アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

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レビュー : 1525
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042750017

作品紹介・あらすじ

羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。長い時間を共に過ごした羊たちを売り、アフリカの砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す。「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」「前兆に従うこと」少年は、錬金術師の導きと旅のさまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んで行く。欧米をはじめ世界中でベストセラーとなった夢と勇気の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 幼少期、青年期に読んでおきたい、と思える一冊。生きていく上での様々な示唆に富んではいるが、おっさんには不向き。あと訳が単調なのも...。ただ、読んで損はないと思う。
    「人は誰でも、その人その人の学び方がある~彼のやり方は僕と同じではなく、僕のやり方は、彼のやり方と同じではない。でも僕たちは二人とも、自分の運命を探求しているのだ。だからそのことで僕は彼を尊敬している」
    「悪いのは人の口に入るものではない~悪いのは人の口から出るものだ」

  • この本を教えてくれた人とも、街角で出会った。物語の中でも、環境の変化や人との出会いが時間を導いていく。見えない流れに運ばれ、時に手なずけながら人生を変える。胸を高鳴らせる思いの力で、奇跡や大きな夢にも届くと感じさせてくれる本。
    きっとこの本は、感性が強い人には面白い。漠然とした世界観の中から、自分の現実にも必要な言葉が見つけられる。といっても、普遍的な愛や自由やらのテーマではなくて、自分の心で見た生き方について。現象を素直に受け止めることで、自分の存在がどういうものか、世界の仕組みも見えてくる。
    はっきりと、人生はこういうものだと書いてあるのではなくて、見つけるものは本を読む人それぞれ。物語の主人公の旅は、ヒントの1つでしかないけれど、示唆しているものがある。題名の「アルケミスト」錬金術師は、物語の少年のことでもあり、個々の人生の主人公、私たちのことでもある。
    少年が変哲のない日々から大切なものを見つけ、人生そのものを価値ある宝物に変えたのが、彼の錬金術だと思う。それと同じように、私たちも、自分次第で人生を金に変えることができるはず。そんなメッセージもあるのではないかと、私は解釈したいです。

    私は、心が鈍くなったときに『アルケミスト』を取り出して読むと、清々しくなります。
    偶然出会った人と交わした言葉や、今日の些細な出来事もどこかへ繋がっているけれど、何を感じ汲み取るのかで道が変わっていくのかもしれない。私も、毎日の時間に隠れたものを見逃さないでいたいなと、思い出させてくれるのです。
    もしかしたら、1年後に読むとまた感じ方が変わるのかもしれないけれど、その時々で心に訴える部分が変わっていくのは、長いお付き合いができる本だからだと思います。

  • 20130801読了。
    面白かった。一番大切なもの、捜し求めているものは足元にあった。
    でも、それがそこにあるということは、遠く回り道をしなければ気づかなかった。そしてその回り道は決して無駄ではなかった。
    人生、どんなことでも意味のあることなのだと改めて思えた。

  • 星の王子様と並ぶ世界的名著、しかもブラジル人作家という珍しさに惹かれ、手に取った。

    自分の心にある宝物(=夢)を、追い求め続けることの
    素晴らしさを教えてくれる。
    そのためには今この瞬間を心から楽しむことが必要であり、それをすることで出来事の「前兆」が分かるようになる。
    また宝物を追い求め続けることは、
    ・歩む道のりの選択肢を広げる
    ・通過点と到達点を混同しなくなる
    ということにも繋がる。

    以上のような夢という大きなものに関する人生哲学のようなことが主題でありながら、
    ・ビギナーズラックの話
    ・途中で立ちはだかる困難も、困難であると感じないような考え方
    など、身近なことも盛り込まれている。
    支持されているのも納得。

    高校大学の野球みたいな熱くなれるスポーツを社会人でもやりつつ、文学の世界を旅する
    くらいが今の夢です笑

    こういうファンタジー系の登場人物の「謎の人」感に
    未だ慣れていない笑
    今度こういうファンタジー系読む時は
    現実に想像するのではなくて、もっと自由に好きなように人物像を描いてみようかな

  • この本の中では「前兆を感じ取れ」という内容が頻繁に出てくる。
    前兆(夢を掴むチャンス)はどんな人の前にも起こるが、それに気付いて自分のものにできるかどうかは、その人が自分の夢に対してどれだけ強い思いを抱いているか、実現させたいと強く思っているか、によるのかと思う。
    自分の成し遂げたい夢を夢のままでいいやと思っている人間と、何が何でも叶えてみせようと思って追いかける人間とでは、チャンスを見極める力が全く異なるんだろうね。

  • 本作品の主人公は錬金術師(アルケミスト)ではない。
    旅好きの,一人の羊飼いの少年の物語である。

    少年はある夢を見た。同じ夢を二回も。
    それはエジプトのピラミッドに行けば,そこに隠された宝物を発見できるだろうというものだった。
    羊と宝物との間で迷う少年。そんな時に出会ったある老人の言葉をきっかけに,少年はスペインのアンダルシアの平原からエジプトのピラミッドへと長い旅に出かけた。

    旅の途中,少年は色んな人と出会う。
    泥棒に金を盗られ,クリスタル商人のもとで働き,砂漠では錬金術師を目指すイギリス人に会い,オアシスでは運命の人と出逢う。

    少年は彼らから多くのことを学んだ。そして,それよりも多くのことを自然から学んだ。

    錬金術師は物語の後半になってようやく登場する。
    彼は決して多くは語らず,それでいて彼の言葉は重く,深みを帯びていた。

    「傷つくのを恐れることは,実際に傷つくよりもつらいものだと,おまえの心に言ってやるのがよい。夢を追求している時は,心は決して傷つかない」

    羊飼いの少年同様,私も多くのことを彼から教わった。この物語は著者パウロ・コエーリョの紀行体験がもとになっているらしい。先が見えず,これからどう歩んでいこうかと幾度なく思い悩むこの頃。今この時に,自分がこの本と出会えたことに感謝したい。

  •  挑戦とか夢の実現に関して前向きな気持ちになれる本だったし、印象的な箇所もまた読み返したい箇所もたくさんあった。ただ、神秘的とか直感的なら理解できるんだけど、超常現象になると「なんでそれを表現するために現実離れした現象を起こす必要があったんだろう…。もっと現象として現実的な内容にしてくれたら感覚的に理解できるのに…。」とどうしても感じてしまう。

     この物語の主人公である少年にとっては、宝物を探しに行くことが最大の運命であり、その運命につきまとう過酷な現実から逃げないことが常に重要視されていたと思う。ただ、何が自分の運命かは人によるから、必ずしも挑戦的と思えるような道を選ぶことが適切だというわけではないと思った。例えば、愛する人を見つけたならその人に愛を注ぎ続けるのも誰かの運命でありえると思う。自分の心が直感的に感じている、全うすべきことから逃げずに生きるのが大事ってことなんだと思うけど。自分の心の本当の望みを聞いてそれを満たすことが本当の意味での幸せで、その幸せを感じながら生きていけることが一番大切ってことなのかな。


    特に好きだった表現。
    「幸福の秘密とは、世界のすべての素晴らしさを味わい、しかもスプーンの油のことを忘れないこと。」

    「なつめやしの風景はいつかは単に思い出になってしまうけど、今はそれは日陰であり、水であり、戦争からの避難場所を意味する。」過去の教訓と未来の夢とともに今に生きる。人生は私たちが生きているこの瞬間だから。

    「マクトゥーブ」それは書かれているという意味


    以下、印象に残った部分とその感想。

    ・僕たちは変化に備えておかなければならないのだ、と少年は思った。すると、上着の重さと温かさが、ありがたく感じられた。
     ー 物事のありがたさを感じられると、視野が広くなる。心が温かくなる。ただ耐えるよりも、重圧の良い側面を考えて耐え忍ぶ人の精神の方が強い気がする。

    ・自分も同じ自由を手にすることができるはず。自分を縛っているのは自分だけだ。人は自分が夢見ていることをいつでも実行できることに気づいていない。お前の心があるところにお前の宝物が見つかる。
     ー 確かに「いいなー。でもそう簡単にできないよなー。」って思っていることって、本当に望んで行動にすれば大抵のことはできちゃうと思う。ただ、パン屋の考えも悪いとは思わない。やはり現実的だし、未来を考えた上での決断なんだよな、と。

    ・夢に向かって行動して、それを叶えることができなかったとしても、夢の実現に向けて努力した一瞬一瞬も夢の一部でかけがえのない時間になる。夢を追求しているときは、心は決して傷つかない。傷つくのを恐れるのは、実際に傷つくよりも辛いものだ。
    ・運命の宝物を求めるより、運命そのものを生きること。
    ・ある人が運命に沿っているのか、遠く離れているのか、その人間を見ればすぐに分かる。
    ・ごくわずかの人しか、自分のために用意された運命と幸せの道を進もうとしない。ほとんどの人は世界を恐ろしい場所だと思っている。そして、そう思うことによって、世界は本当に恐ろしい場所に変わってしまう。


    ・夢を追求していくと今までに得たものを全て失うかもしれないと、心は恐れている。
    ・自分の一番大切な夢を追求するのは、自分はそれに値しないと感じているか、自分はそれを達成できないと感じているから怖い。
     ー 今手の中にあるものなんていつ失うことになるか分からないんだから、手に入っている物質とか富とかあてにならないものに固執するのはあんまり意味があることじゃない。予想外で濃い時間を過ごせば過ごすほど将来の予測なんて不可能なんだから、目の前のものを大切にしてのらりくらりとやっていくのも、まあ素敵かもしれない。最近、「未来に備えて…」とか「将来のために…」って考えることばっかりだったけど、せっかく未来のために何かをしてあげてもその未来でその瞬間を大切に過ごしていなかったら今の自分も報われないし、過去のいつかの自分にとっての未来が今なんだから、今を大切に過ごすことを適当にしちゃったら勿体ないな。

    ・自分の心に耳を傾ける必要があるのは、心を黙らせることはできないから。自分の心から逃れることはできないから。心はいつも自分の中にいて、自分に繰り返し語りかけてくる。自分の心をよく知っていれば、自分の心の夢と望みを知ることができて、どう対処すれば良いか分かる。そうすれば自分の心の反逆を恐れる必要はなくなる。

  • 運命や前兆をいつから疑うようになってしまったのだろう。大人になるにつれて身に着けたはずの知識や教養が、その鋭さを鈍くさせてしまうのは、誰にも逆らえない時の流れと同じくらい残酷だ。小さなころに感じていた「大いなる魂」は自己愛の肥大でしかないとしても、その存在は世界と癒着して同一のものだった。
    私が図書館で借りることができたこの本は、この装丁とは異なっていた。白地に金文字で装飾され『アルケミスト』とだけ題された小さな本を、返却されたばかりの棚で見つけ手に取ったときこそ、私が掴み取れた”前兆”でもあったように感じる。このような物語に出会えたことは個人的に久しく、とても喜ばしいことだ。

    この物語はサンチャゴという羊飼いの少年の冒険譚だ。彼は何度も夢で見た宝物を求めて馴染んだ羊たちと別れを告げて旅に出る。全てを語りたくもなる豊かな物語ではあるが、ぜひ手に取って読んで味わってほしいと思える一冊。
    全篇において引用したくなるきらきらとした言葉遣いと内容ではあったものの、私がほとんど唯一書き残していたのはこの一節だ。ほかにも筆舌に尽くしがたい夜空の星のような煌めく一節が多いものの、この一節があったからこそ、私はこの物語に夢中になることができたのかもしれない。

    『結局、人は自分の運命より、他人が羊飼いやパン屋をどう思うかというほうが、もっと大切になってしまうのだ』

    1988年に出版されたというのに、私がこの本を知ることができたのは今現在になってからだった。それまでの自分が惜しい。もっと早く出会いたかったとも思えた一冊だ。

  • 読み始めて間もなく、サンテグジュペリ『星の王子様さま』を彷彿させるなぁと感じながら読み終えるとまったく同様なことがあとがきにも記載されており少々驚く。
    作中に頻繁に出てくる『前兆』は『インスピレーション』と置き換えた方が腑に落ちやすいかもしれない。
    下手な自己啓発本を読むなら、このアルケミストを一度読むことをお勧めしたい。
    自らの行動・人生を決めるのは、自らを除いてはなく、その行動すべきタイミングは時期を逃すとその重要性を失うものなのである。

  • 人生の一冊にしたい

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著者プロフィール

1947年ブラジル、リオデジャネイロ生まれ。現代において最も影響力のある作家の一人。ブラジル文学アカデミー会員。著作の多くが世界的ベストセラーとなり、81か国語に翻訳され、これまで170以上の国々で2億部以上を売り上げた。フランスのレジオンドヌール勲章を受章。ほかにもさまざまな国際的な賞を受賞している。2007年には国連ピース・メッセンジャーに任命された。

「2018年 『不倫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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