気象予報士(上) (角川文庫)

  • 角川書店 (1996年4月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784042694014

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  • ●ミネソタ州にあるテレビ局チャンネル7の看板番組<スカイ・ハイ・ニュース>。
    ディクソン・ベルはそれの気象予報士だ。毎日テレビに出演し、視聴者を啓蒙しながら彼が出す予報は決して外れない。州の気象予報課にも読めない天気を彼は読み、予告する。
    ある日、ミネアポリスを襲った巨大な竜巻も、彼だけは予知してのけた。
    <スカイ・ハイ・ニュース>には、彼の他にもベトナム戦争帰りの報道プロデューサー、野心的な美人レポーター、顔で選ばれただけのアンカーその他大勢が働いている。
    一方、女ばかりを襲う連続殺人事件が起きていた。
    季節ごとに一人ずつ殺していく殺人鬼を、人はいつしか<暦殺し>と呼ぶようになる・・・。

    ●いわゆる「ミステリ」を読むつもりで、この作品に目を通すと肩透かしを食うかもしれない。
    確かに殺人が扱われるし、犯人探しも思う存分すればよろしい。「ミステリ」として、成立はしている。
    だが、真に価値があるのは、主役二人の男の心理だ。
    天才的な気象学者であるディクスン。そしてベトナムで火傷を負った事から常に覆面を被った記者リック。
    彼らの心の動きを、作者は過去を引き合いに出しながら、精緻に描写して行く。手酷い傷を負った記憶は、或いはベトナムのものであったり、或いはハイスクール時代の恋であったりもする。歪んだ記憶。
    そして、忘れてはならないのが“季節”と“天気”だ。
    常にどこかに描き込まれている雨や風、雲の高さ、湿度、秋の匂い等々。
    ミネソタの季節の移り変わりを書き込んだこの文章に惹きこまれるか否かが、ポイントの一つではある。特に冒頭の竜巻のシーンは圧巻。
    また、アメリカのテレビニュース業界の内幕や死刑制度復活に関する問題も、おつまみ程度に楽しめる。
    人を選ぶが、ツボにはまれば文句なく面白い作品だと言えるだろう。

  • 未読

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著者プロフィール

東京大学文学部卒。英米文学翻訳家。主な訳書にM・ピーク『ゴーメンガースト三部作』、J・キャロル『死者の書』『月の骨』『黒いカクテル』等全作品。D・W・ジョーンズ『わたしが幽霊だった時』『九年目の魔法』『ダークホルムの闇の君』、D・L・セイヤーズ『ナイン・テイラーズ』等多数。2006年没。

「2021年 『おれの墓で踊れ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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