- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042750055
作品紹介・あらすじ
ベロニカは全てを手にしていた。若さと美しさ、素敵なボーイフレンドたち、堅実な仕事、そして愛情溢れる家族。でも彼女は幸せではなかった。何かが欠けていた。ある朝、ベロニカは死ぬことに決め、睡眠薬を大量に飲んだ。だが目覚めると、そこは精神病院の中だった。自殺未遂の後遺症で残り数日となった人生を、狂人たちと過ごすことになってしまったベロニカ。しかし、そんな彼女の中で何かが変わり、人生の秘密が姿を現そうとしていた-。全世界四五ヵ国、五〇〇万人以上が感動した大ベストセラー。
感想・レビュー・書評
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10年くらい前少し心が病んでたときに読んだ。
病んでる主人公に母親が言った言葉。
「人生はそんなに複雑じゃない」
私はその言葉にけっこう救われた。
自分が考える程、けっこういろんな事って複雑じゃない。とりこし苦労って事が案外多い。
自分で物事を複雑にしないように。
うまく生きる術はそのことに尽きるのではないかとこの本を読んで思った。
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元々、パウロコエーリョがスピってるのは知っていたので、そんな驚きもしなかった。最後の種明かしも、メッセージ性も、想像を超えたものではなかった。ただ全体的なセリフのポエジーが良かった。また、それ以上にベロニカの心情に強烈な共感を覚えた。何ってわけではない。ただ何となく何かが足りなくて、死にたい。鬱って暗い描写が多いと思われがちだが、このような鬱の形もあり、同時に共感者はこっちの方が多いだろう。私はベロニカだった。
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何も変わらない日常に嫌気がさし自殺未遂を起こしたベロニカ。収容された精神病院で自殺未遂の後遺症で余命一週間と伝えられ、また収容所内の人間との交流を通して自分の人生を見つめなおすが。。。
狂気と日常は紙一重、むしろ同じものだということが言いたかったのか?でも、鬱の書き込みもいまいちで共感できる痛みはないし、終盤収容所の主要人物の話が動くまでは、序盤の、主人公と同名の~のどうでもいいくだりとか、冗長でとりとめのない話が、生硬い訳文でつづられていて正直しんどい。最後の種明かしにも興ざめ。 -
p.79 人は教わって学ぶことなどほとんどない。ただ自分で見つけるしかないのだ。
p.80 狂気とはね、自分の考えを伝える力がないことよ。まるで外国にいて、周りで起こってることは全て見えるし、理解もできるのに、みんなが話してる言葉がわからないから、知りたいことを説明することもできず、助けを乞うこともできないようなものよ。
自殺を決めたベロニカが精神病院へ入れられて、そこでゼドカやマリー、エドワードといって精神病患者たちや医者、看護師とすごすことで様々な知見を得るストーリー。
詩的な表現が多く、ハッとする文章に出会う。ただ、当時の人たちの精神病患者への差別意識を見ることもあるので、鬱病の発症率が多い現代日本とは感覚が違う。狂った人と見なされることの恐怖や、戦争から明けたばかりという空気感が、病院の内側の人たちから滲み出てる。独特の空気感(スピリチュアルの香り付き)があるけど、ラストの展開がやや私には肩透かしにも感じられた。 -
読みやすいわけではないしスッと内容が入ってくることもそんななかったけど、おもしろかった
自殺、精神病患者、楽園のヴィジョンとかスピ系な内容で興味深かった
翻訳通さず原作で理解できたらもっと面白かっただろうなぁと思う -
訳者あとがきの最後、左のページが特に良い
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2023.9.2 読了。
若く美しく立派な仕事も持ち何の不満も持ちえないベロニカだったが、何かが欠けていると感じある日大量の睡眠薬を飲み自殺をはかる。しかし目覚めると有名な精神病院の中で自殺未遂の後遺症であと数日の人生だと診断される。精神病院の中にいる人々と過ごす数日間がベロニカに気持ちの変化をもたらす。
正確には☆3.5。
同著者の「アルケミスト」を読んでこちらも気になって読んでみた。精神世界(スピリチュアル)を描いた、と解説でなっていたけれど読んでいる時に全然それは感じなかった。
何かに絶望し自殺する者もあれば平坦な日常に不安を感じ自殺する者もいる。自分の人生が他人と違うのが当たり前のように自殺の原因は千差万別。
「普通」とのズレが少しづつ歪みとなり「普通」に生きていくのが困難になっていくけれど、場所や時代が異なればその「普通」も変化していく。
自分にとって訳が読みづらい感じがあったので正直どこまで理解できているか分からないが、現代にも通づることだけれど大多数の意見や行動に惑わされず自分の生き方を見つけることができれば精神的に安息な日々を送れるのだなと考えた。
生きづらさへアプローチした自己啓発本の小説版といった作品かなぁと捉えた。 -
人は生きている間中、自分の意思ではなく、他人と共存していくことにほぼ力を注いでいる。やりたいことを存分にやり遂げたと言える人は、果たしてどのくらい居るのだろうか?
自分の意志と他人からの期待との狭間に生まれる軋轢の火花の大きさが狂気を生み出してしまうのだとしたら、望みを叶えることにも他人を思いやることも、どちらにも生き方の答えを見出すことはできない。
最後の数ページのどんでん返しには、してやられた。謎の医者、イゴール博士の実験の意味も最後にようやくわかった。
ベロニカの迫りくる死の瞬間に、息を詰まらせながら読んでいたが、読後感は素晴らしい本だと感じ、最初とは別の目で、もう一度読み返したいと思った。 -
文章が(翻訳が?)少し私には読みにくかったけれど、最後まで読んだら、「あ。そういうこと!」となって、もう一度読みたくなって二度読んだ本。
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よくわからない。
もっと賢い人が読めばきっとなにかに感銘したりするんだろうが、自分には無理だった。
二十四歳のベロニカは特に不自由を感じずに生きてきたが、同じような毎日を繰り返しながら老いてゆき、やがて得るものよりも苦悩する可能性が増えていくことに漫然と嫌気がさして自殺することにした。が、死にきれず、精神病院に入院させられることになる。そこで他の入院患者たちと交流を持つのだが。
作中、精神科医が普通とか常識とかを説明するのに、時計の針の進行方向を例にとって説明するところが「なるほど」と思った。
考えてみれば逆回りでもいいんだよね。文字盤がそれに対応さえしていれば。なのに全ての時計の針はみんな同じ方向に回る。考えたこともなかったな。
タイトルにやられて手に取りました。
こういうふうに人名が意味深に使われてるタイトルに弱いです。
古くはアガサの「なぜエヴァンスに頼まなかったのか?」とか。
中田栄一さんの「百瀬、こっちを向いて。」とか。
未読ですが「そしてミランダを殺す」なども気になってます。
本のタイトルって大事ですよね。
あの映画やドラマやで売れに売れた「世界の中心で愛を叫ぶ」も、最初はまったく売れなくて、でもタイトルを変えたらバカ売れしたそうです。
たとえどんなに内容が優れていたとしても、膨大な量の本が日々出版される現代では、まずはどんな形でも興味を持たれて手に取ってもらわないと評価のテーブルにすら上がらないってことなのでしょうね。
出版社と編集の腕の見せ所なのかな。-
2023/05/05
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2023/05/05
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2023/05/05
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