新訳 ピノッキオの冒険 (角川文庫)

制作 : Carlo Collodi  大岡 玲 
  • 角川書店 (2003年2月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042916017

新訳 ピノッキオの冒険 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ◆あゝピノッキオ! 楽な方楽しい方に流されて、反省も態度にあらわす前に過去のものになっちゃって、どこまでもうちのムスコみたい >_< …と読み進めてきたけれど。あれ?あれ?ひょっとしたらこれは私みたい⁈(笑) ◆人の弱さがコミカルに、うっかりすると他人事みたいに笑いとばせるほど軽いタッチで描き出されている。◆そんな自分の弱さから堕落していくのをとめてくれるのは、やっぱり大切な家族の存在。夜空に輝く目当ての星。◆訳:大岡玲 イラストは牧野千穂。ぼんやりとした素朴なピノッキオ。人間未満の感じがよく出ている。

  • 梨といえば、連想するのが、『ピノッキオの冒険』だ。木切れから人形になって間もないピノッキオが空腹を訴えて、作り主のジェッペットから彼の朝飯用だった3個の梨を差し出され、最初は皮と芯は食べないといいながら、あとになって全部食べてしまう場面は、忘れられない。

    忘れられない場面は、『ピノッキオの冒険』には沢山ある。気ままで、無責任で、率直で、変に素直で、無鉄砲なピノッキオは子供がその子供らしさで大人を惹きつける類の特徴を悉く備えていることが、大人になって再読した今、よくわかる。

    自分が子供だったときに読んだ『ピノッキオの冒険』は、何か恐ろしい物語として印象づけられた。死んだ少女であるかのような仙女の初登場の仕方は異様だし、ピノッキオをペテンにかけるネコとキツネは嫌らしい。ロバになったまま死んでしまうトウシンはあまりにも悲惨、フカの腹の中でジェッペットと再会するピノッキオの運命は数奇すぎる……。

    最近のファンタジーものが何か抽象的で、社会背景もおぼろげな中で、主人公が正体のはっきりしない敵を相手にむやみに戦うのに比べ、『ピノッキオの冒険』は具体的だ。社会背景も、大人や子供が抱える困難もくっきりと描かれていて、ピノッキオの行動が招く神秘や奇怪や美の場面を背後からがっちりと支えている。

  • サメだったのか!

    数十年ぶりに読んで、一番驚いたこと。
    クジラだとばかり思い込んでいたのだが、訳の違いか記憶の誤りか…
    文庫ながら、小さなイラストがすてきでした。

  • 読友お二人の推薦本。子供向けの抄訳版ではなく、完訳版を読むのは初めてだ。芥川賞作家の大岡玲の訳文。読むのに時間はかからないが、思っていたよりはずっと長編。内容的には単純なお伽話ではなく、随所に苦みが散りばめられていたり、時には残酷であったりもする。ピノッキオは、子どもの持つある種の本質をシンボリックに表現したものだろうが、それはどちらかというと負の側面である。結末は明るく肯定的に終わってはいるが、それでも抜け殻となったあやつり人形は、どこか不気味さを漂わせているようだ。

  • はじめに書かれたときは15章で終わっていて、「悪い子は結局こうなるんだよ。おしまい。」と、童話によくある救いのない結末だったそうです。

    これでもかというくらいの不良のピノッキオに、読んでいるうちに「そっちに行ってはだめよ!」「目の届くところにいてちょうだい」「何回言わせたら気が済むの!」と、親であるかのような気分になる。だから嫌いにもなれず、ピノッキオと一緒に心を痛める。

    牛乳のためにつらい仕事に堪えるピノッキオが、はじめに服を売って教科書を買ったジェッペットじいさんと重なった。
    子どもが、昔してもらったことを自分もしてあげられるように成長する、という話には弱いです。
    童話とは思えないくらい心にのこった。

  •  ディズニーのアニメで衝撃を受け、オリジナルを読んでみた。1883年に書かれたイタリア童話の名作。作者のコッローディ氏は学校の教科書も執筆していたそうだから、多分に教育指導的目的からこの寓話は創作されたものと想像される。実に説教話のにほひがぷんぷん。子供たちを一堂に集めて朗読会など開き、「はい、こんな悪い子になっちゃいけませんよぅ」、と悪ガキどもを諭すような仕掛けがわんさか。ピノッキオがことごとく引っかかる悪への誘いに、「ピノッキオ~! ダメだよ~! 悪いお友達について行っちゃぁ!」と叫ぶ児童たちの姿が目に浮かぶ。まさにドリフにおける、「志村~! うしろ!うしろ~!!」状態だったのではと想像する。
    (続きはブログで)http://syousanokioku.at.webry.info/200908/article_5.html

  • つい最近まで、ピノッキオの原作はディズニーだと思ってた。
    イタリアの子ども新聞で、3年間連載された人気小説だったんだって。

    原作に金魚と猫はいなかった。

    ハメルンの大量誘拐事件が起きたのは1300年頃。
    この話が連載されていたのはそれより500年後のことだけれど、当時のイタリアも子どもの誘拐とか多かったのかな?とピノッキオとろうそくの芯が連れ去られたシーンを見て思った。実際、どうだったんだろう。

    クジャクって、自分に見とれるの? p.46

    私も人間の子になりたい。

  • 芥川賞作家の大岡玲の訳。児童文学の古典ですが、トーンが寂しげで大人向けでした。物語は子供の頃読んだのとは違い、貧しさ、悪い動物、不良少年、詐欺まがいで儲けている大人、死がありました。最後は救われますし、本書のイラストがぼんわりとして柔らかい雰囲気がまた合っていました。

  • じつは「ピノキオ」をきちんと読むのは今回が初めて。
    子ども向けの翻訳版もディズニーの映画もしっかり見た記憶がない。

    新聞の連載をまとめた話なので若干矛盾があったりするけど、「これって子ども向け?」と思ってしまうエピソードもいくつか。

    最後にピノキオはいい子になって人間になりました、めでたしめでたし、という話ではないことは確かだ。
    登場人物も怪しい人ばかりだし、当時の世情に対する皮肉なんかもはいっているんだろうな。

  • Original title:Le Avventure di Pinocchio.
    純真な操り人形が周りの人達の誘惑に負けては改心し、最後には人間の男の子になるお話です。
    Desney作品でしか知らなかったので、
    おじいさんに木で作られた人形、サメか大きい生き物におじいさんとのみ込まれて何とか脱出して人間の男の子になるとしか覚えていませんでした。

    まさか、人間になるまでこんなにも沢山の困難があったとは。
    章の始めに章毎の粗筋が描いていて、どんな風になるのかとワクワクして読んだせいか、
    1日であっという間に楽しく読めました!

    青い髪の仙女様とおじいさんとの再会は感動ものでした。

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