ユケ、鉄路 夜行急行『北星』北東北突破戦 (Novel 0)
- KADOKAWA (2016年10月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042560319
作品紹介・あらすじ
『ふるさと振興再生法』。治安回復と景気振興、および過疎防止のために打ち出されたその法案により、人々が生まれ育った街から移動するには政府の許可を得なければならなくなった。日本国民にとって旅行の自由を奪うという非情な政策に対抗すべく、鉄道各社は特別車掌隊を編成。移動の権利を翳す特別車掌隊と、許可証不所持者を取り締まる鉄道公安部隊の戦いは激化の一途を辿っていた―――。
感想・レビュー・書評
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第12回毎週ビブリオバトル
チャンプ本 -
なかなか読み進められなかったけれど、大当たりだった。独特のifの世界なんだけれど、突拍子もないという感じがほとんどなくて、普通の人間模様を読んでいるようなつもりになっていた。読み終わって一息ついて、これがifの物語だと思い出す感じ。心地良い。
180416 -
設定は練られていたが、分量の都合がそこまで物語に活かせていな買ったのが残念。展開もどうしても舞台が限られる以上単調になってしまう。ただ旅の雰囲気は好きだし、ラストシーンは一見の価値はあると思う。
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他県へ移動するのに許可が必要になった近未来の日本が舞台。東京発札幌行き(?うろ覚え)の急行列車内で巻き起こる、移動の権利を守ろうとする特別車掌隊と取り締まる鉄道交安部隊との衝突。新人車掌の主人公とヒロインは、北を目指す少年少女を守れるのか─。
といった、あらすじだけを見ると鉄道好きとしては面白そうな内容。閉鎖空間である車内を群像劇で描くという構想も、うまく描ければ面白くなるはずだったのに、如何せん、作者の筆力が一歩およばず、盛り上がりに欠けて最後まで読み切るのがしんどかった。
登場人物に魅力を感じられないし、それぞれのキャラクターの行動理由もはっきりしないので、盛り上がりに欠ける。 -
荒唐無稽だ。鉄道と旅という、余りにも日常の中に根ざしているパーツを、ここまでこねくり回すとは。この設定を創り、この物語を紡いだ著者に、まずは素直に敬服したい。
故に思う。もう少しこなれているとより良かったな、と。
国内の移動が制限されたif世界の日本。その規制に従い実力行使をする勢力と、数少ない夜行急行に特殊車掌として乗務し旅の自由を取り戻したい主人公たち。分かりやすい構造だし状況の二転三転もあるし路線を知ってると楽しいのに、微かに感じる会話文や心理描写の違和感が、勿体無かった感。