ボビーZの気怠く優雅な人生 (角川文庫)

  • 角川書店 (1999年5月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784042823018

作品紹介・あらすじ

伝説的な麻薬ディーラー、ボビーZが死んだ。ボビーを麻薬王ドン・ウェルテロとの秘密取引の条件にするつもりだった麻薬取締局は困り果てる。そこへ服役中の泥棒ティムがボビーZに生き写しと判明し……。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

軽妙でリズミカルな語り口が特徴のこの作品は、麻薬ディーラーのボビーZの物語を通じて、主人公ティムの成長と葛藤を描き出します。ウィンズロウ独特の軽さとスピード感があり、思わず夢中になって読み進めてしまう...

感想・レビュー・書評

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  • 深夜に偶然チャンネルを合わて観始めた映画が、思いの外面白くてだんだん夢中になっていくような感じが好き。今はテレビを観ないから、その代わりに文庫本の山から適当に、本当は少し意識して、ドン・ウィンズロウの小説を手に取る。この頃のドン・ウィンズロウの小説には絶妙な軽さと夢中になれる魅力的な物語があるのだった。

    軽薄にも思える語り口とか、何転かするけれど並走出来るストーリー、強烈なキャラクタや突っ込んで書き込まれる情報や文化、それに少しわざとらしい謎の解明と感動的な展開。全部ちょうど良いんだよな。たまに、そんな小説を適当に読み始めて、夢中になって一晩で読み終わってしまう夜がある。そんな読書も好き。

    そしてこの小説でも主人公は「海兵隊あがり」で自制心に問題を抱えている。その海兵隊で手に入れた暴力の技術もストーリーをドライブさせるのだった。アメリカの小説ですね。少しめんどくさい話をすると、海兵隊は一生海兵隊で元海兵隊などない、というのがよく言われるけれど、この主人公は不名誉除隊しているから、元海兵隊なのだ。しかし、その不名誉除隊になる理由はなかなかあつかった。海兵隊の存在自体を「最高」などとは言えないけれど、それを扱うアメリカの小説はアメリカを描いているという意味でも評価したい気がしている。

    “この頃”のドン・ウィンズロウでいうと、『野蛮な奴ら』もかなりちょうど良い軽さがある。とあるレビューで「『犬の力』が血の滴るステーキだとしたら、この小説はハンバーガー」みたいなことが書かれていたけれど、たしかに。深夜にはジャンクフードが食べたくなるのだ。ちなみにこの2作は映画もあって、ボビーZは未見だけれど、『野蛮なやつら』は深夜に観てかなりちょうど良かった気がする。

  • 冴えない泥棒ティム・カーニーは、けだるかった人生を塗り替える、涙なくして語れない波瀾万丈の大冒険に乗り出す羽目となります。 この小説の登場人物は、気骨ある6歳の男の子を除いて、これでもかの悪党が勢揃いしての、息もつかせぬ展開の連続で大団円を迎えます。 東江一紀(あがりえ かずき)氏の名訳による、評判に違わぬ大傑作です。

  • 再読。やっぱり好き。
    ちょっと都合のよすぎる展開があったりして、ツッコミどころもそれなりにあるのだけれど、ウィンズロウの詩情や語りの力、たたみかける勢いなどがこれでもかと発揮され、翻訳と相まって極上のウィンズロウワールドが生まれている。

    「へなちょこだけどぼんくらじゃない」ティムが、命がけで守りぬこうとするキット少年のかわいいことといったら。この子の造形だけで、すべて納得してしまう。

    なぞのホームレス、ワンウェイも、摩訶不思議な味を出している。ちょっぴり超能力入ったボビーZ探知機は、なぜか偽物であるはずのティムの動向ばかりを敏感に察知するのよね。そのあたりが面白いところ。

    「ボビーZであることから逃れられないのなら、ボビーZになりきるしかない。
     ボビーZになって、すべての敵をたたきのめせ。
     伝説になれ。
     それはつまり、ラグーナをめざせということだ」

    かっこいいぜ。
     

  • ウィンズロウのストーリーテラーとしての才能が良くわかる作品です。そもそも物語が面白い。展開が速く最後まで緩むことなく一気に読めます。

  • 冴えない泥棒ティムカーニーは刑務所内でヘルズエンジェルスの男を殺してしまい、所内で命を狙われる羽目に。生き延びるために麻薬の帝王にして伝説のサーファー、ボビーZの替玉になることに…。ドンウィンズロウの新境地ということだったが、あまり楽しめなかった。ニールケアリーが好きだったので、ウィンズロウの他の話はどれも肌に合わないようだ。

  • 不幸を背負った健気な子供はキット6歳、
    ダメダメな大人ティムがひょんなことから伝説のホビーZとなり、キットと二人で逃避行の旅…
    こうなると面白くないわけがない。

    全戦全敗の落ちこぼれ、国際級のへなちょこ野郎の行先は、
    どこもかしこも敵ばかりの八方塞がり。
    でも、賢い身の振り方などくそくらへ!

    調子良すぎといわれても、面白いから仕方ない。

    あー面白かった〜〜〜

  • なかなか飽きさせない内容で、そこそこ面白かったけど、イマイチかな。
    ウィンズロウには、ニヒルな主人公が似合うと思うんだけど。

  • 不覚にもラストシーン数行は涙で翳んでいた。物語作家としてのウィンズロウの底知れぬ才能に平伏し、惚れ直す。テイストはクライム・ノベルだが、苦いユーモアを交えた先の読めない奇抜なプロット、ロードムービー的な展開の中で繰り広げられる臨場感溢れる活劇、登場人物一人一人の息遣いまでも感じ取れる秀逸な造型は、エンターテイメント小説の見事な完成形といえる。

    やさぐれていながらも胸の内に強さと優しさ秘めた男、一見不純な殻をまといながらも美しい心根を持つ女、そして孤独で愛情に餓えつつも純真な逞しさで大人たちを癒やしていく少年。血の繋がりがないこの三人の愛情の交感に心は揺さぶられ、何とも言えない幸福感に満ちた余韻に浸らせてくれる。

    久しぶりに、また再読したいと思わせてくれた大傑作。

  • 娯楽小説として面白く、主人公が魅力的だった。
    しかし登場人物が多くて把握するのが大変なのと、文体が軽いのが少し浮ついた印象を受けた。
    そういう小説だと思えばいいのだが、後者は訳者の独りよがりな気がしてならない。
    タイトルも原題の方がよっぽどいい。

  • さらっと読めて後味爽やか。一生懸命なのにそうでもなさそうな主人公が素敵。古本で買ったら「俺は何故、何故と問うのか?」という一文にマーカーしてあってちょっと吹いた。でも自分も結構なぜなぜ問うていることに気が付いたという。

  • ウィンズロウ作品にしてはノリが軽い。手を抜いてる印象を受けた。

  • ページ数も少なくライトで非常に読みやすい作品。これまでの人生負け続きだった男が初めての勝利を掴むまでの物語で、読んでいるほうも応援したくなる。

    映画化されていますが、そちらはかなりB級です。やはり原作のほうが一つの物語としてうなりがある。

  • ウィンズロウ初体験。軽妙洒脱な、おちこぼれ悪党の物語。キャラクターも魅力的で、大変面白かった。

  • 「犬の力」と比べてという事で、かなり今ひとつでした。生死不明のボビーの存在がもう一つ効果的になっていなかった気がします。あんな不確かな情報だけで、幾つかの組織が動くのに違和感があって、そのまま読み進めてしまった所為かもしれませんが。

  • スタイリッシュ!

  • タイトルとカバーのイラストで手に取った。
    サラサラサラッと読み終えた。
    話の筋は覚えてないが面白かったような気がする。
    いわゆるニール・ケアリーものがしっくりこない人にはお勧め。

  • 『The Death and Life of Bobby Z』というオリジナルタイトルのまま映画化(完成しました)された本作。ニック・ケアリーシリーズとは異なる作品世界ですが、一読してみてはいかがでしょう?<p>
    『The Death and Life of Bobby Z』<br>
    http://imdb.com/title/tt0473188/

  • ウィンズロウ氏は今一番旬なのかも!って思うほど、傑作ばかり書いている。このボビーZはノンシリーズ。最初のティムはうだつのあがらないヤワそうな男だったのに、後半からはメチャかっこよくなる。ヘルズエンジェルズから命を狙われ、他の麻薬組織からも狙われ、替え玉にしあげた麻薬取締局からも狙われる。ティムに逃げ道はあるのか!?クライマックスはびっくりするドンデン返しがまっている。スピーディーでアッという間に読めること請合い!

  • 確かに面白くさくっと読める。けれども他の作品ほどインパクトはありません。まぁ、面白いけど。

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著者プロフィール

ニューヨークをはじめとする全米各地やロンドンで私立探偵として働き、法律事務所や保険会社のコンサルタントとして15年以上の経験を持つ。

「2016年 『ザ・カルテル 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ドン・ウィンズロウの作品

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