星の巡礼 (角川文庫)

制作 : 山川 紘矢  山川 亜希子 
  • 角川書店
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本棚登録 : 1158
レビュー : 97
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042750024

感想・レビュー・書評

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  • アルケミストを読んで、パウロ・コエーリョという作家を知るために、もう1冊ぐらい読んでおこうと思い手にとった本。

    もう7〜8年前になるが、自分もスペインでの巡礼(カミーノ)の経験があるので、もうこの本を一度読んで当時の余韻に浸ろうかと思ったが、その点でいうとあまりその期待に沿うような内容ではなく、最後までうまく内容に入り込めないまま進んでしまった。きっと、また読むタイミングが異なれば、また違うふうに読めるんだろう。
    (それでいうと、映画「星の旅人」は結構、カミーノの追体験という意味でカタルシスがあったなあ)

    全体のキーワードとしては、
    自分の内なる声に耳を澄まし行動すること、
    前兆を捉えること、
    良き戦いを戦うこと、
    自分は道を歩いているのではなく大いなるものに導かれて道を"歩かされている"ということ、などなど。
    たぶん良き戦いを戦うということに、一番ピンと来なかったんだろうな。


    とはいえ、中でも読んでいて最も印象的だったのは、巡礼が始まる前、ガイドのペトラスと出会ったときの彼の言葉だ。

    旅や巡礼というものは、「再生」であり、「生まれ直す」のだということ。
    言葉のわからない異国に降り立った旅人たちは、生まれてきた赤子のように、すべてのことを新鮮に、注意を払うようになる。そして赤子のような弱く脆い状態だから、誰か人の助けにすがりたくなるし、何気なく親切にされたことも、人生を通しても忘れがたい経験として記憶されるということ。

    きっとこの言葉(考え方)は、また旅に出るときの自分が携えていく言葉の1つになるだろうと思った。


    ====以下、引用====

    P.44
    旅に出るときは、われわれは実質的に再生するという行為を体験している。今まで体験したことのない状況に直面し、一日一日が普段よりもゆっくりと過ぎていく。ほとんどの場合、土地の人々がしゃべっている言葉を理解することができない。つまり、子宮から生まれてきたばかりの赤子のようなものなのだ。だから、まわりにあるものに、普段よりもずっと大きな重要性を感じ始める。生きるためには、まわりのものに頼らねばならないからだ。困難な状況におちいった時、助けてくれるのではないかと思って、他人に近づこうとするようになる。そして、神が与えてくれるどんな小さな恵みにも、そのエピソードを一生忘れることがなきほどに大感激したりするのだ。
    同時に、すべてのものが目新しいために、そのものの美しさしか見ず、生きていることを幸せに感じる。


    P.162
    彼はいつもそこにいて、彼が私をあちらの世界へ連れて行く時には、最も大きな罪、つまり、後悔をあとに残してはいけないよ、と言ってくれる
    (彼=死)


    P.286
    人は、誰かが自分を待っている場所に、あるべき時に、必ず行き着くものだ

  • 宗教的かつ哲学的で人を選ぶ作品と言えるかもしれない。主人公が巡礼の旅の途中で人生における教訓を学んでゆき、人間的に成長していく様が描かれている。作中に度々登場する「偶然」という言葉が一つのポイントと言えるだろう。同著者の名作「アルケミスト」で語られた「前兆」という概念との繋がりを感じる。パウロ・コエーリョという作家は非常に高次元なものの捉え方で、この世界を見据えているのかもしれない。

  • 確かに過程が大事だったな(良い戦い云々)と、再認識した。
    サンティアゴ デ コンポスティラにも行きたくなった。
    ただ行間漂うエゴの強さというか、カルト(教祖)っぽい空気が苦手。

  • プロローグ
    第一章 到着
    第二章 サン・ジャン・ピエ・ド・ポー
      ☆種子の実習
    第三章 創造する者、創造されし者
      ☆スピードの実習
    第四章 自分に対する愛と寛容
      ☆冷酷さを知る実習
    第五章 メッセンジャー
      ☆メッセンジャーの儀式
    第六章 愛
      ☆直観力を養う(水の実習)
    第七章 結婚
    第八章 法悦
      ☆青い天空の実習
    第九章 死
      ☆生きたまま葬られる実習
    第十章 祈り
    第十一章 征服
      ☆RAMの呼吸法
    第十二章 狂気
      ☆影の実習
    第十三章 命令と服従
      ☆音を聞く実習
    第十四章 トラディションの儀式
      ☆ダンスの実習
    第十五章 エル・セブレロ
    エピローグ サンチャゴ・デ・コンポステーラ

    訳者あとがき 山川紘矢・亜希子
    解説 黛まどか
    ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
    『ベロニカは死ぬことにした』を読んで、この作家さんの他の作品も読みたくなって手に取ったものの、こちらは宗教色(キリスト教)が強い作品。

  • 3

  • 「全国大学ビブリオバトル2017~首都決戦~四国Aブロック地区予選会」
    (2017年11月18日/図書館1階カフェテリア)

    所蔵なし

  • 解説の薫まどかさんと同じ感想。次読む時には受け取り方が変わってくるかもという予感。

  •  サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼は、映画『星野旅人たち』(The Way, 2010年)で知って以来、興味のある場所のひとつ。
     その旅路を辿れるのかと思い読んでみるが、ちょっと違った。

     RAM教団に所属する著者が、最後の審問に失敗した後に、この巡礼の道を辿った経験を元に書かれたお話。 すなわち、主人公はそのまま著者のことか。
     そのRAM教団はスペインのキリスト教神秘主義の秘密結社で、1492年に8人の騎士によって創設されたもの。マスターと呼ばれる師から口頭でキリスト教の秘儀が伝えられ、各種の審問に合格すると、魔法使い(マガス)になれるというシステムを持っている(あとがき、より)。
     うーん、かなり宗教色の色濃い作品だった。
     キリスト教に馴染みのない日本人としては、ところどころ引用されるキリスト教の教義や、ヨブの記で語られる云々という話が出ると、どうにもついていきにくい。

     とはいえ、どの宗教であろうと、教えの根っこのところは、人として如何に人生を謳歌するかを教えているものと思っているので、ややこしことは無視して、エッセンスの部分だけ、自分が共感できるところだけ感じていけばいいかなと読み進んだ。

     が、サンチャゴへの道を題材に選んではいるが、特にその風景や、旅のエピソードが語られることも少ないので、旅行記として読むには、ほとんど用はなさなかった(主目的は、どちらかと言えば、そちらが目的だった)。

     主人公が、べトラスというガイドと共に、道中いろいろ”演習”と呼ばれる教義の実践を指示され、時折、禅問答のような会話を繰り広げながら旅を続ける。

    「時間はいつも同じ速さで進むというものではないからね。どれだけ時間が早くすぎるか、それを決めるのはわれわれなんだよ」

    「自分の夢を殺すと、まず最初に時間が足りないという症状が現れる」

     なんとなく、昔読んだ『イリュージョン』(リチャード・バック)にとても雰囲気が似ている。『イリュージョン』は非常に示唆に富んでいて、今でも心のバイブルとも言えるほど、その”教え”は当時、強烈に印象に残ったもの。本書も、読むタイミング、年代が違えば、また感じ方も違ったかもしれない。

     が、今、じゃなかったかな。悪くないんだけど。
     また、いつの日か読み返す機会があれば・・・。

  • 2017.3.18 読了

  • キリスト教巡礼の旅 in スペイン。読んでる間巡礼路を歩いてみたくなるほど楽しめたが、結局、読み返すのはファンタジックな色が強い「アルケミスト」。こちらがすんなり入るのはキリスト教が1滴も体内にないから?まだ三ヶ所しか行った事のない四国八十八ヶ所が頭を過ぎったり。

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著者プロフィール

1947年ブラジル、リオデジャネイロ生まれ。現代において最も影響力のある作家の一人。ブラジル文学アカデミー会員。著作の多くが世界的ベストセラーとなり、81か国語に翻訳され、これまで170以上の国々で2億部以上を売り上げた。フランスのレジオンドヌール勲章を受章。ほかにもさまざまな国際的な賞を受賞している。2007年には国連ピース・メッセンジャーに任命された。

「2018年 『不倫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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