アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

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レビュー : 1321
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042750017

作品紹介・あらすじ

羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。長い時間を共に過ごした羊たちを売り、アフリカの砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す。「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」「前兆に従うこと」少年は、錬金術師の導きと旅のさまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んで行く。欧米をはじめ世界中でベストセラーとなった夢と勇気の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 本作品の主人公は錬金術師(アルケミスト)ではない。
    旅好きの,一人の羊飼いの少年の物語である。

    少年はある夢を見た。同じ夢を二回も。
    それはエジプトのピラミッドに行けば,そこに隠された宝物を発見できるだろうというものだった。
    羊と宝物との間で迷う少年。そんな時に出会ったある老人の言葉をきっかけに,少年はスペインのアンダルシアの平原からエジプトのピラミッドへと長い旅に出かけた。

    旅の途中,少年は色んな人と出会う。
    泥棒に金を盗られ,クリスタル商人のもとで働き,砂漠では錬金術師を目指すイギリス人に会い,オアシスでは運命の人と出逢う。

    少年は彼らから多くのことを学んだ。そして,それよりも多くのことを自然から学んだ。

    錬金術師は物語の後半になってようやく登場する。
    彼は決して多くは語らず,それでいて彼の言葉は重く,深みを帯びていた。

    「傷つくのを恐れることは,実際に傷つくよりもつらいものだと,おまえの心に言ってやるのがよい。夢を追求している時は,心は決して傷つかない」

    羊飼いの少年同様,私も多くのことを彼から教わった。この物語は著者パウロ・コエーリョの紀行体験がもとになっているらしい。先が見えず,これからどう歩んでいこうかと幾度なく思い悩むこの頃。今この時に,自分がこの本と出会えたことに感謝したい。

  • この本を教えてくれた人とも、街角で出会った。物語の中でも、環境の変化や人との出会いが時間を導いていく。見えない流れに運ばれ、時に手なずけながら人生を変える。胸を高鳴らせる思いの力で、奇跡や大きな夢にも届くと感じさせてくれる本。
    きっとこの本は、感性が強い人には面白い。漠然とした世界観の中から、自分の現実にも必要な言葉が見つけられる。といっても、普遍的な愛や自由やらのテーマではなくて、自分の心で見た生き方について。現象を素直に受け止めることで、自分の存在がどういうものか、世界の仕組みも見えてくる。
    はっきりと、人生はこういうものだと書いてあるのではなくて、見つけるものは本を読む人それぞれ。物語の主人公の旅は、ヒントの1つでしかないけれど、示唆しているものがある。題名の「アルケミスト」錬金術師は、物語の少年のことでもあり、個々の人生の主人公、私たちのことでもある。
    少年が変哲のない日々から大切なものを見つけ、人生そのものを価値ある宝物に変えたのが、彼の錬金術だと思う。それと同じように、私たちも、自分次第で人生を金に変えることができるはず。そんなメッセージもあるのではないかと、私は解釈したいです。

    私は、心が鈍くなったときに『アルケミスト』を取り出して読むと、清々しくなります。
    偶然出会った人と交わした言葉や、今日の些細な出来事もどこかへ繋がっているけれど、何を感じ汲み取るのかで道が変わっていくのかもしれない。私も、毎日の時間に隠れたものを見逃さないでいたいなと、思い出させてくれるのです。
    もしかしたら、1年後に読むとまた感じ方が変わるのかもしれないけれど、その時々で心に訴える部分が変わっていくのは、長いお付き合いができる本だからだと思います。

  • 20130801読了。
    面白かった。一番大切なもの、捜し求めているものは足元にあった。
    でも、それがそこにあるということは、遠く回り道をしなければ気づかなかった。そしてその回り道は決して無駄ではなかった。
    人生、どんなことでも意味のあることなのだと改めて思えた。

  • 羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出る。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。長い時間を共に過ごした羊たちを売り、砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す……

    くまモンの生みの親・小山薫堂さんがこの本を「人生の一冊」にあげていたので、気になって読んでみた。小山さんは、海外に行くときにはこの本を持って行って読み返すそう。たしかに、旅のお供に向いた一冊だ。
    (小山薫堂「大阪「人生図書館」 あなたが励まされた本が、今度は誰かを励ます」Forbes https://forbesjapan.com/articles/detail/22521/1/1/1 )

    自然の声と人の歴史をどちらも感じられる京都で読みたいなあ。晴れた日に、鴨川のベンチに腰かけて読みたい。読み終わって立ち上がるときには、きっと、自分がどこに行くべきかよくわかるようになっているだろう。

    「宝物は流れる水の力によって姿を現わし、また同じ流れによって姿を隠すのだよ。」p.31

    「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。夢を追求している時は、心は決して傷つかない。それは、追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ。」p.154

  • 正直消化不良の読書だった。
    童話調で導入は読みやすかったが、進むにつれてファンタジィなのか精神論なのか判別のつかない、解釈の難しい展開が次々と起こり、一体どこから置いて行かれたのかすら定かではない。おそらくオアシスのあたりから?この本のタイトルが「アルケミスト」であることも腑に落ちない。
    ところどころ気になる表現や考えはあったが、思い返せばそうだと信じ込ませるような内容でしかない。例えば少年の前に現れた王様が、「おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ」と言う。未来のある者がこれを聴いたら、さぞかし励みになるだろう。しかし、ある程度未来が固まってしまった者にとっては、まったく現実味を帯びて感じられないと思われる。人生はそう甘くないことを既に知ってしまっているからだ。なのに大人はあえて現実を教えず、子どもたちに可能性を信じ込ませるものだ。10代の若者がピュアな気持ちで読んだら、何か触発されることがあるのかも知れない。
    よって、臨界期を越えた自分に響くものはあまりなかったが、もしかしたらいつの日か、しれっとこの本を子どもに勧めている自分がいる可能性は否定できない。
    170213読了

  • 読む度に違う発見のある一冊。人生で本当に手に入れたいものが見つかった時、宇宙全体がそれを手に入れられるように動き始める。

  • 心の中の直観や内なる声に従うことの大切さを説いた本。隠喩的ではあるが物語構成でなかなか面白かったので、同じ著者の他の作品も読んでみようかな、という気にはなった。

  • “一番好きな本は?”って聞かれたらとっても、とっても、迷うけど。無人島に一冊だけ本が持っていけるなら、この本だと思っています。

  • 「人生の偶然の必然」について示唆をもらえる書。たぶん自分の生き方の方針が定まらない年齢に読むと、とてもいい本だと思いました。

  • 良い言葉が多くて人生のヒントがいっぱい転がっていると感じた。以下、雑多にですが本文より読みながら拾ったパワーワード。

    愛とは砂漠のように動かないものではなく、風のように動き回ることでもなく遠くから見守ってるものでもない、大いなる魂を変え、より良いものにする力

    傷つくのを恐れるのは実際傷つくよりつらいもの

    学ぶ方法は1つしかない、行動を通して

    風に乗せてキスを送り、その風が少年のほほに触れて欲しい

    人は愛されるから愛される
    愛に理由はいらない

    ラクダは裏切る、疲れないのに突然ひざまづいて死んじゃう、馬は少しずつ疲れる

    男はいつも未来に基づいて人生を生きている

    世界中で話されていることばの最も重要な部分
    すべての人が心で理解できる言葉 愛

    人生はパーティ
    過去の教訓と未来の夢とともに今を生きる

    人は誰でもその人の学び方がある

    人は自分の運命のり、他人が羊飼いやパン屋をどう思うかという方がもっと大切になってしまう

    自分を縛っているのは自分だけ

    スプーンの油を忘れずに世界のすばらしさを味わう

    本当に起こっていることではなく、自分が見たいように世の中を見ている

    メッカには決して行かない、そうしたいと一生想う

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著者プロフィール

1947年ブラジル生まれ。世界中を旅しながら執筆活動を続ける。主な作品に『アルケミスト』『ベロニカは死ぬことにした』

「2018年 『ザ・スパイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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