フランキー・マシーンの冬 下 (角川文庫)

制作 : 東江 一紀 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.89
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本棚登録 : 306
レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042823070

感想・レビュー・書評

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  • 構成がとてもよかった。
    まずは静かで規律ある現在の生活に始まり、ことが起き、その原因を探る過程でフラッシュバックを交え、結末へ辿りつく。この構成は読ませる。
    この点自分は前作『犬の力』の直線的でだらだら続く構成よりも今作の方が好きだ。

    フラッシュバックの中ではただ事実が回想されるだけではなく、主人公フランキー・マシーンの魅力的な人柄、男気、人情、知性が光り、物語に深みを増している。

    ウィンズロウと言えば『ストリート・キッズ』を思い浮かべる自分にとってはあまり軽口がないのが残念といえば残念だが、これはこれでありだと思う。

    ■このミス2011海外4位

  • ドン・ウィンズロウの小説は結構好きなんだけど、これはイマイチかな。

    何しろ、アメリカのマフィアとか裏社会の横と縦の繋がりがよく理解できていない、という自分自身の問題がある。

    多分、その辺をもうちょっと多少なりとも理解できていれば、もっと楽しめたんだろうと思う。

    ラストは、ちょっと味わいがあったけど、それでもいいの? って感じ。

  • ラストは読めたけど、そうなって欲しかった想いがあったかも。

  • 畢生の大作「犬の力」の後に上梓された本作は、イタリアン・マフィアの熾烈な血の抗争を主題に、またしても分厚い物語を構築している。凄まじい緊張感を強いる「…力」に比べ、ウィンズロウの本質により近いファルスのムードが前面に出ており、多少の粗はあるもののエンターテイメント小説として充分楽しめる作品だ。「ゴッドファーザー」の如き〝血の掟〟に縛られるような厳格な世界ではなく、社会の片隅に生息し、全盛期を過ぎてもなお強欲なマフィア幹部らの醜態をドライに描き、アイロニカルな展開で読ませる。

    導入部では、裏稼業を引退して多様な事業に勤しむ主人公フランク・マシアーノの私生活に関するこだわりが延々と続き、ウィンズロウ・ファンには馴染みのサーフィンへの偏愛も滔々と語られていく。さらに、引退したマフィアの殺し屋とFBI現役捜査官がサーファー仲間であることを示した後、ようやく本筋が動き出す。目先の金に釣られて罠に掛かったマシアーノは、図らずもマフィアの裏社会へと再び引きずり込まれる。殺人犯として逃亡する中、マシアーノは事の真相を探るために、決して消すことの出来ない過去を振り返る。それは、昔も今も変わらない世界、過剰な暴力を用いて覇権争いを繰り広げるギャングらの狂宴に他ならず、そこには伝説のマフィア〝フランキー・マシーン〟の名がしっかりと刻み込まれていた。

    本作は、弱小マフィアに属する無法者らが成り上がり/衰退していくさまを、膨大なエピソードを積み重ねて構成しており、登場人物も非常に多いため、読んでいる間はかなりのエネルギーを消耗する。意外にも〝フランキー・マシーン〟の敏腕ぶりは、あまり伝わらない。機知よりも瞬発力に優れ、反骨よりも日和見に傾く主人公よりも、混沌とした挿話の数々に面白さを感じた。終章では、冒頭の伏線をきっちり生かし、ウィンズロウならではの爽やかな余韻を残してくれる。

  • 978-4-04-282307-0 328p 2010・9・25 初版

  • 上に続けて一気に読まないと登場人物が多すぎて(馴染みのない名前ばかり・・・)時間も前後するためストーリーについてゆけない~私の力不足。下巻の方は上の反省もありゆっくり丁寧に読み進めた。
    とにかく、主人公のカッコよさったら!
    平凡な感想しか描けないのが悔しい。

  • フランキー・マシーンの活躍の続き。
    考えてみれば、「フランク・マシアーノ」で「フランキー・マシーン」というのもなかなか洒落ている。
    これで主人公が若いチンピラならまだしも、含蓄のある年寄りだから深みがある。
    内容は、自分を殺そうとしている相手を過去の事件にさかのぼって突き止めていくといった感じ。
    しっかりとした筋があって、深い闇があり、一筋縄ではいかない感じがする中、フランキー・マシーンはへこたれない。
    タフな小説だ。
    最後はありがちだけど、でもそれにカタルシスを感じる。

  • ☆☆☆☆★

  • 元イタリアンマフィアで、今はひっそりと軽食屋を経営するオヤジ、そんなロバート・デ・ニーロみたいなフランキー・マシアーノ

    ロバート・デ・ニーロ主演で映画化するという話はどこへ?!

    内容に関して言えば、後半になるにつれて、どんどん目が放せなくなる展開がよかったかなと

  •  前作「犬の力」が怒涛の嵐だったので、今作は期待大だったが、テイストがたいぶ異なる軽快な作品で、若干肩透かしを喰らった。ま、それなりに楽しめたが。

     前作が壮大なスケールのハードボイルドだとすると、今作は、洒落たクライムノベルという感じ。前作のように興奮を引きずることも無く、素敵なラストが後味を軽快にしている。

     主人公はアメリカに移住したイタリアンマフィアのフランキー・マシアーノ。彼の流儀も格好いいが、「犬の力」の男達には及ばない。ケチなチンピラがいっぱい登場し殺戮の嵐となるが、重い雰囲気は微塵もなく、ユーモアとキレがあり、まるでタランティーノの映画を観ているかのようなシーン展開だった。

     そして所々に「ゴッド・ファーザー」のセリフや何かが出てきて心くすぐられる。そういえば、マフィア物はもうやらない宣言をしたデ・ニーロがマシアーノ役に立候補してマイケル・マンが指揮を執る、という凄っごくワクワクする噂があったがどこを検索しても何も出てこないので、どうやらお蔵入りになったらしい。一瞬浮かれて損した気分。

     同じ作者とはいえ、テクスチャーやスケールの違いもあり、結局前作には及ばず、「犬の力」はマイベストを独走中だ。

    次回作も楽しみ。

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著者プロフィール

ニューヨークをはじめとする全米各地やロンドンで私立探偵として働き、法律事務所や保険会社のコンサルタントとして15年以上の経験を持つ。

「2016年 『ザ・カルテル 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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