本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (276ページ) / ISBN・EAN: 9784042703068
作品紹介・あらすじ
タイム・トラベラーが冬の晩、暖炉を前に語りだしたことは、巧妙な嘘か、それともいまだ覚めやらぬ夢か。「私は80万年後の未来世界から帰ってきた」彼がその世界から持ちかえったのは奇妙な花だった……。
みんなの感想まとめ
未来の世界を描いたこの作品は、想像力を掻き立てると同時に、現代の問題に対する警鐘ともなっています。地球温暖化や貧富の差が描かれた未来の姿は、読者に深い考察を促し、何もしなければ人類が直面するかもしれな...
感想・レビュー・書評
-
このような世界をよく想像できると思った。とにかくそれに感心した。未来の世界が暖かくなっていると書かれていて、地球温暖化が頭に浮かんだ。貧富の差が出るのも問題だ。
人間何もしないとあんな風になってしまうのかと思うと怖い。 -
2024.10.12 朝活読書サロンで紹介を受ける。
-
だいぶ前に読んだのですが、やっぱり素晴らしかった。ここからどれだけの人が影響を受けて時間旅行の物語を生み出したでしょうか?
SF小説がお好きならぜひ手に取ってみてください。 -
HGウェルズの名作中の名作
僕が今までに読んだ本の中でトップレベルに好き。
時が経っても色褪せることなく輝き続けている素晴らしい傑作。
人間が最期まで持ち続ける人間らしさとは・・・
今、思い起こしても涙がでそうになる。
この本は短篇集だけど、上記の評価は表題の「タイムマシン」についてです。
多くの人に読んでほしいと思う本。 -
-
このレビューを読んでいて
ずっと以前にこの本を読んだことを
思い出しました。
面白かったという印象があります☆
***
フ...このレビューを読んでいて
ずっと以前にこの本を読んだことを
思い出しました。
面白かったという印象があります☆
***
フォロー登録ありがとうございます^^
ここ花。2010/03/24 -
2010/03/26
-
-
770
276P
H・G・ウェルズ ハーバート・ジョージ・ウェルズ
20世紀初頭の思想界に大きな影響を与えたイギリスの文明批評家であり、SF文学の先駆者。『タイムマシン』『透明人間』『宇宙戦争』など未来の人類の姿とその没落を暗示する社会批判的な作品を発表した。彼の作品には、現在SF文学や映画であつかわれる<宇宙人><タイムトリップ><クローン人間実験>などの主題のすべてが、既に描かれている。奨学金でサウス・ケンジントンの科学師範学校(Normal School of Science、現インペリアル・カレッジ)に入学。トマス・ヘンリー・ハクスリーの下で生物学を学び、進化論はウェルズの人生に影響を与えることになる。学生誌『サイエンス・スクールズ・ジャーナル』に寄稿し、1888年4-6月号に掲載された『時の探検家たち』は、のちの『タイム・マシン』の原型となる。1891年には、四次元の世界について述べた論文『単一性の再発見』が『フォート・ナイトリ・レヴュー』に掲載された。
タイムマシン (光文社古典新訳文庫)
by ウェルズ、池 央耿
未来の人類が憂いを知らずに平穏に暮らしているのを見て、男も女もなくなったのは一種の必然に思えたな。男の強さ、女の優しさ、家族制度、性の役割分担はすべて、体力、腕力がものを言う時代に闘争の論理から生まれたにすぎない。男女の釣り合いがよくて人口が多い場合、多産は国家にとって祝福であるよりはむしろ厄災だ。暴力の脅威にさらされることは稀で、子孫の安全が約束されている社会では、子育てに重点を置く家族形態や、性の役割分担はあまり意味を持たない。というより、そもそもその必要がなくなるのだね。現在すでにそうした傾向が目立ちはじめているけれども、私が覗き見た未来社会では、それが最終段階に達していた。ここは一つ断っておかなくてはならないが、これは、その時そこで私が考えた理屈であって、やがて私はこの観察がいかに現実からかけ離れたものであるかを思い知らされることになるのだよ。
何不自由なく安楽に生きられる新しい条件の下では、われわれ現代人の強みだった止まるところを知らない活力がかえって弱みになる。今でさえ、以前は生きるために役立った性分や欲求が、とかく失敗のもとだろう。身の危険をものともしない勇気だの、争いを好む勇猛心だのは文明人にとって、無意味という以上に邪魔っけだ。ものごとが安定して心配の種がない世の中には、図抜けた知力も体力もそぐわない。私が覗き見た未来社会は、もう長いこと戦争を知らず、局地的な争乱も体験していないと想像するね。野生動物に襲われる危険はなし、体力で持ち堪えるしかない消耗性疾患も跡を絶っている。しかも、労働の苦労がない。そういうところでは、従来の弱者がもはや弱者ではなくなって、むしろ条件に恵まれている。何となれば、強者は旺盛な活力のはけ口に困っていらいらするが、弱者にはそれがないからだ。あの大きな建物の否も応もない乱調の美は、今や行き場を失った人類の力が、生存の条件と折り合いをつけようとしてかき立てた最後のうねりに違いない。そうやって人類は与えられた条件との間に完璧な調和を実現した。この輝ける勝利が、続く無風状態のはじまりだ。安全が約束されているところで、人間の力はきっとこの道をたどる。余力はやがて遊芸や色情に走って、その先はただ無気力と頽廃だよ。
独創と思っていたことも、今では世間一般の常識になっている。もともと、筆者だけが特異な発想をいだこうはずがない。誰しも考えることは同じである。そもはじまりは、一八八〇年代、ロイヤル・カレッジ・オブ・サイエンスの実験室や、討論研修会における学生の議論だった。これを小説の素材とする以前に、筆者はさまざまな形で検証を試みた。時間は四次元であり、俗にいう現在とは、四次元空間を三次元で捉えた断面であると考えるところに発想の原点はある。この考えに立てば、時間次元と他の次元の違いはただ、時間軸に沿った意識の動きが現在の進行を規定することだけである。当然ながら、断面の向きによって「現在」はさまざまに変化する。相対性の概念を説明する手段として科学の世界が時空の断面に着目するのはずっと後のことであり、「現在」と称する断面は現実であって、数学における抽象概念とは違うから、その深さもまたいろいろあり得よう。つまり、「今」というのは瞬間のことではなく、長短の取り合わせによって韻律を生む時間進行の単位である。このことを現代思想はまだ正しく認識していない。
未来へ飛んだタイム・トラヴェラーがはじめて滅び去った文明の記念物、有翼の白いスフィンクスをふり仰ぐ場面はテムズ河畔のリッチモンドから隔絶した異境へ読者の心を瞬時に誘う。後にタイム・トラヴェラーが発見する青磁宮もまた、帝国の支配に服して王立植物園、キュー・ガーデンに仏塔を献進し、あるいはテムズ河北岸に 方尖塔 や半獣神の像を移した植民地の記憶を喚起する。だが、片方でヴィクトリア朝大英帝国の富と権力は文学に新しい傾向を促した。どことも知れぬ場所( Nowhere)、どこか別の場所( Elsewhere)、不思議の国( Wonderland)、遠隔の秘境( Outland)へ変奏を重ねながら話が発展する想像力のフーガである。
『タイムマシン』の未来図は人類の行く末に対する手加減なしの警告である。タイム・トラヴェラーは着いた先でまず、華奢で小作りな体つきをして、おっとりと無邪気でおとなしい地上界の人種を知る。花の咲き乱れる牧草地で果実を食べて屈託なげに遊び戯れ、性もほどほどに解放されている。読み書きはとうの昔に忘れ果て、今や火とは何かすら理解できない。これがイーロイ人である。その名は 選良、あるいは、主なる神を意味するヘブライ語、エロヒムと響き合う。トラヴェラーは川で溺れかけたイーロイ人の可憐な娘、ウィーナを助けるが、親愛の情が深まる中でイーロイ人が極度に怯えている恐怖の存在を発見する。人類は進化の過程でおよそ性質の違う二つの亜種に分かれたのである。
〈バーティ〉ことウェルズ少年は早くから秀才の片鱗を覗かせていたが、十三の年に一家が離散して自立を余儀なくされた。父親が破産したことから、母は結婚前に小間使いを勤めていたサセックスの領主館、アップパークに家政婦として住みこみ、ウェルズは退学して二人の兄と同じく呉服商に奉公に出た。その後、ほんのしばらくながら見習い教師と薬剤師の手伝いをして、一八八一年にはサウスシーでデパートの丁稚小僧になった。朝から晩まで、一日十三時間こき使われて丁稚仲間と同室に寝起きする過酷な条件で、生涯で最も不幸な時期だったが、ウェルズは後年、 諧謔 に満ちた風俗小説『キップス(一九〇五)』や『ポリー氏の生涯(一九一〇)』で当時を回顧している。キップスも、ポリーも、呉服商の下働きから持ち前の才覚で惨めな境遇を脱する筋立てである。一八八三年、芯の強い母親の計らいでウェルズは年季奉公の契約を解消し、アップパークにほど近いミッドハースト・グラマー・スクールに代用教員の職を得た。これを機に、ずっと控えていた知識欲はやみ難いまでになり、科学分野の一連の試験にとおって一八八四年九月、政府の給費生としてサウス・ケンジントンの科学師範学校、後のインペリアル・カレッジ理工科に入学した。
おびただしい著作からも知られるように、ウェルズは生まれながらの教育者で、はじめは熱心な学生だった。ヴィクトリア朝を通じて最も影響力のあった科学思想家と言われ、ダーウィンの親友で支持者でもあったトマス・ヘンリー・ハクスリーの下で生物学と動物学を修めたことは後々まで幸いした。ハクスリーの教えを忘れることはなかったが、ほかの講義はどれもみな退屈で、いくばくもなく教室で学ぶ意欲は失せた。二年目の物理は辛うじて及第したものの、三年目の地学で単位を落とし、一八八七年、学位を得ぬままサウス・ケンジントンを去った。自然科学の理論的な組み立てと、夢を誘う地平には身震いするほどの歓喜を覚えたが、実験室の 細々 として神経が疲れるばかりの決まりきった作業は我慢がならず、教室は欠席して文学や歴史を読みふけったのは、以前、アップパークの打ち捨てられて久しい書斎で目覚めた好奇心を満足させるためだった。在学中には校内誌「サイエンス・スクールズ・ジャーナル」を創刊し、学生集会で社会主義を論じた。
一八八七年の夏、ノースウェールズの小さな私立学校の理科教師になって間もなく、フットボール場で生徒に突き倒されて怪我を負った。学生時代の三年間、貧困ゆえの栄養不良と病弱に悩んだのがもとで、ウェルズは終生、腎臓と肺に重度の疾患をかかえる破目になる。母親のいるアップパークでしばらく傷を養った後、今度はキルバーンのヘンリー・ハウス・スクールに理科の教師の職を得た。一八九〇年にはロンドン大学の優等課程を首席で卒業、動物学で理学士号を取得して通信制大学の生物学講師に迎えられた。翌九一年に 従妹 のイザベル・ウェルズと結婚したが性格が合わず、じきに生徒…
エドワード時代十年が終わる頃、イギリスの社会相を見すえた小説、『トーノ・バンゲイ(一九〇九)』と『ニュー・マキャヴェリ(一九一一)』を書いてウェルズはイギリスを代表する押しも押されもせぬ作家の地歩を固め、アーノルド・ベネット、ジョゼフ・コンラッド、フォード・マドックス・フォード、ヘンリー・ジェイムズといった同時代の作家たちと親交を結び、かつ 鎬 をけずった。
が、それはともかく、ウェルズは文学を芸術として窮めようとする文章家と違い、社会や政治について時流に一石を投ずる予言者型の作家だった。はじめての長編ノンフィクション『予想集(一九〇一)』は科学技術の進歩が二十世紀の世の中に何をもたらすか考察した未来予測エッセイである。この作品が縁でウェルズは社会主義団体フェビアン協会に加わり、イギリス左翼を代弁する論客として政治ジャーナリストの道に進むことになった。
一九三三年に知性の自由を標榜する文芸家集団、国際ペンクラブの会長に推されたが、同年、ベルリンではナチスがウェルズの全著作を焼き捨て、ファシスト党独裁のイタリアはウェルズの入国を禁じた。ウェルズの思想が大戦間に欧州統一を提唱した圧力団体パン・ユウロピアン・ユニオンにおよぼした影響は計り知れない。
論より証拠、世紀末ヨーロッパ絵画にも影響を与えたジャポニズムの美学と黄色人種を恐怖するイエロー・ペリルの言説とが表裏一体をなしていたことを思い起こせばよい。こうした世紀転換期の人種差別的言説が優生学を介してヒトラーのナチス・ドイツ戦略にまで作用することになるのは、歴史が証明するとおりである。
一八九三年 二七歳 生物学の教科書を出版。教職を辞して、執筆に専念。妻を捨て、教え子エイミー・キャサリン・ロビンズのもとへ走る。 一八九四年 二八歳 「ナショナル・オブザーヴァー」に「タイムマシン」第四稿が連載される。 一八九五年 二九歳 妻イザベルとの離婚成立。 『タイムマシン』『盗まれた細菌、その他の物語』、『すばらしき訪問者』 -
ウェルズの人外の描写は想像しやすいし不気味だし好き
-
-
古書購入
-
進化論の勉強用に。ウェルズは進化論をいち早く取り入れて小説を書いた。
-
かなり昔に読んだので内容はほぼ覚えていない。昔のSFなのでかなり不条理に終わっていたような気がする。
-
何度と無く映画化され、リメイクされたSFの古典中の古典を含む短篇集。トム・クルーズ版の写真が添付されているが、未来人のイメージが、本文と違いすぎるのでなかなか微妙。
短篇のほとんどが、伝聞か自分語りになっているのは、時代から考えてもしかたのないところだろう。そこがまず若干読みにくいと感じるところではある。
表題作だけでなく、他の作品でも「時間を自由に操る」というテーマが出てくるので、その辺をメインとするのかな?通常の1000倍以上の動くことが出来る薬を飲むと、摩擦のためにまともに動けないなど、全編に渡り100年前のSFの割に科学的根拠からのオチにつなげているのは、非常に好感が持てる。
表題作に戻ると、800万年後だっけ?生命はほとんど滅びた後に出てくる謎の生物など、普通の「未来に行くタイムマシン」作品よりも吹っ飛んだ発想には度肝を抜かれる。人類が(少なくとも)2種類に進化するなんてのは、方向性の違いこそあれ、楳図かずおの「漂流教室」と沼正三「家畜人ヤプー」と同じような発想。藤子不二雄のSF短篇などにも影響が大きいのであろう。
その他、ショートショート的なものなど、大胆な発想に親しみやすい展開の作品ばかりだが、いかんせん訳が単語の直訳という部分が多いのは痛い。少なくとも、改行などを入れることで、もう少しわかりやすい文章にできるのではないかと感じる。 -
表題作のみ読んで積読と決めた。(もう読まないので読了のカテゴリーには入れた。)この時代に書かれた他の小説にも似たような特徴があるので、当時流行していた書体なのかも知れないが、ひとりの人が追憶式に物語るその作風に退屈さを感じた。会話形式ではなく、風景描写もなく、語る者が主観的に色々感じた事を述べている。現代のスピード感あるテレビ、映画の世代には退屈だと思った。
-
【内容】
時間旅行、海底世界、身体高機能化薬など。
古い作品ですし、何らかの目的がある人でなければお薦めしません。
7つの話で構成される短編集です。
【類別】
小説。
サイエンスフィクションですが、ファンタジーの印象も受けました。
【表現】
やや堅めの文章です。
しかし取り扱っている内容は難しくないので構えずに読めます。 -
タイムマシン、盗まれた細菌、深海潜航、新神経促進剤、みにくい原始人、奇跡を起こせた男、くぐり戸の短編集。おもしろかった。
-
古い版、石川年さん翻訳の角川文庫で読んだ。「くぐり戸」は傑作だ。タイトルが「扉についたドア」に変わってしまって違和感。山本周五郎の時代小説「その木戸を通って」も味わい深い”不思議小説”である。併せて読みたい。
-
タイムマシン目当てで読みましたが他の短編もおもしろかったです。「タイムマシン」「新神経促進剤」「奇跡を起こせた人」「くぐり戸」が好きです。特にくぐり戸がメリバで素晴らしかったです。大好きです
石川年の作品
本棚登録 :
感想 :

そんなことで、寄らせて頂きました。
SFは、非常に好みが分かれるジャン...
そんなことで、寄らせて頂きました。
SFは、非常に好みが分かれるジャンルでして、SFの中でもさらに色々なジャンルが有る為、一概にこれがお勧めが言いにくいです。
そこで、取り合えず「海外SFハンドブック (ハヤカワ文庫SF)」などを図書館などで借りて読まれてはいかがと思います。
あと、昔のスペースオペラなどに興味があれば宇宙軍大元帥 野田正弘氏の「SF英雄群像: スペース・オペラへの招待 (ハヤカワ文庫 JA 119)」なども、物凄くお勧めです。
タイムマシンは小説よりも映画版が断然お勧めです。
1959年版 監督ジョージ・パル 主演ロッド・テイラー
この映画を子供の頃にテレビで観て、僕のSF好きが始まりました。
また、この映画のタイムマシンのデザインはメチャクチャかっこ良いです。
ご丁寧にありがとうございます。
SF作品には今まであまり興味がなく、STARWARSシリーズ...
ご丁寧にありがとうございます。
SF作品には今まであまり興味がなく、STARWARSシリーズすらまともに見たことすらありませんでした。
「星を継ぐもの」を手にし、ようやくSF物の面白さを知った次第です。
ご紹介頂いた「海外SFハンドブック」が図書館にあったので、借りてみようと思います。
(*´▽`人)アリガトウゴザイマス♪