マイ・アメリカン・ジャーニー“コリン・パウエル自伝”―統合参謀本部議長時代編 (角川文庫)

制作 : Colin L. Powell  Joseph E. Persico  鈴木 主税 
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042874034

作品紹介・あらすじ

米陸軍総軍司令部の最高司令官、次いで統合参謀本部議長に就任したパウエルに心の休まる時はなかった。フセインのクウェート侵攻に始まった、イラクとの息詰まる長く険しい戦い-世界が米国の一挙一動に注目した湾岸戦争を指揮することになる。クリントン政権誕生と共にその職務を退役するまでの、報道では窺い知ることのできなかった秘話を綴った統合参謀本部議長時代を収録し、自伝ついに完結。

感想・レビュー・書評

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  • 2001年(底本1995年)刊行。全3巻中第3巻。◆パパブッシュ期からクリントン政権までの統合参謀本部議長時代。そして退役へ。◇米軍パナマ侵攻、湾岸戦争と硝煙臭漂う時代を叙述。◆自叙伝は事象のクロスリファレンスに有益。例えば著者は湾岸戦争につきボブ・ウッドワード著「司令官たち」の叙述を批判的に叙述するが、かかる役割が著名人・政治家の自叙伝にはあるのだろう。◇そんな観点で見ると①黒人出自ながら相当出世した著者の受けた差別。②ベトナム従軍記。③カーター政権下のイラン米国大使館人質事件の内幕。④米ソ核軍縮交渉。
    特に、ゴルバチョフの出現が、米国制服組・反共主義者に与えたカルチャーショックが生々しい。⑤湾岸戦争他、パパブッシュ政権下での米軍軍事行動の裏面。就中、サウジへの配慮(とくにイスラム教国としてのアイデンティティへの慎重な考慮)。これらが焦点をあわせるべきものなのだろう。

  • 全三巻に及ぶ長大な自伝だが、キャリアの頂点といえるブッシュSr政権での湾岸戦争のほぼ完璧な勝利を最後に軍を引退するあたりで終わっていて、この後ブッシュJr政権で国務長官として「大量破壊兵器をイラクが開発している」というウソ情報を国連の場で発表して泥沼のイラク戦争に引き込まれる皮肉な展開については書かれていない。もし改めて補筆版を書くとしたらどうなっただろうか、というか自伝を書く気になっただろうかと意地の悪いことを考えてしまう。

    とはいえ、ベトナム戦争でブービートラップにひっかかり重傷を負うあたりの読んでいて飛び上がるくらい痛そうな記述、入院中に読む本が「心は淋しい狩人」だったりする知性や人となりを思わせるくだり、軍人として判断を下すのに必要な情報を四割まで集めるまでは我慢し、七割を過ぎたら手遅れになるから決断しなくてはいけない、といった経験からくる13のルールなど啓発本とはまた違う説得力がある。

    よき軍人というのはどういうものか、少なくともどういう存在でなくてはいけないか、と考える上で大いに資するところがあった。軍人イコール軍国主義者ではまったくないのだ。

  • 統合参謀本部議長として湾岸戦争を指揮した時期が中心となる下巻。

    この本によると、湾岸戦争はヴェトナム時代の経験やワインバーガーの下で働いた時の経験からなるパウエル・ドクトリンの実践の場であることが読み取れます。

    実際、湾岸戦争には勝利をし、パウエルの考え方は有効性を持ち得る、と証明されたと思いますが、著作中の描写を見ていると、こんな作戦を同時に2ヶ所、3ヶ所とやるような事態に陥った場合、かなり窮地に追い込まれるのではないか、と思ってしまいました。

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