ロウフィールド館の惨劇 (角川文庫 (5709))

制作 : 小尾 芙佐 
  • 角川書店
3.60
  • (19)
  • (27)
  • (35)
  • (4)
  • (4)
本棚登録 : 260
レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042541059

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • これが噂の、という期待感で臨んだ本書。冒頭の有名な一文から全てを聖ヴァレンタイン・デイの惨劇へと収斂させていく手並みは見事。
    日常の、本統に何気ないアクシデント、例えばTVの故障などが文盲であるユーニスにとって狂気へ駆り立てる一因となっていく事を実に説得力ある文章で淡々と述べていく。そして事件後の真相に至る経緯も、事件前に散りばめられた様々な要素が、単純に真相解明に結びつかない所が面白い。
    運命を弄ぶレンデル、そして“怪物”を生み出したレンデルに拍手を贈りたい。

  • 夜を通して読みました。
    面白いんですが読後感はシンドイ作品です。

  • ものすごく久々に再読。
    10年以上振りかも。
    今で言うならサイコパスだよねぇ。
    ディスレクシア(失読症)と名前が彼女のスイッチ。

  • 初っ端に結論ありきの書法が、本作の場合は実に有効に活かされていて、どんな流れで虐殺に至ったかの経緯を読み進める手が止まらなかった。陰惨なシーンは最後の僅かだけで、あとは至って能天気な場面も多いんだけど、通底する冷酷スパイスが良く効いていて、緊張感のある流れが出来上がっている。そこかしこでオススメもされていて、オールタイムベストにも入ってくるような作品。ずっと気になっていたけどようやく読了。期待に違わぬ面白さでした。

  • 文盲であること。
    それがもたらす悲劇。

  • 面白いけどそこまで面白いわけでもなく。

    文盲についてあまり感覚が共有できないなあ、そのせいであんな性格になったっていうのがよくわからなかった

  • この弁士の語り口調のような文章がしつこく感じた。信じられない思考回路の昔の女たち。

  • 冒頭の「ユーニス・パーチマンがカヴァデイル一家を殺したのは、読み書きができなかったためである」の衝撃的な一文。いしいひさいち氏のパロディ4コマから、そのコンプレックスにより引き起こされた事件なのだろうと想像はつきましたが…読後、その対になるような一文が頭に浮かびます。秀逸な出だし。
    読み書きができないというのがどういうことなのか実感しにくいのが正直なところです。普段の生活でどれだけ文字に頼っているかなんて考えないし、文字を読めないだけで何でもないようなことができなくなるのか、指摘されてやっと気づけるくらい。読み書きができないなら習えばいいじゃない、と思ってしまうのですが、ユーニスにしてみればとんだマリー・アントワネット発言なんですよね。例えばメモを残す、本を読む、物を探す。悪意なんてもちろんなく、親切の逆効果でもなく、何の意図もない。そんな些細なできごとがユーニスを事件へと向かわせていく。まるで針でチクチクと刺されているような緊張感が高まります。そして事件後。もうユーニスに気を使わなくていいんだとほっとしている部分があるのに気づきます。ユーニスの圧力恐るべし。
    映画化したのを見てみたいなぁ、ユーニス役の女優さんは腕の見せどころだろうなぁ…と思っていたら、もう映画化されてました。

  • 衝撃的な出だし・・・
    『ユーニス・パーチマンがカヴァデイル一家を殺したのは、読み書きができなかったためである。』
    この一文から始まる・・・

    結末からスタートするという・・・
    ネタバレスタートの物語・・・
    もう最初の最初で・・・
    犯人も・・・
    その理由も・・・
    結末も・・・
    書いてある・・・
    でもでも!
    それなのに!
    グイグイ惹きこまれる!!

    イギリスの片田舎で起こった凄惨な殺人事件・・・
    ロウフィールド館で起こった惨劇・・・
    被害者たちも犯人も、なぜ殺されたのかも最初に書いてあるのに・・・
    読み進めずにはいられない・・・
    その書き方、語り方が圧倒的・・・
    そう・・・
    やがて起こる惨劇へ・・・
    運命の歯車がクルクルクルクル回っていく様が巧み過ぎる・・・
    もしあの時・・・
    ああしていれば、こうしていれば・・・
    あんなことにはならなったのに・・・
    という運命の分かれ道を・・・
    何度も目撃する・・・
    目撃していて何も出来ない・・・
    このもどかしさが何とも言えない・・・
    ああ、傍観者・・・
    被害者たちも犯人すらも、やがて来る運命の瞬間へとズルズルズルズルと引き摺り込まれていく・・・
    飲み込まれていく・・・
    いろんな選択、偶然が重なりに重なって・・・
    引き起こされる惨劇の逃れられない運命のイタズラ感がハンパない・・・
    さらに・・・
    犯人であるユーニス・パーチマンという女性の・・・
    人間としての『大切な感情』が欠落している様が、アリアリと描かれていてトリハダもの・・・
    その体温を感じさせない心情が恐怖です・・・
    また、文字が読めないというコンプレックスがユーニスを追い込んでいく様もリアルで厭な感じを醸し出している・・・
    ああ、コンプレックス・・・

    読後感は・・・
    ええ、よろしくはないですね・・・
    しかし、これはオススメです・・・
    面白い・・・

  • 物語の最初に、事件の中身が記されている。従い、何が起こるかではなく、いつ起こるかという、ドラマの変遷に興味がいく。一人のディスレクシアが、サイコパスとして描かれるまでの狂気。創作は、館を中心にその狂気を描く…。

    ホラーとしてはもの足りず、ミステリーでも無い。ノンフィクションのような小説であり、その分のリアリティが味わえる。

全47件中 1 - 10件を表示

ルース・レンデルの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
高野 和明
三島 由紀夫
ウンベルト エー...
冲方 丁
宮部 みゆき
ジェイムズ・P・...
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印

ロウフィールド館の惨劇 (角川文庫 (5709))を本棚に登録しているひと

ツイートする