりした捜査のテンポ。
    地域もあり、時代もあるんでしょうねえ。
    現場近くに落ちていた手がかりが、口紅とマッチというのも、古典的。
    「北極の黒貂」というユニークな名前の口紅を売っていた店を探して回るバーデン。

    口紅を買ったのは、金持ちの妻で派手なヘレン・ミサル。
    妻のわざとらしい言い訳に、夫は顔色を変える。
    ミサル家には、弁護士のクォドラント夫妻が、ちょうど客で来ていたのだが。
    やり手で嫌みなクォドラント弁護士とは、警部らは顔見知り。

    パースンズ夫人の古い持ち物には、家に似つかわしくない高価な文学書と、「ミナへ」という宛名の熱のこもった長い手紙の束があった。
    地味で平凡な女性に、こんな熱烈な思いを寄せた恋人があったのだろうか…?
    夫人の過去を探っていくウェクスフォードら。
    ウェクスフォード警部らしい慧眼を、バーデンも読者と共に知っていくことに。

    シンプルで読みやすい方だと思います。
    デビュー作にしては非常に安定したタッチで、細かい部分にさすがの鋭さがありますね。

    1950年代の話などが出てくるので、そんなに古いのかとびっくりして、発表年を確かめました。
    1964年の作品。
    作者は1930年生まれ。ということは今、81歳?
    現在も作家活動中。
    ウェクスフォード警部シリーズは、昨年までで23作。

  • 再読。起きる事件は最初の殺人一件のみで展開も極めて地味だが、おかげでメイントリックが際立っている。細やかな描写も好印象。

  • まだそんなにたくさん、レンデル作品を読んでいるわけではありませんが、私にとってメチャ面白い作品と面白くない作品の差が激しく思われます。
    本書は・・・イマイチな方で、途中、1度、読むのをあきらめたことがあります。
    少し時間を置き、がんばって読み進めると・・・後半はとっても面白く、びっくりしました。
    往々にして英国ミステリは心理描写や背景の描写をとても細かく説明します。
    レンデルもしかり。時には前半すべてが事件のベースになることだったりする作品もあるほど。
    そこをなんとかクリアすればとても面白いんですよね~。
    わかってはいるのですが、イギリスという国に対して造詣が深くないことなどで、時に読むのがとても苦痛になることがあります。
    ま、そこを面白く読ませるのが著者あるいは訳者の力量にかかっているということなのでしょう。
    レンデル作品、すべてがそうではないはず。
    レンデルファンの友人に20冊くらい借りたので読まなきゃなぁ~と少し強制的に読んでいる私です。
    せめて4つ星をつけさせるような作品にお目にかかりたいわ~ん。

  • ウェクスフォードもの。ウェクスフォードの初登場作品。パースンズ夫人が行方不明になった。捜索したものの発見できなかったが、その翌日草むらの中から死体となって発見される。その死体の横には口紅と使われたマッチが残されており、それを基にウェクスフォードとバーデンは捜査を開始する。初めてウェクスフォードものを読んだけれど、捜査方法が現警察の捜査方法だからか、少々地味で派手ではなかった。けれど、退屈せず読めたっていうのはなんかあるんだろうけどそれがわからない(笑) トリック的なものは驚かなかったけれど、それを導き出した方法がよかったかな。でも、解決も地味だった。まあ、よくわからないんだけど普通に読めたし面白かったかなあ。

  • レンデル大好き。
    2冊め。
    ヤなやつのヤな部分を書くのが好きそう。細部がいやらしい。

    普通の推理小説として読ませてくれないあたり私のドストライクで、好きです。
    ウェクスフォードシリーズ以外も是非読んでみたいです。

    (7月初読了)

  • 妻が行方不明…近所の知人から相談されたバーデン刑事は失踪人として行方を探し始めたが、その甲斐なく数日後に牧草地の中で絞殺死体となって発見された。つつましく地味に生活していた平凡な主婦が、なぜ事件にあったのか?手掛かりは彼女の遺品---彼女への熱烈な思慕の言葉が書き込まれた本---に隠されていた。ウェクスフォード警部シリーズの記念すべき第一作。奇をてらったトリックや暴力的な殺害場面、派手な捕りものシーンはないが、無理のない展開やまっとうな(紳士的ですらある)捜査方法、細かな人物描写が特徴的な正統派ミステリ。ウェクスフォード主任警部(とバーデン)は、現場に残された一本の口紅(口紅の商品名が「北極の黒貂」って女性作家ならではのセンス)から、地道な捜査を経て二組の夫婦に辿り着く。この四人との事件の関連性を追うのと並行して、判を押したような毎日を送っていた被害者マーガレットの過去を探って、初めて真相に近づいてくところが、性急でなく丁寧な話運び。本に書かれた活字体の書き手ドゥーンの正体は、被害者マーガレットの昔の恋人らしいことがわかってくるものの、「なにもあったわけじゃない」プラトニックな関係だったのに「なぜこわがるのかわからない」。ドゥ−ンは××だったというのは、作品の一番の仕掛け。今ではあまり珍しくないが、自分には思いがけない真相だった。ちらほら粗(犯行時刻の割り出し方とか)も見られたけど、安心して読める良作。

  • ウェクスフォード警部シリーズ第1作

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