ポゼッション (角川ホラー文庫 507-1)

著者 : ピーター・ジェイムズ 南山宏

• KADOKAWA (1993年7月1日発売)

感想・レビュー・書評

[るねさんの感想 · 2010年4月17日]

著作権代理店を経営するキャリアウーマンのアレックス。ある日、一人息子で大学生のフェビアンが、旅行先のフランスで事故死する。その日以降、彼女の周囲で奇妙な現象が続発する。それは心霊現象……フェビアンが何かを伝えたがっているような。息子の亡霊に次第に精神の平衡を失いながら、彼の過去を探るアレックス。そして彼女は、想像だにしなかった息子の別の顔を知る……。

うーん、今一つ。確かにラストでフェビアンの罪？らしきものが明るみに出るんだが、冒頭で張った伏線らしきものとのつながりもよくわからない。解説で訳者が絶賛してるけど、やはり提灯記事と読めてしまう。とは言え内容は真っ当なオカルト小説であり雰囲気的には怖さも出ていると思うが。20世紀序盤のゴシック小説とも無論趣を異にしているのだけれども。