ペギー・スー(2) 蜃気楼の国へ飛ぶ (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042951025

感想・レビュー・書評

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  • ペギー・スーシリーズの第二巻。
    ペギーたちは父親の職業の都合で砂漠の飛行場に住むことに。そこには蜃気楼が度々あらわれて、子供たちを浚っていくという。

     ペギー・スーのシリーズはもともと1、2巻を持っていて既読でした(1、2巻の感想は再読時のもの)。これを機に古本屋を巡って(新品を見つけることができず、電子書籍も未発売のようでした)全巻揃えたので、今後は少しずつそれらを読み進めようと考えています。

     1巻で得た相棒「青い犬」を連れたペギーが砂漠の飛行場で、そして蜃気楼の世界で奮闘します。新たに出会うセバスチャンとの冒険は危険と誘惑に満ちていて最後までハラハラしきりです。

     1巻に比べて著者の主張は弱め。どちらかというと児童文学寄りに修正されたのが2巻と言えるかもしれません。蜃気楼の世界では甘い雲や、食べても満腹にならないお菓子たち、鳥や人魚に変身できる貸衣装などポップで色鮮やかな描写が展開されます。後半になるにつれて、1巻で見たような少しダークな展開に……。

     個人的には1巻のイデオロギー的な書き方の方が好みでした。2巻の内容にイデオロギーを見出すとすれば、「うまい話には裏があるよ」ということや「すべての物語がハッピーエンドではないんだよ」ということになるかもしれません。それを踏まえたとしても、1巻の強烈なインパクトからはやや見劣りしてしまいますが、どちらにせよシリーズ物ですから、今後に活きてくる展開があることを期待しています。
     余談ですが、今回は「見えざる者」の登場シーンが極端に少なかったですね。青い犬が皮肉屋なのに忠実で、そんなところが好きです。

  • 面白かった。でも、ペギーの特殊能力、「〈見えざるもの〉が見える・倒せる」っていうのが全然活かされてなーい!蜃気楼の中では、フツーのひとになっちゃったし……

  • 青い犬の相棒感が増している。一作目の厳かな言葉遣いが好きだったけど、これはこれで。

  • スリルと不思議感あふれる未体験ファンタジー、文庫化第2弾!!
    魔法の瞳でお化けを退治するペギーがやってきた砂漠の町。孤独に耐えられなくなった人々が、次々と不気味な蜃気楼に消えてゆくらしい。相棒・青い犬と共に、危険な蜃気楼の国へとペギー。今度の敵は巨大な悪魔…!?

  • 想像力が必要だと思った。こういうものを読むときって無意識に頭に思い浮かべているんだけど、途中で分からなくなるときがある(笑)欲望に負けた人間ほど怖いものはない。こちらが本当のことを言っても全く耳を傾けてくれない。しかも青い犬まで。犬が人間になったときの哀れさ。あれが本当に望んだ姿だったのかと。当の本人は気づいていないよう様子だったけれど。夢の中にいた代償はすごく大きいと思う。嫌なことを後回しにして楽しいことをしている時間っていうのは、幸せでしかない。最後にきちんと償われていてよかった。楽しいだけでは、生きられない。

  • 仲間に青い犬を加えて、ペギーがまたまた冒険。
    前作に比べてファンタジー色が強くさらっと読めます。

    普通ではありえない(ファンタジー作品だから、そりゃそうなんだけど)ことなんだけど、
    この作家は表現がウマイ!
    見たことが無い生き物も想像しやすい描写になっており
    それが読者を物語りに引き込むのだと思います。

    前作(★4つ)に比べて、一つ少ない理由は
    1作目で鮮烈だったメッセージ性が少なかったから。

  • 「ペギー・スー」シリーズ第2弾。
    今度はイケメンが出てきたりと砂漠が舞台です。1巻に登場した青い犬も引き続き登場。
    今回もやっぱり楽しめましたが、この巻から男の子も出てくるようになり、1巻よりも面白かったです。

  • なんだかとっても好きなのが二巻

  • 随分前に一巻を読んだので、細部までは覚えていなかったのですが、青い犬が好きだったのは確かです。

    フランスの児童書でホラーと言うか何と言うか、奇想天外な事件に巻き込まれる少女が主人公のお話です。大人気シリーズなんですけど。

    何て言うか、ダレン・シャンとか、チョコレート工場の秘密とか、残酷な中でのブラックユーモアの利かせ方が似てますね。

    子どもはこのハチャメチャ具合が好きかも知れませんね。でも日本人とは感覚がやっぱり違うかも。

    頭の固い大人が読むと、どうしても矛盾やら説明的な台詞やら、都合が良すぎる展開やらが引っ掛かるんですよね。

    一度も誰も成功したことが無い、誰も敵地から帰ってきた者がいないのに、どうしてそんなこと知ってるの?とか、さっきそれをしたら世界が崩壊するって言ってたのにいつの間にそれが目標になったの?とか。

    そして呪いのせいとは言え、登場人物たちがいちいち性格が悪い。イライラさせられました。

    ロマンスに関しても移入できないし。前触れもなく突然に、って感じでした。若いから現実にはままあることでしょうけど、小説なんだからそこはドラマがあってもいいじゃない、と思ってしまう。

    蜃気楼の世界では現実世界と時間の流れが違うはずなのに帰って来た時は都合良く同じ時間軸だったり。

    悶々もやもやし通しでした。

    大人になってしまうとこうなっちゃうんですかねえ。

    眠る悪魔に関しては千ちひの坊を連想せずにはいられませんでした。

    取り敢えず、青い犬だけは可愛かったです。

  • ペギー・スー2作目。

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著者プロフィール

1951年、フランスパリ生まれの人気SF作家、推理小説。
母親の精神障害のせいで不遇な幼年時代を送る。80年に発表した『病める都市の断面図』でフランスSF大賞を受賞。81年の『深淵に種蒔く人々』でアポロ賞受賞。その後SFのジャンルを超えて、幻想小説、ミステリー、歴史小説にも進出し、94年に発表した『真夜中の犬』でフランス冒険小説大賞を受賞。2000年からはサン=ジェルマン出版のマスク双書の編集主任も務める。
2001年から刊行したジュニア向けファンタジー『ペギー・スー』シリーズは30ヶ国語に翻訳された。
2010年代に入っても『エージェント13』シリーズなど数多くの作品を発表してい る。

「2017年 『闇夜にさまよう女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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