初読のときは、ズィフナフやシムキンというキャラの登場にいちいち興奮したものだ。前者は挙動の怪しさからフィズバンであることが示唆されていたし、『ドラゴンランス伝説』の結末でタッスルはシムハランへ旅立つことがほのめかされていた。
同じ作家の異なる作品につながりをみいだすのはファンの喜びである。洋の東西を問わぬものらしい。
それも『魂の戦争』まで。
フィズバンはもうたくさん。タッスルはもっとたくさん。
版権の壁を乗り越えられないファンサービスももうたくさん。
そんなネガティブな印象を持たざるを得なくなっていてもなお、ワイス&ヒックマンの作品は好ましいと感じる。邦訳出版社の都合で未完になっていても再読してしまうくらいに。