犬の力 上 (角川文庫 ウ 16-4)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009年8月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042823049
作品紹介・あらすじ
メキシコの麻薬撲滅に取り憑かれたDEAの捜査官アート・ケラー。叔父が築くラテンアメリカの麻薬カルテルの後継バレーラ兄弟。高級娼婦への道を歩む美貌の不良学生ノーラに、やがて無慈悲な殺し屋となるヘルズ・キッチン育ちの若者カラン。彼らが好むと好まざるとにかかわらず放り込まれるのは、30年に及ぶ壮絶な麻薬戦争。米国政府、麻薬カルテル、マフィアら様々な組織の思惑が交錯し、物語は疾走を始める-。
感想・レビュー・書評
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ちょっと悪趣味かもしれないけどメキシコ旅行に持って行った、ラテンアメリカの麻薬戦争を巡る物語。
不屈の麻薬捜査官、麻薬カルテルのドンである”叔父貴”、その甥のバレーラ兄弟、高級娼婦のノーラ、殺し屋カランの運命が交錯し始めてから、加速度的に面白くなってくる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もっすごい腹たつわ〜
たまにちらほら見かけてたんですが、今回は上下巻ともにけっこうひどいことになってました
落書きが!!
図書館の本に落書きする奴まっっっっっっぢで信じられない
控えめに言って吐き気します
何なんでしょうね
誤字にこれみよがしに○してみたり、久しぶりに出てきた名前にチェックいれたり、重要なところに線引いたり、括弧でくくったり
なんでそんなことするのかなぁ?
図書館の本ですよ(寄贈とかでもない)
だいたいなんで鉛筆持って(図書館の)本を読むのかな?
本当に許せない
何か落書きした人3ヶ月資格停止とか罰則もうけてほしいわ〜
そういうのってきっと小さい頃益子のおばちゃんに出会ってないのが原因だと思うんですよね
自分と益子のおばちゃんとの出会いは小学校4年生のときでした…
同じ市内ですが引っ越しをして市立図書館が通学路の途中になってからほぼ毎日学校帰りに寄ってたんですね
学校の図書館の児童書には既に満足出来なくなってたってのもあるんですが
一番大きな理由はそこに司書として益子のおばちゃんいたからなんです(同級生のお母さんでもあった)
益子のおばちゃんは本をたくさん読むとめちゃめちゃ褒めてくれたんですよね
あと益子のおばちゃんが薦めてくれた本は凄いちょうど良かったんです難易度的にも
当時益子のおばちゃんの薦めで読書ノートをつけててちょっとした感想文とかも物凄い褒めてくれたしこれ読んだら次はこれいいよとか、これが気に入ったんならこっちはどう?とかね
物凄い優しくて、とにかくもう褒めまくってくれた人だったんですが図書館で騒ぐとわりとしっかり目に怒られたし、図書館の本を大切に扱わないような子はまじ出禁になりました(ちゃんと反省すれば許してくれる)
益子塾の門下生はおばちゃんに怒られながらそして褒められながら図書館のマナー、社会のマナーを身に付けていったような気がするんです
図書館の本に落書きする人はきっと人生において益子のおばちゃんに出会ってない人なんだろうと思う
思うけど…そんなん言い訳になるかぁ!
とりあえず謝れ
益子のおばちゃんに謝れ
ちゃんと反省すれば益子のおばちゃんは笑って許してくれますよ!
わしは許さんけどな!w
またもや内容に一切触れずに下巻へGo!-
なおなおさん
みんみんさん
こんばんは!
なんかお二人ともスッキリしてくれたようで良かったですw
んでもその怒りは本を愛するがゆえのこと...なおなおさん
みんみんさん
こんばんは!
なんかお二人ともスッキリしてくれたようで良かったですw
んでもその怒りは本を愛するがゆえのことだと思いますのでずっと持ち続けていましょうね
自分もたまに本読みながらのお菓子の誘惑に負けそうになるんですが怒りを力に変えてぐっと我慢してますw
そしてそんな本を愛するお二人に益子流免許皆伝を授与します!w2022/05/19 -
ひまわりめろんさん、おはようございます。
ものすご〜ぉく分かります!
分かり過ぎて…共感しまくったσ^_^;
(本の感想の共感でなくすみま...ひまわりめろんさん、おはようございます。
ものすご〜ぉく分かります!
分かり過ぎて…共感しまくったσ^_^;
(本の感想の共感でなくすみません)
ブクログの皆さんは図書館派の方が多く
羨ましいと思ってたのですが…
そんな腹立つことが( *`ω´)
益子のおばちゃんに謝れ!マジで!
私の近所の図書館は、ホントに本が
汚すぎて、集中出来なくて
折角近いのに、もう借りに行く気すらなくなってしまった。そこになくて予約した時は
大きな図書館からくる本は綺麗だけど、
ひまわりめろんさんのように読むのが
早くないので…仕方なく中古本の状態良い本
買ってます( ; ; )
公共のものなのに、次の人のこと考えて!
と思う気持ちと本を大切に扱わない気持ち
理解出来ません。
本を読む時にお菓子を食べるなんて
もってのほか!食わずしてただ読む
それが読書の流儀だ!ナンチテ(^^;;
本を粗末にするものにはスッキリ出来ないけど…このコメント欄で少しスッキリした気分になれました。 ありがとうございます♪
2022/05/25 -
hiromida2さん
こんにちは!
お、ここにもスッキリさんがw
もうスッキリお届け人呼んでくださっても結構ですよ
最近はお菓子は本を...hiromida2さん
こんにちは!
お、ここにもスッキリさんがw
もうスッキリお届け人呼んでくださっても結構ですよ
最近はお菓子は本を読む前に一気食いして、手を洗ってから読むようにしてるスッキリお届け人です
そして益子のおばちゃんはみんなの心の中にいる!ビシィッ!
(いや実在の人物です)2022/05/25
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最初に言っておくとすれば「ゼッタイに読むべきだ!」。まず原題の『The Power of The Dog』を『犬の力』と直訳したことに敬意を払いたい。内容はアメリカン・バイオレンスの王道たる「麻薬・金・暴力・セックス」だが、そこに国際麻薬シンジケートだったり、アメリカの対外政策などが複雑に絡み合い、混沌とか不条理とか運命とか、克明に描かれる。ドン・ウィンズロウ初体験だが、筆力はハンパない。客観的描写命。会話に情緒を委ねないところがすばらしく、英語で目を通してみたくなる(たぶんさっぱり分からんと思うけど)。この物語の鍵となっているのが、アメリカとメキシコの国境地帯の状況だろう。メキシコ人たちは国境を違法に行き来し、どちらの国にもアイデンティティーを持たない(あるいは持っている)「チカーノ」と呼ばれるカテゴリーを形成している(今福龍太『荒野のロマネスク』)。本書の登場人物たちもアメリカとメキシコのハーフだったり、アメリカ人とメキシコ人が結婚していたりと、「チカーノ」として生きることを余儀なくされている。物語はメキシコの麻薬シンジケートに関わる抗争から幕を開けるのだが、東海岸からコロンビアまでスケール広く展開される。そして、登場人物たちは当初、「揃ってなにも持っていない」のだ。様々な群像が描かれるので、冒険ロマンとしても楽しめる。そして、「武装勢力」との闘い。アクション映画で描かれる激しい戦闘はどこか遠い話だったが、2013年1月のアルジェリアでの事件を見るともはやそれがグローバル社会では現実として十分ありえる、と覚悟せざるを得ないと思う。主人のいない「犬たち」は原罪を背負いながらなにを見ようとするのか。面白い!
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30年に渡る麻薬戦争の話。
マフィア側にもそれぞれ綿密にストーリーが描かれており、ついつい感情移入してしまう。
そして麻薬捜査官である主人公アーサーもやはり聖人君子ではなく人間味溢れる人物。
壮大なスケールで読みごたえあり面白かった。 -
上下一括感想
下巻にて
必ず面白い保証印〈ドン・ウインズロウ&東江一紀〉
その圧倒的な物語、ノワールの大河をゆく。
最初は登場人物を整理することがちょっと大変だけど、やがてそんなことも些細なこととなる。
下巻へ……。 -
麻薬戦争話。
長い。-
2022/05/17
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たしかに。
これじゃあレビューになってませんよね。
ナイス突っ込みです(笑)
いや、懐かしいなぁ。「犬の力」
一般の評価がメチャクチャ高...たしかに。
これじゃあレビューになってませんよね。
ナイス突っ込みです(笑)
いや、懐かしいなぁ。「犬の力」
一般の評価がメチャクチャ高い作品であるのに、自分にはちっともハマらなかったんですよ!
むしろ、ドン・ウィンズロウ作品ならば「ストリート・キッズ」とかが好きでしたね。
探偵ニール・ケアリー。
良かったなぁ!2022/05/17 -
2022/05/17
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メキシコを主な舞台とした、麻薬カルテルの首魁とアメリカの麻薬捜査官の死闘。
犬は出て来ないのである。
「犬の力」というのは聖書にある言葉だそうで、邪悪な心というかフォースの暗黒面というか、そういう意味であるらしい。
迫真のストーリー。手に汗握る展開。結末の妙味。確かに傑作で、読んで損がないというのは間違いない。一体何人死ぬんだというくらい、いささか血なまぐいのは気になるけれど。
しかし、警察の協力(!)を得て前のボスを殺し、首魁にのし上がっていくさまや(警察・公安・果ては大統領まで巻き込む買収と裏切り)、そもそも麻薬が儲かるのは(アメリカ等の)市民がそれを求めているからという身も蓋もない本質(だからこそ、頭をひとつ潰してもまた新たな頭と組織が自然に現れるわけだ)、シーソーのように繰り返す復讐の連鎖などなど、ここで描かれているいちいちが、人間の業というか、出口のなさというかをあからさまに示している。
その、小説がえぐり出したものの恐ろしさよ。
続編(「ザ・カルテル」)も読むつもり。 -
ミステリーというよりは政治がらみのバイオレンス。
メキシコを舞台とした麻薬戦争のことなのだけど、20年間にも渡る人間ドラマ。上はあっという間。 -
やばい、恐い、エロい、面白い。
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ここまで麻薬犯罪物に真正面からぶつかって書き上げた著者に拍手。人種も国も関係ない人間が産んだ歪のあるシステムと動物の本能に振り回される悲哀をドラックとセックスとバイオレンスを通して描く。
様々な登場人物たちは、すれ違い、どこかで繋がっていく。登場人物たちがまさにぎりぎりのところで息継ぎをしながら、自らを、もしくは誰かを犠牲にしもがき続ける。
真実と虚構の混合比率の絶妙さと表現は過去形と現在形のミックスにより、読者は自然にこの世界に入り込み、登場人物たちの横であたかもその場面に直面しているような錯覚に陥り、読み出したら最後、一気に下巻へ突入する。こんな読み応えのある本に出合えたことに感謝。