星の巡礼 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042750024

作品紹介・あらすじ

神秘の扉を目の前に最後の試験に失敗したパウロ。彼が奇跡の剣を手にする唯一の手段は「星の道」という巡礼路を旅することだった。自らの体験をもとに描かれた、スピリチュアリティに満ちたデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • パウロ・コエーリョのデビュー作品。自らの剣を見つけるため、巡礼の旅をする話。滝を登ったり、十字架を立てたり、悪魔と闘ったりと、数々の苦難や神秘的な体験をする。剣を見つけるための巡礼だが、何のために剣を見つけるのか、その目的を見出だすための旅であった。私たちも、何のためにやっているのか、何のために生きているのか、目的や意義を見失うことも度々あるが、それが何よりも大事であるということを、この物語は教えてくれる。

  • 『アルケミスト - 夢を旅した少年』的な内容を期待して手に取るも、まったくの別物。
    終始キリスト教の範疇にあるRAM教団なる団体についての記述であり、大半を飛ばし読む。
    余程、そちら方面に興味がない限り読み難くお勧めしない。

  • 目的と手段を履き違えてはいけないよ、という学びを教えてくれる本。
    オカルト的な表現や神秘的な体験があったりと、最初は宗教観についていく必要があるけれど、おそらく内容の要は主人公の目的の視点がどう変わるのかだと思う。

    いま漠然としている夢ややりたいことを「何のために?」と冷静にかつ俯瞰的に示してくれたような気がしている。

  • アルケミストを読んで、パウロ・コエーリョという作家を知るために、もう1冊ぐらい読んでおこうと思い手にとった本。

    もう7〜8年前になるが、自分もスペインでの巡礼(カミーノ)の経験があるので、もうこの本を一度読んで当時の余韻に浸ろうかと思ったが、その点でいうとあまりその期待に沿うような内容ではなく、最後までうまく内容に入り込めないまま進んでしまった。きっと、また読むタイミングが異なれば、また違うふうに読めるんだろう。
    (それでいうと、映画「星の旅人」は結構、カミーノの追体験という意味でカタルシスがあったなあ)

    全体のキーワードとしては、
    自分の内なる声に耳を澄まし行動すること、
    前兆を捉えること、
    良き戦いを戦うこと、
    自分は道を歩いているのではなく大いなるものに導かれて道を"歩かされている"ということ、などなど。
    たぶん良き戦いを戦うということに、一番ピンと来なかったんだろうな。


    とはいえ、中でも読んでいて最も印象的だったのは、巡礼が始まる前、ガイドのペトラスと出会ったときの彼の言葉だ。

    旅や巡礼というものは、「再生」であり、「生まれ直す」のだということ。
    言葉のわからない異国に降り立った旅人たちは、生まれてきた赤子のように、すべてのことを新鮮に、注意を払うようになる。そして赤子のような弱く脆い状態だから、誰か人の助けにすがりたくなるし、何気なく親切にされたことも、人生を通しても忘れがたい経験として記憶されるということ。

    きっとこの言葉(考え方)は、また旅に出るときの自分が携えていく言葉の1つになるだろうと思った。


    ====以下、引用====

    P.44
    旅に出るときは、われわれは実質的に再生するという行為を体験している。今まで体験したことのない状況に直面し、一日一日が普段よりもゆっくりと過ぎていく。ほとんどの場合、土地の人々がしゃべっている言葉を理解することができない。つまり、子宮から生まれてきたばかりの赤子のようなものなのだ。だから、まわりにあるものに、普段よりもずっと大きな重要性を感じ始める。生きるためには、まわりのものに頼らねばならないからだ。困難な状況におちいった時、助けてくれるのではないかと思って、他人に近づこうとするようになる。そして、神が与えてくれるどんな小さな恵みにも、そのエピソードを一生忘れることがなきほどに大感激したりするのだ。
    同時に、すべてのものが目新しいために、そのものの美しさしか見ず、生きていることを幸せに感じる。


    P.162
    彼はいつもそこにいて、彼が私をあちらの世界へ連れて行く時には、最も大きな罪、つまり、後悔をあとに残してはいけないよ、と言ってくれる
    (彼=死)


    P.286
    人は、誰かが自分を待っている場所に、あるべき時に、必ず行き着くものだ

  • パウロ・コエーリョの処女作。宗教色の最も強い作品で、そういう世界に関心や生活感情がなければ共感も難しいのではないかと思う。私は強い関心はあったが、読むのに時間がかかってしまった。オカルトと紙一重だと思うが、キリスト教神秘主義のこのような典礼の一巡は、理論とは別の歴史的な魅力がある。本人の強い内的世界の描写も面白い。機会があればもう一度しっかり読んでみたい。

    2015/2/23

  • 人生の重大な決定を下す前には、何かリラックスできることをやるといいよ(第八章 法悦)

  • 宗教秘密結社の最後の試験に失敗した主人公がサンティアゴ巡礼路を巡る物語。試験で手に入れることができなかった剣をサンティアゴ巡礼路の中で探し出す道中を描いている。人生を巡礼の旅に重ね合わせて困難を克服する方法を説いており、数々の教訓が与えられている。「真理への道は万人のためのもの」として、単純な修練から気づきを得ていく道程は興味深い。

    ただ、宗教色の強いスピリチュアル系の本なので、怪しく感じる部分もある。そうした点も含めて、一つの物語として楽しめれば良いと思う。

  • 韓国のスペイン合宿で聖地巡礼していた若者が読んでいた。漠然と聖地を目指して無心で歩き続けることが羨ましく、とりあえず同じ本を読んでみようと手に取った。

    スピリチュアル要素が強くてびっくり。
    もっと「歩くことの精神史」的な内容かと思ったのに。。そもそも聖地=宗教だからしょうがないか。

    アパラチアン・トレイルとか、この巡礼とか、歩くことにそそられるこの頃。。

  • キリスト教秘密結社の最終試験に落第し魔法の剣を手にし損ねた主人公が、剣を手にするための追加試練としてスペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を旅し、数々の神秘体験を経て真の教えに目覚めていくまでの物語。
    キリスト教の下地を持たない人間には越えられない壁も感じるが、本の中で語られるRAMの実習はメディテーションの類と思えるし、神秘体験の数々もアニミズムの側から見ればもっとしっくりくる気がする。と、頭(知識)中心で考えることを主人公は咎められてもいたのだが。。。
    自分自身でこの神性を感じないと自らの血肉にするのは難しいだろうが、ざっくりいうと大いなる意思と一体となり、自分の人生は自分が主人公にならないといけないということかと思った。もちろんエゴに捕らわれるという意味ではなく。

  • 長い間、積読していた本。ようやく読み終えたが、理解したとは程遠い。分かったようなつもりでいるけれど、私が簡単に理解できるような内容のはずかない、との思いもある。分かったような分からないような本だった。今は読むべき時ではなかったのか。私の読解力が追いついていないと実感した読書体験だった。

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著者プロフィール

1947年ブラジル、リオデジャネイロ生まれ。現代において最も影響力のある作家の一人といわれている。2002年よりブラジル文学アカデミー会員。著作の多くが世界的ベストセラーとなり、88か国語に翻訳され、これまで170以上の国々で3億2000万部以上を売り上げた。多くの名誉ある国際的な賞を受賞しており、そのなかにはフランスのレジオン・ドヌール勲章がある。2007年には国連ピース・メッセンジャーに任命された。

「2021年 『弓を引く人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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