セブンイヤーズインチベット セブン・イヤーズ・イン・チベット (角川文庫)

  • 角川書店 (1997年11月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784042770015

感想・レビュー・書評

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  • ダライ・ラマ14世の自伝を読み、チベットの抱える現状と歴史的背景に興味を持ちましたが、ダライ・ラマ自身が、現在のチベット問題の一方の当事者ですのでもっとチベットを公正に認識できないかと思い、本書を読みました。

    セブンイヤーズ・イン・チベットは、純然たる中国共産党支配前のチベット風土記に近い内容だと思います。

    現在、当時のチベットがどれだけ保存されているかはわかりませんが、ハインリッヒ・ハラー氏の筆により秘境・桃源郷とされた当時のチベットに暮らし、そこに生きる人々が余すところなく伝えられています。

    彼が描写するのは、ただただ、信仰に篤い国と人々です。

    彼は同時に、チベットを愛し、チベットから愛されたのだ思いました。

    終節にはダライ・ラマとの親交と赤色中国人に美しい国が占領されるさまが描かれていますが、それはチベットという国が滅ぶというトーンよりむしろ出国の際に親しき者との別れの情感で書かれているのが印象的です。

    異邦人でありながらチベット人のように振る舞い愛された著者ならではの視線だと思います。

  • この本を読んでる間中、何をしてても頭の中はチベットを旅してた。
    映画も観ましたが、本の方が当然内容はより詳細。
    しかし、映画でしか表せない色の美しさ、空気感、音の感じを知ってから本を読むと、文字がより一層深みを増して入ってくる感じです。
    そのため、脳内がしばらくチベットに行ってしまったんだけど…

    自分ひとりでは経験できない事を本を通じて経験できると言うのはまさにこの事。
    時代も宗教も環境も、何もかも今の私とは違う世の中がある事をしれます。
    かしこまったり、覚悟を決める事なく、この本を読み始めると良いと思います。

  • 映画を見て、チベットに興味が湧いて、本書を購入(絶版されていて、ネットで中古しかなかった。)。
    映画とは違い、ラサにたどり着くまでの冒険が詳細に記録されていて、山岳紀行文としても、冒険モノとしても、非常に楽しめた。
    ダライ・ラマとの友情には胸が熱くなり、最後まで没頭できた。

  • 壮大なる紀行文。

    中国のチベット侵攻はこれは実はいまに始まったことではなく、何回めかの侵攻であることがわかる。
    チベット人にしてみれば、天災や何かと同じなのでは。
    遠くは吐番も長安を侵攻したことがあったし。

    それにしてもずっとダライラマは帰れてない。
    もしかしたらずっとみれないかもしれない、チベットでの生活が描かれている。

  • チベットに興味があり、家の本棚に会ったこれを拝借。久しぶりにずっと読んでしまった作品。河口慧海のチベット旅行記も同じようにチベットにたどり着くまでの人々との交流が描かれているが、見方が違うので二つとも読んでみるのがいいだろう。

  • 一度しか読んでいなくて、ほとんどの内容を忘れてしまったのに、この本が好きだという感覚だけは覚えていた。何が好きだったのかを思い出したくて、十数年ぶりに読み返した。
    オーストリアの登山家である著者が、ナンガ・パルバット遠征隊として出かけている間に第二次世界大戦が勃発し、イギリスの捕虜になってしまった。そこから何度も収容所から逃亡し、憧れと神秘の国チベットの首都ラサを目指す。何度も危険な目にあい、浮浪者のごとくボロボロになってなんとか行き着いたラサ。その旅路とチベットの文化慣習を描いた作品。
    著者の目線や語りから、チベットを愛し、尊敬し、尊重している様が伝わってくる。訳は少し古風で堅いけれど、ときに詩的な表現もある。宗教を中心に回り、近代化していなかったチベットで暮らした日々を想像すると、いまの日本よりも人間的で平和でささいなことにも驚き、楽しみを見出せる素朴さを感じる。氾濫する煩わしい情報がない世界に行ってみたいと思う。チベットが中国に侵略された出来事も描かれていて、いまだに独立が叶っていないことを考えると、世界から忘れられてしまったのではないかと心配になる。
    自分は見たことのない、そしてもう壊されてしまったある民族の生き方の証と記録として、貴重な本なのだと思う。著者のような目線で異なる民族や地域を想うことができれば、戦争なんて起こらないかもしれないのに。

  • 前半はインド北部の捕虜収容所を脱出して徒歩でチベットを目指した著者の旅の記録。

    もともと著者はドイツのヒマラヤ遠征隊に選ばれるほどのエリート登山家だったということだが、それでもまともな装備も無い中で冬のヒマラヤ越えを成し遂げたというのは驚くばかり。登山家としての才能だけでなく文才にも恵まれていたようで、極限状況での旅の労苦にしても、道中の神秘的な山々や湖の景色にしても、読んでいて周囲の光景とそれを見た著者の心象風景とが頭の中に鮮明に浮かんできて惹きこまれた。

    後半は苦難の末にラサへ着いてからのチベット人との交流を中心にしたかつてのチベット文化の記録が中心となる。そしてダライ・ラマとの邂逅からクライマックスへ。

    20世紀の半ばまで宗教を基礎にした独自の国造りで閉鎖的ではあっても人間味の豊かな個性ある文化を維持してきたチベットがかつての姿を取り戻す望みはもはやほとんどなさそうであり、だからこそ在りし日の様子を人々の息遣いまで丁寧に写し取った本書の貴重さが際立っている。

  • 映画先に観てるとダライラマ登場まで長く感じた。
    当時のチベット人のダライラマへの尊敬の様子、文化が垣間見える文章。
    チベットでも動物解体などの被差別民がいる事が驚き。

  • まだ半分なんだけど、おもしろい~
    映画は、当時、劇場で見たんだけど記憶薄いんで、また借りてきた。
    ハインリヒ・ハラーの別な本も取り寄せ中。

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    いやはやすでに著者がチベットにいたのはもう60年以上前という事実。
    当時は外国人の入国すら許されなかったチベットに、しかも一般人でありながら、最後は活仏ダライラマの教師まで勤めることとなった著者の旅行記であり、チベットの当時の文化、生活を外国人という客観的視点から描いた貴重なルポタージュ。

  •  ドイツとイギリスが交戦状態に入り、登山家ハインリヒ・ハラーはインドの収容所に拘留されることになる。数回の脱走を試みて無事に仲間とチベットへ入国することに成功する。この当時、チベットは鎖国のため外国人には未踏の地であった。

     彼らが見聞きするチベット仏教を基にする人々の生活は驚くことばかりである。ハラーがダライラマの家庭教師として勤めるくだりは後半の一部、わずかなページに記載がある。本書を読めば漢民族、中国文化が入る前のチベットを知ることができる。

  •  戦争をきっかけに、ヨーロッパの登山家たちがチベットをさまよい、戸惑いながらもチベットを愛していく様子に心を打たれる。
    しかも、これが実話なのだから、感動はより深い。

     チベットの人々は、自然と親しみ、自然を畏れ、自然を愛している。まじない・迷信など信仰深いが、それは他者を否定するためのものではない。当時、周りの国と鎖国しているが、それも欲のない、自助の精神から来るもののようだ。

     インドを旅していると、チベタンに出会う機会がたびたびあるが、彼らは本当に優秀な人たちという印象を受けた。語学堪能で、その土地になじんでいるようであったが、誇り高く自分たちの文化を守っているようでもあった。商売でも、成功している、という印象を何度も持った。

     それらの人達、チベタン達が、ほんの60年余り前まで、鎖国されたあのチベットの内側だけで暮らしていたのである。
    近代化を拒み、自分たちの独自の生活を守り通していたのである。
    チベタン、彼らのあのエネルギーがすべて、国の内側に、そして自己の内面に向かっていた、その当時のチベットの魅力が、この本の中に詰まっている。

     本当に大切なこととは何だろうか?とたくさん考えさせられる一冊。
    中国に支配される以前の、この当時のチベットを訪れてみたい。 

  • 登山家であり
    当時軍の捕虜になっていた
    ハインリヒさんが実際に起きた出来事を
    こう淡々とまるで日記のような体験談のような
    そんな感じ。
    今もご健在な「ダライラマ14世」との出会いあり別れあり。
    で、当時のチベットの時代背景を知るのに
    すごく勉強になった。
    数年前起こったラサ暴動の原因というか
    根本がなんとなくだけど
    見えてきました。
    ブラピ主演の映画を何年か前に見たけど
    個人的には本の方がオススメです。

    表紙がブラピなのが残念。。
    だってこれ、本だもの。

  • 世界の屋根、禁断の秘境、最後の聖地とも称されるチベット。
    著者であるハインリヒ・ハラー氏が、題名通りにそのチベットで過ごした7年間を記したのが、こちら。

    登山家であったハラー氏がエベレスト登頂に臨んだタイミングで、英国と独国が交戦状態に入り、
    当時ドイツ人であったが故にイギリスに拘束され、インドの収容所に抑留されます。

    その後、収容所を脱走してチベットに向かい、紆余曲折を経て、当時鎖国状態であったチベットに逗留、
    第二次大戦が終戦を向えても帰国せずに、結局はそのまま7年を過ごすことになりました(1944-1951年)。

    その中でチベット人として生活を続けるうちに、ダライ・ラマ法王とも親交をかわし、
    ついには「家庭教師」として、ダライ・ラマ法王と触れ合うことになります。

    この関係はダライ・ラマ法王が亡命した後も続いており、終生の友ともいえる間柄とのこと。
    ちなみにハラー氏は、2006/1/7に故郷オーストリアにて永眠されています。

    そういったチベットでの生活や、チベット人の風習、チベットの原風景、そしてそれらの穏やかさ、美しさが、
    訥々と語られていきます、決して読みやすくは無いのですが、ついつい引き込まれてしまう何かがありました。

    なんとも西洋人らしい(ハラー氏)自身の感覚が、徐々に穏やかな価値観へと切り替わっていく様、
    そんな様子も、後年の筆でありながらもストレートに伝わってきて、なかなかに興味深い。

    そんな穏やかで楽園のような生活も、共産支那によるチベット侵略で幕を閉じることになります。

    なお、ブラッド・ピット氏主演で1997年(日本公開は1998年かな)に映画化もされています。
    限られた時間の中ですから原作のエッセンスの抽出にとどまっていますが、チベットの美しさが表現されているかと。

  • 当たり前だけど、侵略される前のチベットは夢の国ってわけじゃなかったんだな。

  • 戦争捕虜として収容されていたインドから脱走し、過酷な旅の果てに偶然チベットにたどり着いた登山家ハインリヒ・ハラー。若きダライラマの個人教師にもなった彼が、チベット滞在中に書いたノンフィクション。
    西洋人と交流を重ねるごとに変化を見せるダライラマの心理描写は必見。
    一方で、プロの文士ではないゆえか、多少盛り上がりに欠ける文体なのは残念。ブラッド・ピット主演の同名映画の方が面白いか。

  • 気になっていたけれど映画で見る気が起こらなくて、 たまたま¥50で手に入れたので読んでみた。
    ダライ・ラマの語るチベットとハラーが見たチベットを比べてみて、 いわゆる先進国に生まれた私にはハラーの方が当然分かりやすいけれど、 ヨーロッパ人で加えて山岳家の視点という分かりにくい部分も面白く、 余計に、チベットの人々に対する驚嘆も畏敬も胸に迫った。

  • 戦時捕虜という特殊な状況で、
    彼らは鎖国中のチベットを目指さざるを得なかったんだけど、
    バックパッカーなら誰しも憧れてしまう旅だよ……。

    チベット本というより旅行記カテゴリだよな。これは……。

  • ダライラマのファンになりました。
    本人の言動をテレビや新聞で見聞きして、内面の人の良さを感じます。
    無宗教、無神論ですが。。関係ないですよね、そういったものは。

  • この映画を観たこともチベットに行った理由の一つ。

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著者プロフィール

1912年オーストリア生まれ。登山家、探検家。1938年に登攀が絶望視されていたアイガー北壁の初登攀に成功し、アルプス登山史上に不朽の名を刻むなど、世界各地の秘境探検の基礎を築いた。

「2022年 『石器時代への旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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