K‐19 (角川文庫)

制作 : 秋山 信雄  Peter Huchthausen  楠木 成文 
  • 角川書店
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本棚登録 : 18
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042913016

作品紹介・あらすじ

世界なんて一瞬で終わる…。冷戦時代の際限ない軍拡競争が、沈黙の海の底に末曾有の怖恐を引き起こした。一九六一年、旧ソヴィエト連邦が極秘に開発した原子力潜水艦K‐19は過酷なミッションをともなう処女航海へと出港する。しかし当時の乗組員たちは、艦搭載の高度な核弾頭技術にくらべたら、素人同然の放射能対策しかとっていなかった…。きしむ潜水艦のなかで突然襲いかかる原子炉暴発のパニック!仲間たち、そして自分にふりかかる死の予感。極限の状況下で男たちは何を考えるのか。

感想・レビュー・書評

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  • 鉄のカーテンで覆われていた時代の原子力潜水艦事故の物語。
    米国との軍拡競争で実現困難なスケジュールと粗悪な原子炉、劣悪な環境で目的を達成するために乗組員のさまざまな葛藤が描写されている。
    本書については史実とは若干異なる様だが、いわゆる重大事故を引き起こした原子力潜水艦がいかに多かったのか驚くかもしれない。

  • 1961年、ソ連の原子力潜水艦が放射能漏れ事故を起こした。
    この実際の事故を元にし、ハリウッドで製作された映画が「K-19(監督キャスリン・ビグロー、主演ハリソン・フォード)」であり、その小説版が本書。
    映画で語られている以上の内容はほとんどない、と感じた。
    映画自体が非常に緊迫感をはらんだ名作なので、この本を読むなら素直に映画を見たほうがいいと思う。
    映画が2002年当時に製作されたものだからか、本書における放射能や原子炉に関する知見は決して高いとはいい難い。
    現在なら「放射線」と記すべきと思われる箇所を「放射能」としている点や、原子炉冷却に至る過程、被曝した兵隊たちの描写など、首をかしげるようなところもチラホラ。
    放射線の強さや種類、核種など専門的なことも一切語られない。

    個人的に、原子力関係の事故に関しては並々ならぬ関心を持っている。
    これは、先の東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故が起こる前から、個人的に興味を持っていた。
    K-19はもちろん、デーモンコアやウラル核惨事、東海村臨界事故、チェルノブイリ原発事故、スリーマイル島のメルトダウン、ゴイアニア被曝事故などなど、めぼしい被曝関連の情報をネットで読み漁っていた。
    K-19の放射能漏れ事故は実際に起こったことだが、ソ連という閉鎖的な環境のためか、実際に何が起こり、どうなったのか細かいところまでは公開されていない、ようだ。
    Wikiによると、事故に対応した技術仕官と下士官8名は高レベルの一次被曝により、8名が1週間以内に死亡したそうだ。
    その被曝線量は個人差もあったとは思われるが、およそ45シーベルト。
    たしか、5シーベルトを越すと半数の人間が、7シーベルトを越すと全ての人間が死に至る、くらいのレベルだったはず。
    ちなみに、日本でも東海村臨界事故が起きているが、このとき最も強い放射線を浴びたOさんが受けた放射線は16~20シーベルトといわれている。
    もう一人は推定6~10シーベルト。両名ともお亡くなりになられた。
    この事故の際に直接被曝した作業員は三名で、最後の一人は1~4.5シーベルトの被曝をしたといわれている。
    この三人目の方は、後に症状が回復し退院した。が、今どうなっているのかはネットで知ることはできない。
    話が少々脱線したが、何が言いたいかというと、実話に勝るドラマはない。
    本書はあくまでも「実話を元にしたフィクション」であり、実際のK-19がどんな事故を起こし、どのように対処したのかは正確に伝わっているわけではない。
    きっと、本書や映画K-19を遥かに上回る、緊迫した、しかし無味乾燥なドラマが起こっていたのだろうと、そう思う。

  • 原子力潜水艦の危機を描いた映画の原作。
    冷戦時代のソビエト海軍の劣悪な状況は、本当に恐ろしい。
    今も原子炉や核燃料処理の問題は残っており、核の恐怖は消え去っていない。

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