ウェルベル・コレクション I 蟻 (角川文庫 ウ 19-1 ウェルベル・コレクション 1)
- KADOKAWA (2003年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042915010
感想・レビュー・書評
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フランスの三部作ですが第一作のこれが一番完成度が高いです。
ある孤独な研究家の書いた百科事典と
その家族の住む家には入った人間が誰一人でてこない地下へと続く穴があり、
それとは全く関係ないように見える、蟻塚の蟻たちの戦争。
3つの線が同時進行しながら進んで、最後にはひとつの驚異的な結末が待っています。
科学小説として読むもよし、ミステリーとして読むもよし、
何回読んでも飽きない隠れた名作です。
蟻の描写だけでも素晴らしいです、文庫になりましたのでぜひご一読を。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登録は文庫版だが、実際の読了は、
ジャンニ・コミュニケーションズの単行本版上・下巻。
登録不可能らしいので、文庫版の登録にて代用する。 -
うーんこの本はある意味攻撃的な本である
蟻の生態を借りて 社会組織論 思想 言語 宗教論 情報統制の在り様を記述した
社会原理論であると思う。
どこまでが真実の蟻の生理・蟻の行動を学問的に論証しているのかは不明確ではあるが
SFという位置づけなので そこは言及しません。
言語のセンシングと此処で述べている蟻の社会文化構成論と複雑系選択論は理解できる
ただ 蟻の社会を近代日本に照らし合わせて説明しているのは如何なものかと思う。
日本を描写している箇所を引用する。
”島国の民族である日本人は、何世紀にも渡って、自給自足の習慣を持っていました。
彼らにとって、世界は二つに分かれています。すなわち日本人と非日本人。”
なるほど。
”彼らの死生観は我々のものとは違います。日本では、、個人の死は。あまり大きな重要性を持ちません。
彼らが気にしている事は、物を生産する人間がすくなくなるという事のほうです。死になれる為には。日本人は、
戦いの技術を追求をすることを好みます。剣道が低学年から教えられています。”
正しいんじゃないの 今の現代の日本人には当てはまらない。?いや現在の日本の家庭崩壊はその延長?
”かかがんでいる男が両手で短刀を自分の腹に向けています。{技師的な自殺です。切腹は日本の文化のもう一つの側面ですが、
これを理解するのは大変難しい事です。・・・・・」。
ウェルベルは蟻を通して、彼が思い描く日本人を現してその特異性社会を近未来に蟻(昆虫)日本人と欧米文化のコミュニケーション
そして闘争論を描こうとしていたのだと思う。
非常に興味深い本です。
ただもし日本の国粋主義者がこれをよんだら いや 対極の左よりの人間もこの本の内容を知れば、一定のアレルギー反応を持つはずなのですが。
その手の人たちはまだ読んでいないようですw -
これはいったい!
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子供ができたら読ませたい本No.1!
これを読んでアリに自分はハマりました。3部作の1作目ですが、これがおそらくシリーズ最高でしょう。アリの生態を描写してるだけでこんなに面白いなんてっ!