ペギー・スー(3) 幸福を運ぶ魔法の蝶 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042951032

感想・レビュー・書評

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  • ペギー・スー シリーズ3巻目です。
    前回、蜃気楼の騒動で出会ったセバスチャンを連れて、ペギーは祖母の家へ。そこで繰り広げられる、上へ下への大騒動はやはり想像力の限界を超えてダイナミックに展開します。

     個人的には1>3>2の順にお気に入りです。1は高いメッセージ性があって、ホラーとファンタジーの融合のような感じがするから(個人的な思い入れのある話でもあります)。2巻の蜃気楼より今作の方が好みだったのは、始終砂漠描写の2が想像していて辛かったから、なのかもしれません。
     青い犬という相棒はそのままに、ペギーはとうとうある真実を知りますが、この急展開も今作が楽しいと思える理由でしょう。
     今作から感じ取ったテーマは「植物だって食べられたくないんだなあ」です(読めばご理解いただけると思います)。
     大人だって、「ここではないどこかへ行ってしまいたい。」(p.330)訳者あとがきに大きく、うんうんと頷きました。

  • 奇妙な辺境の村、シャカ・カンダレク。
    この村は400年もの歳月を生きた巨大な蝶が空を舞い、唯一その影を地に落とす場所。
    蝶の落とす影の中では、最高の幸福が手に入るー。

    異常なまでの落雷に見舞われるこの地域で、それでも人々が去っていかないのは
    蝶の運ぶ幸福の味を知ってしまったから。

    ファンタジー色の強まった
    ペギー・スーシリーズ第3巻。

    ***
    今回は恐さ控えめ。
    このくらいの方が軽くて読みやすいかも^ ^
    話のメインではないけれど、
    毎夜築かれては崩れるのを繰り返すお城が個人的にはとても印象的でした。

  • 二巻よりはサクサク読めました。
    でもド頭にプロローグみたいな感じでネタバレがあったので、中盤それを主人公が発見する件が拍子抜け。あれは何故ああしてしまったのか。謎です。

    まあその事件は前振り、みたいな形になっていたのでさほど重要では無いかも知れませんが、今回も気になる矛盾やら説明的台詞やらがわっさわっさありました(┳◇┳)

    何であんたがそれ知ってるの?逆に何であんたがそれ知らないの?青い犬のテレパシーはどこまで筒抜けなの?みたいな感じです。

    ストーリーに集中できなくなってしまう程そう言うのが多いんですよ・・・

    そもそもこの作品は娯楽作品であって、別にストーリーとか無いようなものかも知れませんが。

    推理ミステリーみたいな感じでも無いんですよね。謎はたくさん出てきますが、それが伏線として読者に何らかの推理をさせるか、と言うとそうでもなく唐突にズバズバ都合良く解決していく。

    やはり娯楽作品ですね。

    前振りの事件が片付いた後の事件、もう一つの課題、更に締めくくり。

    なんて言うか、パワーバランスよろしく無いような気がしてなりません。尻すぼみ。呆気ない。デクレシェンド。

    神秘的な蝶がテレパシーとは言え言葉を発するのも神秘性が落ちる気がします。

    もっと与えられる幸福にしがみついていたって点について人間的膨らませ方もあったでしょうに・・・
    外面だけ触れて、根本的解決には至っていないように思います。

    それにしてもオチがあっけなかった。

    巻末の番外編はいらないと思います。

  • ペギー・スー3作目。

  • 見えざるものの正体 まさかの…

  • シリーズ全般がそうだけど、人間がバカで怖い(泣)

  • すぐ貸してくれるのが、とっても有り難いです。3冊目。

    変な魔法の使える国に行かされて、雷の力を蓄えた林檎を取って、「幸福を運ぶ魔法の蝶」のために、雲の上のお化けと戦って、蝶を追って地中深い蝶の世界に入り…みたいな。そんな感じ。作品を追うごとに、冒険フィールドの数が増え、大きくなっていっているような気がしますね。

    主人公含むまさかの三角関係(犬入れたら四角形)になってしまって驚いた。
    でも、そういう年齢向けに書かれているからだろうけど、ペギーが大人な分、同年代(として描かれている)男の子たちはまだ幼い感じがして、やきもきしました。小5~中2くらいにかけては、どうしても女の子の方が早く大人になりますね。いたしかたない。

    とっても面白かったです。いつもズイズイ読み進められる。

    主人公たちの手に汗握る冒険…よりは、自分のために蝶を追い傷付ける大人たちの描写の方が重かった。なんか、身勝手だよね。悲しい気持ちになりました。1冊目からそうだけれど、この話には余りマトモな大人が出てこないよね。だから子供が輝くんだろうけどね。

    もうちょっと頑張れ大人。

  • 第1巻に比べるとだいぶ読みやすくなってきた。
    ペギーも年頃の女の子なので、
    一緒に純粋にハラハラドキドキというよりは、
    「はいはい、私がやるしかないんでしょ」的な
    大人な諦めが垣間見られる。

    ちょっと盛り込み過ぎて、
    『見えざる者』との戦いが不完全燃焼。
    いいの?ねぇ、その終わり方で。と言いたくなる。
    ヨーロッパの子供はこれで満足するんだろうか。


    とは言いつつも、続きは気になる。
    次回本屋さんで出会ったら第4巻を購入しよう。

  • 図書館。

    雲の上に行ったかと思ったら、地下にもぐったり、
    ペギー今回も大忙し。
    おばあちゃんはシリーズ初の人間の味方になってくれそうで、ちょっとほっとした。

    火口の骸骨はマルマのコッヒーを思い出した。
    チョウチョ復活の呪文には笑った。

  • 6番目
    最後がウダウダなような面白いような

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著者プロフィール

1951年、フランスパリ生まれの人気SF作家、推理小説。
母親の精神障害のせいで不遇な幼年時代を送る。80年に発表した『病める都市の断面図』でフランスSF大賞を受賞。81年の『深淵に種蒔く人々』でアポロ賞受賞。その後SFのジャンルを超えて、幻想小説、ミステリー、歴史小説にも進出し、94年に発表した『真夜中の犬』でフランス冒険小説大賞を受賞。2000年からはサン=ジェルマン出版のマスク双書の編集主任も務める。
2001年から刊行したジュニア向けファンタジー『ペギー・スー』シリーズは30ヶ国語に翻訳された。
2010年代に入っても『エージェント13』シリーズなど数多くの作品を発表してい る。

「2017年 『闇夜にさまよう女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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