オペラ座の怪人 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2000年2月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784042840015

作品紹介・あらすじ

19世紀末、パリ。華やかなオペラ座の舞台裏では、奇怪な事件が続発していた。首吊り死体、シャンデリアの落下。そして、その闇に跋扈する人影。“オペラ座の怪人”と噂されるこの妖しい男は、一体何者なのか? オペラ座の歌姫クリスティーヌに恋をしたために、ラウラはこの怪異に巻き込まれる。そして、運命の夜、歌姫とラウルは、まるで導かれるように、恐ろしい事件に飲み込まれていく――。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

複雑な人間関係と深い愛の物語が展開される中、主人公エリックの苦悩が印象的に描かれています。物語は徐々に謎が解かれていく構成で、淡々とした語り口が終盤に迫る切迫感を際立たせます。オペラ座の舞台裏という独...

感想・レビュー・書評

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  • 実際にこのような事があったんじゃないかと思ってしまう物語

  • オスカー映画にて。2時間21分を続けて5回観るくらい面白かった最高の映画だったが、横恋慕男の大癇癪がこんなに耽美でこんなに面白いのかと衝撃を受けた。めちゃくちゃ名作。

    映画は、「美しい芸術を永遠に追求する孤独」と「愛する人の家族として生きる団欒」のどちらを選ぶか?を描いている。
    主人公のクリスティーヌは私達であり、私達はクリスティーヌであった。

    仕事と出産、趣味と恋人。
    クリスティーヌが迫られている選択は私達が日頃常に迫られている選択であり、クリスティーヌの迷いは私達の迷いであった。
    クリスティーヌが 芸術を選ぶか/愛を選ぶか? 才能を選ぶか/凡庸を選ぶか? を見ることを通して、私達はもう一度自分自身のその思い出を通っていく。
    「芸術と愛」を比喩的に「怪人とラウル」で表現している作品であった。

    クリスティーヌを脅しながら音楽と孤独を与えた怪人
    クリスティーヌに寄り添い自由と安心を与えたラウル
    どちらが"クリスティーヌ"を愛しているかは明らかであったが、同時に、どちらがより"クリスティーヌ"という才能を輝かせられるかもまた明らかであった。

    だからこそクリスティーヌは迷っていた。
    怪人とラウルには人間性の差が大いにあり、後から考えるともはや迷う余地などないと思われるのだが、クリスティーヌは劇中、何度も迷う。

    「私と分かち合って たったひとつの愛 たった一度の人生を」

    何と人生を分かち合うか。これは作品のテーマであると思う。
    芸術や才能を諦めきれずに何度も葛藤するクリスティーヌは本当に等身大に感じる。他人事には感じられない悩みだし、だからこそ自分の気持ちを押し付けて彼女の話を聞こうともしない怪人ではなく、彼女の不安も葛藤も全て受け止めて抱きしめてくれたラウルを選ぶのは至極真っ当であると思う。

    オペラ座の地下に何年も住みつき、どれだけの芸術や、数えきれないほどの愛の物語に触れてきてもなお、自身の中にある愛を正しく表現できなかったことに対して、怪人に哀れみを覚える。

    ただ、個人的には、クリスティーヌは怪人とラウルのどちらを選んだとしても、それなりに幸せになったのではないかと思う。
    そもそもどちらを選んでも、本来正解であるはずなのである。
    それは私達が才能の道と愛の道、どちらを選んだとしても正解であるのと同じように。

    怪人のキモさがなければ本作はもっと難しく、あるいは終焉しない物語になっていただろう。

  • 今までなんとなくストーリーは知っていたけれど、改めて読むと…「こんなに面白かったのか!」と感嘆。


    謎が投げ掛けられ、徐々に解かれていくストーリー。テンポよく読めます。うわ、オペラ座いきたい(笑)

    「きっと私も誰かに愛されれば、優しくなれるのだ!」と叫ぶエリック…
    エリックの苦しみ…醜さゆえに、未だ見ぬ愛に憧れ、求め、狂っていく…

    今はまだエリック目線でしか読めてないけど、また数年後に読むとクリスティーナ目線で読めるかな?

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「クリスティーナ目線で読めるかな?」
      読めるようになると思いますヨ。
      私は絶えず感情移入する対象が変りましたから(浮気者って言わないで)・・...
      「クリスティーナ目線で読めるかな?」
      読めるようになると思いますヨ。
      私は絶えず感情移入する対象が変りましたから(浮気者って言わないで)・・・
      2012/05/29
    • hinasayoさん
      コメントありがとうございます!嬉しいです・・・
      そんなに面白いんですか!
      私も、面白そうと思って買ったものの、海外文学で、しかも長そうだ...
      コメントありがとうございます!嬉しいです・・・
      そんなに面白いんですか!
      私も、面白そうと思って買ったものの、海外文学で、しかも長そうだなー、と思っていて、つい手が伸びずにいます・・・
      レビューを見て、何だか面白そうと思えました。今度ぜひ読みたいです!
      2012/07/04
  • ミュージカルを観てきたので、原作を読みたくなったために購入。
    翻訳本でもあるし淡々と物語が進んでいくが、終盤に進むにつれてその淡々とした文章だからこそ切迫感が現れてくるのがかなり印象的だった。
    作中のトリックなど不可解なところはまだあるので、一回読んだだけでは理解できそうになかったが、読み返す価値は十分にあると思われる。
    オペラ座、そこで起きた事件、噂されている物語を題材にこれ程の作品を生み出すことができる才能は圧巻。

  •  怪奇小説として有名で、映画にも舞台にもなった有名作品。
     ダリオ・アルジェント版の映画版(怪人が美形で残酷描写が結構ある少女漫画みたいなアレンジ版)を初めて見て,その後に小説の方を読みました。
     情熱的なのか、詩的なのか、感嘆的な表現を多用した文章なので何がなにやらよく分からないうちに、話が進んでいくように読めました。物語的にはラウル子爵の言動、クリスティーネ・ダーエの対応がどうにももやもやしたものを抱きました
    。むしろこれらの人物よりも,怪人や終盤の主人公とも言うべきペルシャ人の方が印象に残りました。何ともいえない不可思議な雰囲気は、確かに一読の価値があると思っています。

  • 「だれかに愛してもらいさえすれば、私だって優しくなれるんだ!」という怪人の言葉に全てが詰まっていて、最後ペルシャ人にクリスティーヌとの事を語る怪人の様子に少しの安堵と切なさを感じた。

  • 原作は確かに怪奇伝。
    だけれど、この物語をよく、ロイド=ウェバーはあんなに美しいラブストーリーに仕立てることかできたものだと
    心から感嘆する。

    原作を読んでエリック(ファントム)がどういう人物だったのか深めることができた。
    人間の優しさに涙を流したエリックは生まれ変われたのではないかと思う。

  • 2021/8/7

    『オペラ座の怪人』の「怪人」は人間社会から疎外されており、彼は何度も人間に悪事を働く。しかし彼の悪事の淵源は、彼自身の悪ではなく、人間社会にある。そもそも彼がオペラ座の地下に住み始めたのは、自身の醜い姿が人間社会に認められなかったためであり、孤独を強いられた上、人を愛することも叶わなかった。そんな中現れたクリスティーヌ・ダーエに彼は恋い焦がれ、自分のテリトリーに連れ去ってしまう。

    たしかに人を連れ去ることは側から見れば悪事であるが、彼の内面に潜む悲哀に思いを馳せれば、仕方ないとも思えてしまう。

    これはメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』に登場する「怪物」の境遇と非常に似ている。「怪物」は人間によって作られるが、その姿は醜く、好意を持った人に近づいた途端、逃げられてしまう。つまり、彼は人間社会から隔絶される。そのため彼は創造主に恨みを持ち、その周囲の人々を次々に殺していく。

    これはフィクションの話に止まらない。
    この現実世界にも、疎外された人間は多く存在する。そういう人たちが「怪人」や「怪物」のような存在にならない社会を構築していく役割が政治だと思う。

  • 何度繰り返し読んだことか

  • 劇場で劇団四季の『オペラ座の怪人』を観た後で原作を読んでみました。
    ついでに『25周年記念公演inロンドン』のDVDも観た後に。
    オペラと原作は異なる箇所がかなりあります。
    でもそれは多々あること。
    ボリュームとしても原作の方があるので仕方無いですね。
    『怪人=悪役』かもしれませんが、なぜか怪人に惹かれてしまいます。
    原作でも同様でした。
    不運な人生の怪人は世界中でファンが多いのではないでしょうか。

  • ブロードウェイの思い出に読み始めた一冊。映画、演劇とは違い小説ではストーリーの全体像を知ることができる上、怪人の描かれ方が異なる点も興味深い。何より、小説ではエリックという名前がついている。怪人のグロテスクさと悲しさを描くことができるのが小説というメディアの強みなのだけど、クリスティーヌの心の揺らぎも、ラウル子爵の未熟さも描き出すところにも、面白さがあるというべきだろう。

    怪人は超自然の力を駆使する幽霊ではなく、ある生い立ちを背負った一個の人間である。そう定義したところに、19世紀人らしいガストン・ルルーの矜持が覗く。一方で、20世紀以降にこの話を演劇・映画にした人々はその辺をむしろ曖昧にしているところもまた、面白い。

  • 映画と舞台から入って読みました。どこに盛り上がりがあるかよくわからず、ダラダラと続く小説だなーというのが第一印象。古典だから余計そう思うんだろうな。
    これを読むと、舞台や映画がいかにこの小説を元に綺麗に纏められているかが良くわかりました。時間を置いて、また読んでみようと思います。

  • 以前映画を見たことがあったのとフィギュアスケートでたくさんの人がこの曲で踊ってたので読んでみた
    映画ではどうしてもぶつ切りなのが小説では丹念に描いてあってなるほどこういうストーリーだったのかと思った。
    でもちょっと古い小説のせいなのか途中中だるみするのと
    「オペラ座」の舞台裏で起こる事件だから文章だけではわかりずらい写実的な表現があって映画を見た後にこれを読んで正解だったように思う

  • ・怪人、どんだけ歌うまいのよ!!(笑)

    ・はじめ、出てくる奴が全員ワガママ&自分勝手すぎて、「やっぱフランス人とは仲良くなれない!」と思いながら(笑)読んでた。

    ・でも、そのエゴイストな人物たちが、この物語を通して、終盤、ほんの少し、相手にふっっと思いを添わせる。。。真意はわからない。上辺だけなのかもしれない。その一瞬だけなのかもわからない。わからないくらい、かすかな描写。

    ・でも、わずかばかりの思いやりを感じたエリックは、嬉しくて嬉しくて、ホッとして、そのまま自殺してしまう。

    ・孤独が癒されたとたん、エリックには、横暴に振る舞う快感を得つづけたいという怪人的欲望が、ちっとも湧き出てこなくなった。ライバルを殺してでも手に入れたいクリスティーヌが、永遠に自分のもとに来ないとわかったのに、心が満ち足りている。その焦り、混乱。

    ・僕のさみしさを思い計って欲しいという、ほんとうの渇きが癒された後、、、手当たり次第の暴挙をやめ、別の生き方をはじめるには、エリックはあまりに疲れすぎていた。もう、無理だったんだ。

    ・幸せになりたい、満ち足りたい、その境い目に立ち往生し、生きる力の迸り先を見失った人に、どう手を差し伸べたら良いかわからない。悲しいな、と思った。

  • あらすじは知っていたはずなのに、あれ?こんな話だったんだと思った。地下室のシーンが結構好き。ラストは結構せつないなぁ。2011/017

  • ミュージカルでお馴染み。
    ある新聞記者が、オペラ座にまつわる怪奇現象と、それに関わった人々の数奇な運命を調査し、真実を明らかにしていく形式をとっている。
    壮大な推理物として読むこともできるが、怪人とクリスティーヌ、ラウルの悲恋として読むこともできる、まさに怪奇ロマン。
    恋愛は心の投げ合い。取り損ねれば粉々に砕ける脆いもの。理解がなければ始まらない危険な遊び。でも、ちゃんと投げれば、必ず相手は受けとめてくれる。
    怪人の心はその投げ合いに耐えきれないほど繊細で純粋だった。

  • 映画化や舞台化もされているけれど、ドキュメンタリータッチで描かれるこの原作が一番気に入っている。
    ファントムが生身の人間だからこそ恐ろしく、史実と前置きされているからこそ惹きつけられる。

  • ●フランスの小説

    2日で一気読みした。

    こうゆう、実際にありましたな体の小説おもしろくて好きだな。
    映画のイメージがかなり強い状態で読み始めたけど、それを払拭できる内容だった。
    濃かった。

    怪人が映画よりもかなり危ない人なんだけど、やっぱり私は怪人が好き。

    歪んだ天才。

  • 映画化されて話題になった原作の文庫本。自分が持ってるものはこの表紙じゃなかった。
    読んでみたけど難しい……怪人は結局なんだったのかわからずじまい……。



    というわけで2度目の読破に挑戦。
    今度はやっと話が理解できた。1度目のときは精神的に子供だったんだ(え

    最初のうちは怪人の行為がすべて魔術とかそういう類のものに見えて、これってファンタジー小説だったっけ……と読み進めるうち、怪人の手先の器用さと頭の回転のよさが浮き彫りになってくる。これは、ノンフィクションであってもおかしくない話なんだと。

    怪人はいろいろあってイカレてるんだけど、最後の最後に救いがあるところがよかった。

    クリスティーヌは序盤、頭が弱い残念な子っていう印象が強すぎるんだけど、最後の怪人とのイベント(というか)には、彼女がいい子であることがわかります。
    ラウルもラウルである意味直情一直線の残念な子であることは間違いない(笑


    よし、ちゃんと読めた(はず


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著者プロフィール

Gaston Leroux(1868-1927)
パリ生まれ。「最後の連載小説家」と称されるベル・エポック期の人気作家。大学卒業後弁護士となるが、まもなくジャーナリストに転身。1894年、《ル・マタン》紙に入社し司法記者となり、のちにこの日刊紙の名物記者となる。評判を呼んだ『黄色い部屋の謎』(1907年)を発表した年にル・マタン社を辞し、小説家として独り立ちする。〈ルールタビーユ〉〈シェリ=ビビ〉シリーズの他、『オペラ座の怪人』(1910年)、『バラオー』(1911年)等のヒット作がある。その作品の多くは、演劇、映画、ミュージカル、BDなど、多岐にわたって翻案されている。

「2022年 『シェリ=ビビの最初の冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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