女王フアナ (角川文庫)

制作 : Jos´e Luis Olaizola  宮崎 真紀 
  • 角川書店 (2004年2月発売)
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  • レビュー :9
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042936015

作品紹介

時は大航海時代。イサベル女王の次女フアナは、政略によりハプスブルク家王子フェリペのもとへ嫁いだ。若く、見目麗しい二人は激しく恋に落ちる。子に恵まれ、幸せな家庭が育まれたのも束の間、歴史は不幸にも彼女を悲劇へと導いてゆく-。母の死、父の策略、夫の私欲と浮気…激動する世相のなか、フアナは妻と女王の狭間で翻弄され、夫を深く愛するがゆえに精神を病んでしまう。狂女王と呼ばれ、城に幽閉されてもなお女王として気高く君臨したフアナ。数々の逸話を残す伝説の女王の知られざる生涯を、スペイン屈指の作家が描く衝撃の伝記。

女王フアナ (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 狂女王フアナ・ラ・ロカとして名高い女性の伝記。
    スペインを統一したイサベル女王とフェルナンド王の娘。
    ハプスブルグ家の王子で美男で知られた18歳のブルゴーニュ公フィリップと1496年に16歳で結婚し、数年は最高に幸せになったが…
    兄姉とその子が死んだためにスペインの相続権が回ってくる。
    母はカスティーリャ女王のまま、父はアラゴン王のまま、結婚しての共同統治だったので、カスティーリャの相続権は父ではなく娘にあったのだ。
    夫婦でスペインを訪問した後、危険を避けるために、夫と一緒の帰国を許されなかった1年半の辛い時期。
    夫の女遊びへの嫉妬の苦しみ。
    政治の実権を奪おうとする実父や夫や家臣達。
    その不安定さから感情を爆発させ、時にうつ状態になる。
    1506年、スペインに入場して正式に女王となるが、夫が疫病で急死。棺を連れて2年も荒野をさまよったという伝説で有名だが、これは主に疫病を避けての移動で、夫の蘇りを願った狂気の有様というのは作り話らしい。夫が希望したグラナダの王家の墓にはすぐ向かえない状況だったのだ。
    3歳の次男フェルディナンドと取り残され、翌年には末娘カタリーナを出産。実父はイタリアのナポリ攻略中。貴族達は私欲にかられて、カスティーリャは大混乱。権力争いの果てに、トルデシーリャス城に幽閉されたままになることに。
    1516年には父が亡くなるが、その事実も知らされなかった。
    民衆は親王的でフアナの狂気を嘘っぱちと思っていたので、名目上はフアナと息子カルロス1世の共同統治となる。
    1520年、息子カルロスに対する反乱軍に担ぎ上げられる。
    信頼する女官長が恋仲になったフランドル人を城主にしたいと願ったための混乱もあり、これは悲恋に終わる。
    当時どこの宮廷を見回しても類を見ないほどの美貌だったフアナ、若い頃にはにこやかで明るく、夫と愛し合い、10年の間に6人の健康な子を産んだという、王妃には稀な幸福があったのに。
    幽閉された城砦の管理人として高潔さで有名な人物エルナン・ドゥーケが派遣された時期2年間はかなり落ち着いていたとか。これってビュジョルドのファンタジーのモデルですね。そのまんまじゃないけど、モチーフが。
    ドラマチックな生涯です。
    フアナの家族の中で、兄姉は若くして亡くなり、妹カタリーナはヘンリー8世に離婚されている。ポルトガルに嫁いだ妹と、フアナの末娘だけは幸福な結婚をしたらしい。

  • 小説かと思ったら、伝記。
    ごちゃごちゃした書き方ゆえ、巻末に要約。
    本書の成立や著者についての言及ないので、解説とはいえぬ。
    狂女というほどではない。
    ファナティックの語源というはウソ?
    帝国と属州ではなく、複数の王国の王さまを兼ねるのは無理。
    フランドル人は強欲で奔放、スペイン人は信仰深く貧乏。
    ラス・カサスは、司祭服を着てはいても、裕福な農場主だった。
    ドミニコ会士の説教を聞いたのが1511年、のちに回心。
    財産をなげうって、エンコミエンダの不正を説いてまわった。
    フェルナンドに謁見し、不正を改める約束を取り付けるも、まもなく崩御。
    歴史のイフ、フアナ一行4600人がフランドルではなく新大陸に渡っていたら、南北両大陸ともスペイン語圏になっていただろう。

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  • 狂気は愛しすぎたための罰だったのか?  しかし、正気では不実な男を愛せる筈もない──。

    大航海時代のスペイン。カソリック両王(カスティーリャ女王イザベル・アラゴン王フェルナンド)の次女として誕生したフアナは116歳でハプスプルク家の嫡男フェリペのもとへと嫁ぐ。
    政略結婚にも関わらず、若く美しい2人は一目で恋に落ち、子供にも恵まれるが、それもつかの間。
    やがて歴史は彼女を悲劇へと導いてゆく。
    母の死、父の裏切り、夫の度重なる浮気と宮廷の陰謀が激動の時代に妻として、女王として生きるフアナの精神を引き裂いてしまう――。


    夫の死後46年に渡って幽閉され、スペイン国王となった長男カール5世にすら忘れ去られながらも、国民から敬愛を込めて“狂女フアナ”と呼ばれた伝説の女王の生涯。

  • 歴史って面白い。

  • 表紙が写真なのは何でだろ、と思ったら、映画化作品なのでした。扉にも一頁カラー口絵(映画のスチル)有り。小説かと思ったら、一般向け歴史読み物だった。
    イザベルとフェルディナンドの娘で狂女王と呼ばれたフアナについて、時代背景も交えて解説してある。

  • [図書館]
    読了:2010/9/7

    「狂女王フアナ」と重複するエピソードもいくつかあった。
    ・フアナとフィリップ美公の結婚の際、地元の司祭が「2人がその年齢に達していて、妨げるものが何もないならば、私の役目は彼らを結婚させることだ」といい結婚の儀式を執り行った
    ・フアナの兄フアン王子がマルガレーテとの結婚のために体調をくずしたとき、イサベル女王が「神が決めたものを、人の力で離すことはできない」と語った

    フィリップ美公が亡くなるのは本の中盤。
    その前後のフアナの言動は、精神が不均衡になっていることもあってか凄みがある。


    Wikipediaより。ほぼ同じエピソードがあった。
    『カレー海峡付近で嵐に遭った折、当時の習慣によって同乗させていた売春婦たちを、積荷と共に海に流そうとしたとき、フアナは「足手まといを海に捨てなければいけないのならば、まずはこの女達を食い物にした殿方から始めましょう。それに彼女達を船に乗せた者どもも。もちろんその点では公爵殿下(フィリップ)も言い訳は許されません。なぜなら今私たちは、悪事を働いた者であれば、それが王であろうと平民であろうと等しく罰を下される方に慈悲を乞おうとしているのですから」と言い放った』

    フアナを幽閉する直前、父フェルナンド王は放心したようなフアナの姿にさすがに哀れに思い、「これも全て王家を守るため、そなたとカルロスをよき王・女王とするためなのだ」となだめた。
    しかしフアナはこの言葉にふと正気を取り戻すと父をきっと見上げ、「よき王になるためなら、父親失格でもかまわないということですね?」と言い放った。
    このフアナの言葉はフェルナンドの心に突き刺さり、生涯その痛みを忘れられなかったという。



    全体的に文章は読みやすく、前半は興味深いエピソードがたくさんある。
    が、後半の章は蛇足、もしくはページ数の水増しのため書いたか?とさえ思える。フアナは脇役で、トルデシーリャス城主エルナン・デューケのエピソードなどにページが費やされる。とても退屈で、この辺りはさっと読み流してしまった。


    あと、解説がやっつけ仕事もいいところ。

  • Fue interesante!!!!

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