ゲット・ショーティ (角川文庫 赤 レ 4-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042692027

感想・レビュー・書評

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  • サブタイトルは『get more』だった ウォートン流人生のすべてにおいてもっとトクする~ からのリファレンス。

    マイアミのタフな高利貸しチリ・パーマーは、取立てがこじれて何故か冴えない映画プロデューサーと一攫千金を狙う話に巻き込まれていくという、ギャングスタもの。

    なんだか、独特なコダワリを持っていてチンピラなんだけど愛せちゃう登場人物の設定とか、ヒロインが昔、浅はかなストーリーの映画に出てたことを遠い目で語る場面のセクシーなカンジとか、読んでる途中で、これは大好きな映画「パルプフィクション」がパロディした元ネタなんじゃないか、と思ってたら、最後まで読んでビックリ。 あとがきによれば、パルプフィクションの監督、無く子も黙る(程おしゃべりな)クエンティンタランティーノ監督は、本書著者のエルモア・レナードを敬愛しており、1992年の小説「Rum Punch」はタランティーノのプロダクションで映画化済みとな・・・

    本作品も映画化されてますが、主役のチリ・パーマー役はトラボル兄。この辺もパルプフィクションに繋がっていったのかなーなんて。

  • ハ~ドボイルド!!
    ちょっと悪で、それでいて賢くて、喧嘩も強い。

    男の子だったら引き込まれるよね。。

  • 本当になんてことないストーリーで中身もないように思えるのに、まあ引き込まれるし面白く読める。
    どうもこうもないのに、とにかく面白い。
    すごい。

  • ある作家さんが敬愛しているので、初めてエルモア・レナードを読んでみました。
    先入観があると思いますが、まさにハリウッド映画を読んでいるような気分で、個性的な登場人物たちを想像しながら楽しめました。
    個人的には好みではなく、ミステリー小説ほどの緊迫感や驚きがないので単調に感じましたが、ストーリー展開が早くて、次々に色んな場面に切り替わっていくのは良かった。
    チリ達が一つの映画のストーリーを話し合いながら膨らませていくので、本を読みながらもう一つの本を読んでいるような構成でとても新鮮でした。

  • 数あるレナード作品の中で最も好きな人物を挙げよと云われたら、私は迷うことなく本書の主人公チリ・パーマーを挙げる。
    本作は映画化もされ、ヒットしたレナードの大傑作!

    マイアミの高利貸し屋チリ・パーマーは飛行機事故で亡くなった男の遺族から金を取り立てることになったが、なんとその男は生きていることを知る。偽装死亡による保険金詐欺をまんまと成功させたその男はラスヴェガスに逃げていることを知らされる。しかしさらにその男はラスヴェガスで大儲けした後、LAに高飛びしていた。チリは借金を取り立てるため、ハリウッドに乗り込む。しかしそこで出会ったのは借金を抱えた映画プロデューサーと売れない女優。映画好きのチリは彼らとともに映画でひと山当てようと企み、ハリウッド映画界の内幕に入り込んでいく。

    『五万二千ドル~』の感想でも述べたがレナードの映画好きはつとに有名で、本書ではその趣味が実に物語と融合して痛快な1作に仕上っている。レナード自身、脚本家でもあり、また自作の映画化作品などでハリウッド映画業界に携わったことがあるため、業界の内幕には詳しく、暴露話が織り込まれている。これが作品のテーマと非常に密接に関わり、相乗効果を上げている。
    この設定に「おれの目を見ろ」が殺し文句のはったりで世間を渡り歩くタフガイ、チリの造型がマッチして、非常に小気味よい。さらにかつての栄光をもう一度と願う冴えない映画プロデューサー、ハリー(またこの名前だ)とかつてホラームーヴィーで絶叫女優としてひっぱりだこだったキャレン、さらにセレブ俳優マイケルと出てくるキャラクターは他のレナード作品と比べても豪華。私が持っているのは映画化の際に出版された物で表紙は同映画の宣伝ポスターのような装丁になっており、ハリーがジーン・ハックマン、キャレンがレネ・ルッソ、マイケルがダニー・デビートとキャスティングさえも頭に浮かびやすくなっていた。とにかくこんなに面白い本があるのかとずっと思いながら読んでいた。

    そしてあわやチリの語る数々の逸話が映画の脚本として採用されそうになるのだが、そこはレナード、全く予想も付かない結末に導く。
    しかもこの結末はもう物語の神様がレナードに下りてきたかのように散りばめられた布石がカチッと嵌る。私は最後の方で思わず声を挙げたくらいだ。
    作者もチリ・パーマーをよほど気に入ったのであろう、続編『ビー・クール』も書かれている。

    なお、題名の意味は「あのチビを手に入れろ」。
    チビの正体はすぐ解るが、それも素人が遭遇する芸能界のあるギャップを表していて面白い。

    なお、往々にしてレナードの映画化作品は出来が悪く、不満が残り、また作者自身も公然と不平をぶちまけているが、バリー・ソネンフェルド監督による本作の映画は原作同様、実にいい仕上がりになっている。初めてレナードが手放しでその出来栄えを誉めたくらいだから、それからも解るだろう。映画版は本書とは別の結末で閉じられる。これについては賛否があるようだが、私個人としてはそれもまた秀逸と思っている。
    興行成績も良かったようで、この映画からレナードの作品が次々と映画化されだした。

    先の読めないストーリー、個性的なキャラクターにレナード個人の趣味が実に有機的に混ざり合った傑作だ。こういう作品があるからレナードはやめらない。
    初心者には本書から入ることをお勧めしたい。

  • タランティーノが敬愛する作家とゆーことで読んでみたんだけど、作品のチョイスが悪かったのか、あまりパッとしなかった。手に汗握るクライムストーリーかと思いきや、割とたんたんとしたストーリー展開で特に山場もなく終わっていって少し肩透かし。
    ギャングが映画プロデューサーになるって意味のわからない展開はやや面白かった。

  • 「おれの目を見ろ」の一言で相手をすくみ上がらせるマイアミの高利貸しチリ・パーマーは、飛行機事故で死んだ男の遺族から金を取り立てることになった。
    ところが、男は死んでいなかった。手に入れた保険料を元にラス・ヴェガスで大儲けをし、ロス・アンジェルスに高飛びしていたのだ。
    チリはマフィア顔負けの悪が跋扈するハリウッドに足を踏み入れた。そして、ひょんなことから借金を抱えた映画プロデューサーと組んで一山当てることになるのだが…。
    巨匠エルモア・レナードが描く、最高にクールな悪党たちのハリウッド・ドリーム。
    1日に1本映画を見るほどの映画マニアなレナードだけに、チリとキャットレットが脚本のアイディアを出し合いながら脚本の読み合わせをするシーンやマイケル・ウィアと会ったチリが巧みな話術で自分の体験談に惹き込むシーンなど、ハリウッドの業界人と関わった経験が折り込まれています。
    ハリウッドの裏側を毒のある目線で業界人の実態を皮肉るようなブラックな風刺もあり、そしてなんといってもチリ・パーマーの魅力が秀逸です。
    頭がキレるクールな高利貸しだけど、無類な映画好き過ぎていつも女性から自分より映画が好きではと誤解されるというチリ・パーマーのキャラクターが、クールです。

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