アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

  • KADOKAWA
3.94
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042750017

作品紹介・あらすじ

羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。長い時間を共に過ごした羊たちを売り、アフリカの砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す。「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」「前兆に従うこと」少年は、錬金術師の導きと旅のさまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んで行く。欧米をはじめ世界中でベストセラーとなった夢と勇気の物語。

感想・レビュー・書評

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  • すごい名作らしい。「世界で最も読まれた本ベスト10」に入るとか入らないとか(←どっちよ)。とにかくこんなにも有名なのに、恥ずかしながら最近まで全く存じ上げておりませんでした。そのことに驚愕して読んでみようと思った次第です。

    文庫本を買ってみたらなんとも頼りない薄さ。これが名著なのね。

    羊飼いの少年サンチャゴは二度同じ夢を見る。信じられるのか信じられないのかわからない夢を読み解くという老女や、王様だと名乗る老人との出会いもあり、その夢にしたがって、宝物を求めてエジプトのピラミッドへ行くことにする。

    旅の途中何度も、少年自身、夢を追うことに疑問を感じ、あのまま羊飼いでよかったのではないか、など自問自答する。そのたびに、旅に出るのに背中を押してくれた王様の言葉を思い出し、夢を追う勇気を再度奮い立たせる。
    旅の途中出会ったクリスタルショップの店主は、夢を叶えることができるのに、叶えようとしない。夢を実現した後のことを恐れている。夢を夢のままにしたい、と少年にとっては理解できない心持ちでいる。そんな店主を横目に少年は旅を続ける。この場面はとても印象に残った。自分を省みても、クリスタルショップの店主のような人は、きっと多い。

    「人生」「夢」「運命」とは・・・少年の旅を一緒に旅することで考えることはたくさんある。少年とともに「夢を追うことの大切さ」や「夢を追うために手放さなければならないもの」などの間で、読んでいるこちらの心も揺れ動く。

    最後少年が探し求めていた宝は実は近くにあった。しかし、旅に出なければ決して見つからなかったであろうことを考えるに、多くのことを学んだ夢を追う旅そのものが、宝物だったのではないか。

    王様からもらったふたつの石が示唆するものは何だったか、など、まだ自分の中で理解できていない部分もあるけれど、名作として読み継がれているのはわかる気がした。ただ、読む時期や読み手の状況によって、刺さる刺さらないがかなり分かれそうな作品だと思った。

    こういう作品はぜひいつかまた再読してみたい。その時と今の感想がどう違うのか、楽しみだと思った。

  • 夢を諦めないことや、人生で挫けそうな時に励ましてくれる本です

    何かを得るためには行動しなければいけないと改めて思いました

  • 「一生のうちに読んでおくべき本の1つ」という前評判の元で読みましたが・・・・

    すいません。僕がバカだからなのか、全然理解しきれませんでした。
    日本語訳が単調だからか、そもそもストーリーや背景が理解しきれないからか・・・・

    どの点がイイ本なのか、この本から何を学ぶべきだったのか、そこすらも理解できませんでした(笑)

    • だいさん
      役者がすごいんじゃない?
      役者がすごいんじゃない?
      2021/09/21
    • きのPさん
      コメントありがとうございます(^^)
      役者…?舞台でもアルケミストってやっているんですか?
      コメントありがとうございます(^^)
      役者…?舞台でもアルケミストってやっているんですか?
      2021/09/22
  • 大好きなバンド、ACIDMANの曲「アルケミスト」のモチーフだというきっかけで読んだ作品ですが、定期的に何度も何度も読み返したいと思わされるものでした。

    今を大切に、味わって生きること。
    失敗を恐れず、心の声に従って生きること。
    本当の学びは行動を通じてしか得られないこと。
    などの大切さを再確認させられました(^^)

    人は「やり方」を欲しがちだけど、実はすでにやり方は知っていて、それをやる勇気がないだけということは多々あるなと思った。

    こちらの作品も生き方をめっちゃ考えさせてくれるし、大好きなのでYouTubeの「小説おすすめチャンネル」オススメ第2弾で動画アップしました(^^)
    https://youtu.be/9aOnWOe6xnM

  • この本は、世界で6500万部売り上げた超ベストセラー作品です。
    夢を追いかける少年を描いた童話風な物語ですが、めちゃくちゃ深い話もあり、読むべき一冊だと思います。
    ぜひぜひ読んでみてください

  • パウロはリオデジャネイロで生まれ、1970年からメキシコ、ペルー、ボリビア、チリなど中南米各国、そしてヨーロッパと北アフリカを(放浪)旅している。
    本書の舞台は北アフリカなので、この旅が彼の人生を変えたことは間違いない。

    読んでみて驚いた。
    昨今話題となっている、宇宙、魂、”いまここ” に溢れている。
    ペルー、ボリビアの旅でも何かを感じたのだろう。
    要所要所では目覚めと気づきが重要なポイントとなっている。

    わたしたち現代人は、なにか大事なものを見失っているのかもしれない。

    ーーー

    94頁
     それはとても奇妙な本ばかりだった、水銀や塩や龍や王様のことが書いてあって、少年には少しも理解できなかった、しかし、すべての本を通してくり返されている一つの考えがあった。それは、すべてのものはただ一つのものがさまざまに現れたものにすぎないということだった。
     ある本の中で少年は、錬金術の最も重要な文献はほんの数行から成るもので、それはエメラルドの表面に書かれているということを知った。
    「それはエメラルド・タブレットのことだよ」

    101頁
     なぜなら、私は過去にも未来にも生きていないからです、私は今だけにしか興味を持っていません。もし常に今に心を集中していれば幸せになります。砂漠には人生があり、空には星があり、部族の男たちは人間だから戦う、ということがわかるでしょう。人生は私たちにとってパーティーであり、お祭りでもあります、なぜなら、人生は、今私たちが生きているこの瞬間だからです。

    ここでも「いまここ」が出てきた。
    さらに、エメラルドタブレットは、1月前は知らなかったことだ。
    なぜかこうした本に出会う。

    154頁
    「夢を追求する一瞬一瞬が神との出会いだ」と少年は自分の心に言った。「僕が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。それは、一瞬一瞬が宝物を見つけるという夢の一部だと知っているからだ。本気で宝物を探している時には、僕はその途中でたくさんのものを発見した。それは、羊飼いには不可能だと思えることに挑戦する勇気がなかったならば、決して発見することができなかったものだった。」

  • 夢を叶えるため旅する少年。人と出会い別れるなかで、生きる知恵を学んでいく。宝物って案外近くに、もしくは既に手にしているのかも。日々の些細な出来事から、どれだけ気づきを得られるかは自分次第なんだ。あとは行動する勇気。人生の指標となる一冊。

  • 読書仲間から勧められた一冊。
    先週、寝る前に静かな夜空を眺めながら少しずつ読んだ。

    アルケミストとは「錬金術師」のこと。ただ、この本においては、物質を変えるというよりも、物事の捉え方・考え方を変えるという解釈をした。成長マインドセットに切り替わって、信念に基づいて突き進めば、鉛色の人生も黄金になるということか。

    「自分がどうなりたいかよりも、他人からどう思われるかが、いつの間にか重要になっている」
    「前兆を感じ希望に向かって進めば、全宇宙が支援してくれる」
    などなど、ハッとさせられる言葉が沢山出てきた。

    また、主人公が太陽や風と直接対話して奇蹟を起こす描写があったが、今この瞬間に意識を集中して、全宇宙を感じつつ、マインドフルネスな状態になっているのだと思う。ニーチェの「超人」とか、茶道や座禅とも通じるイメージではないかと勝手に思い込んでいる。

  • 一応ジュニア書になるのかな?
    感性の泉はとうに枯れきっていると思っていたけどあらすじ紹介でサンチャゴ少年が「宝物」を見つけにアンダルシアからエジプトを目指す事を知るや否や胸が高鳴り、読み進めたいという欲求がフツフツと湧いてきた。

    聖書を連想させる語りで、ジュニアだった頃に戻ったみたい…いや、懐かしい気持ちになった汗 世界一の賢者と少年の話とかイエス・キリストのたとえ話みたいだけど、間違いなくハッとさせられる。謂わば心から望むものへと一歩踏み出す時に携える心得、バイブルなのかも。(実際聖書に関する話題も作中登場する)

    「人生で簡単に見えるものが、実は最も非凡なんだよ」「おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ」

    もう一つ、(恐らく)「運命」を表す「マクダブ」ってワードがついてまわる。運命は予め一つの手によって「書かれたもの」。その手の持ち主とは神様か?とか頭をひねってくうちに急に広い宇宙に放り出されたような感覚に陥る。

    語りの話が込み入りすぎて、巻き戻さなきゃいけない箇所もあった。物語の核になるはずの錬金術も蘊蓄が多くて読むのを断念しようかと思ったほど。(それでも完読できたのはそれが「マクダブ」だったからか?)

    夢や運命論が彼の旅路にてんこ盛りだったわけだが、そんな壮大なテーマで彩られていたわりに宝物のありかには拍子抜けしてしまった笑(終わり方は悪くなかった)
    サンチャゴ少年の旅イコール人の一生ってこんなもんだと言いたかったのかと今になって思う。あとこれをジュニア期に読んでいたらもっと感動し、「天からの啓示を受けた!」って一人勝手に開眼していたのかなとも。

  • すべてを理解できたとは思えないが、良い本でした。ところどころハッとさせられる言葉があり、少年の旅の様子は美しく表現されていました。
    「もしおまえが、現在によく注意していれば、おまえは現在をもっと良くすることができる。そして、おまえが現在を良くしさえすれば、将来起こってくることも良くなるのだ。」

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著者プロフィール

1947年ブラジル、リオデジャネイロ生まれ。現代において最も影響力のある作家の一人といわれている。2002年よりブラジル文学アカデミー会員。著作の多くが世界的ベストセラーとなり、88か国語に翻訳され、これまで170以上の国々で3億2000万部以上を売り上げた。多くの名誉ある国際的な賞を受賞しており、そのなかにはフランスのレジオン・ドヌール勲章がある。2007年には国連ピース・メッセンジャーに任命された。

「2021年 『弓を引く人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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