ショコラ (角川文庫)

制作 : 松尾 たいこ  Joanne Harris  那波 かおり 
  • 角川書店
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本棚登録 : 483
レビュー : 66
  • Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042906018

作品紹介・あらすじ

フランスのはずれの小さな村に、町から町へと放浪を続けている、謎めいた女性ヴィアンヌとその娘アヌークがやってきた。古いしきたりに囚われないこの不思議な母娘は早速、教会の近くにチョコレートの店を開く。村人たちが見たこともない色鮮やかなチョコに溢れる店内。そしてなぜか彼女の薦めるチョコは、それぞれの口にぴたりとあった。その甘くほろ苦い、至福のひととき。固く閉ざされていた村人たちの心はゆっくりと解きほぐされ、これまで忘れていた、人生を愛する喜びを取り戻してゆくのだが…。読む人すべてを幸せにしてしまう、とびきり美味な極上の寓話。

感想・レビュー・書評

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  • フランスの片田舎のなんてことない日常が描かれているのだけど、それぞれの人の心の中の罪の意識をさりげなく表した意外に重たい内容。それがさらりと書かれているのでホットチョコレートのようにすんなりと読み手の中に沁みていく。
    くせのある登場人物もいるものの、それぞれに温かみを感じられる、いい話だと思う。

  • ブクログの談話室でこの本を知ることができた。

    謝肉祭のカーニバルの風にのってやってきた親子が、古い因習にとらわれた田舎町でチョコレート屋を開き、イースターの復活祭までの四旬節を町の人々と過ごす話。
    キリスト教の知識が全くなくても面白く読めた。訳文が読みやすい。

    親から受けた「呪い」のような愛情、憎しみ、因縁から人々が自由になっていく様子がおもしろかった。
    黒い男として描かれる死の予兆から逃げずに立ち向かうヴィアンヌと、死に囚われたレノー神父が交互に語るスタイルの文章なので、全ての事象が描かれているわけではないあたりが創造力をかきたてられる。
    ヴィアンヌはさらわれてきた子なのかもしれないし、昔ジプシーの船に火を付けたのはレノーなのかもしれない。ヴィアンヌやアヌークは本当に魔法が使えるのかもしれない。全てを書ききらないあたりが、生活の中にちょっとだけ潜むささやかな魔法を信じられるような気分にさせられる。ただ話のオチは少し弱く感じた。
    そしてポールマリーミュスカは自業自得とはいえあまりにも哀れだった。レノー少年に放火の罪を着せられて苦しんで育ち、ジョゼフィーヌに逃げられて、自身も放火の罪に手を染め、最後には村を追われる・・・・。
    カロリーヌ・クレルモンも言葉や接し方が悪いだけで母親の病気を慮っていたのに、宴会のあげくアルマンドに死なれてしまって少しかわいそうだった。
    悪人として描かれた人物は幸せになれない話だった、のかもしれない。

  • 舞台はフランスの田舎町。
    そこへ、ヴィアンヌという女性がアヌークという娘を連れて移り住んできます。
    彼女は教会の近くにチョコレートの店を開き、
    次第に住民たちに受け入れられて交流を深めていきます。
    けれど、神父のレノーは彼女を受け入れることができません。
    彼女がその町の秩序を乱すのではないかと警戒しています。
    それでも、神父という立場上彼女のことを気遣うふりをしながらも、
    監視するようなまなざしで見続けます。

    物語はヴィアンヌの視点と、レノーの視点で描かれます。
    現在進行形の町での出来事を描写するだけでなく、
    ヴィアンヌ、レノーの過去にも触れながら進んで行くので、
    とても深い小説だなぁと思いました。
    母親とともに世界各地を渡り歩いてきたヴィアンヌは、
    レノーのいうキリストの教えに馴染めません。
    ヴィアンヌの店に来る住民たちもその教えを受けながら
    けれど、その教えを守ることが正しいのかということに悩んでいます。
    そういうやりとりを見ていると、幸せってなんだろうなと思います。

    そして全てが終わる結末で、その悩みは消えてなくなり、
    爽やかな風を感じながらほっとするような気分でした。
    もちろん、出て来るチョコがおいしそうで、
    想像するだけでとても幸せな気分になります。
    手元にチョコを置いて、実際にカカオの香りが漂うところで読んでいたら、
    きっともっと幸せな気分です。
    チョコはやっぱり幸せのもとですね。

  • 何度読んだことでしょう。ボロボロすぎてギリギリ本の形とどめてる感じ。伝統重んじるコチコチの村にやってきた親子がチョコレート屋さんを開く物語。謎めいてて魅力的な主人公の視点と、村を支配してる潔癖な神父が神に語りかける形とで、二つの視点から同時進行で語られる。警戒しながらも、チョコと主人公に魅入られる村人達の心の動きが好き。読んだ後は高級チョコむさぼりたくなる。映画もいいけど、本もいい。イメージ的にジュリエットビノシュではないんだけどなー

  • 映画の原作本。映画も素敵だけど、小説もとても素敵。『ショコラ』というタイトル通り、ショコラの店を開く主人公の魔女めいた女性が謎めいていて魅力的。それに、これでもか~というぐらい出てくるショコラの描写がまた美味しそう。ストーリーは映画と同じで、ただキャラクターひとりひとりが深く描かれているので、映画を見た後でじっくりと思い出しながら読むのがおすすめかも。
    ただし、映画版でジョニー・デップが演じた男性と主人公の関係は若干違うので、その辺りは注意が必要でしょう。

  • 映画は見ていたのだけれども、友人に「原作の方が良い。フランスに行く前に読みなさい」と勧められ、読んでみた。けっこう映画と違うのね。そして、たしかに原作の方が良い。司祭とヴィアンヌの一人称が交互に続くのもおもしろい。特にラストは映画はハリウッド的にまとめられていたけれども、原作の方がほろ苦くて良いかな。フランスの小さな田舎町の風景が目に浮かび、清々しさとほろ苦さが同居する素敵な1冊というかんじ。(2003 Jul)

  • ハルストレーム監督による映画を先に見た後、原作であるこの本を読んだ。小説は映画よりももっと苦い味わい。ヴィアンヌと母の境遇、神父(映画では伯爵)の過去の罪など、映画からは取り去られた、重さや暗さの部分を知って、よりこの物語が好きになった。もっとも、映画の方が良くないというのではなくて、よくできたおとぎばなしとして、こちらも好き。ヴィアンヌ、アルマンド、ジョゼフィーヌ等、役者さんが小説のイメージにぴったりだった。

  • いいね。

  • 映画が大好きだったので原作を手に取ってみた。
    映画より登場人物の背景が複雑で重い。
    かつ、映画ではとても上手くアレンジされていたと、改めて感じた。

    しかし、主人公が最後に新しい命を宿しているというのは、いささか強引すぎないか。

  • 映画を見たので。小さな町にやってきた親子がショコラパティスリーを開く。そこでおきる小さな奇跡の物語。

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