壜の中の手記 (角川文庫)

  • 角川書店 (2006年11月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784042961017

作品紹介・あらすじ

アンブローズ・ビアスの失踪という文学史上最大の謎を題材に不気味なファンタジーを創造し、アメリカ探偵作家クラブ賞を受賞した表題作をはじめ、異色作家の奇想とねじれたユーモアが充ち満ちた傑作集。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

奇妙で不気味な世界観が広がる短編集で、読者は一度ページを開くと現実に戻れなくなる魅力を体験します。静かな狂気がじわりと心に浸透し、作品を通じて人間の深層に触れる感覚が味わえます。特に印象的な作品には、...

感想・レビュー・書評

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  • 奇妙で、不気味で、皮肉に満ちたカーシュワールド。
    一度ページを開けば、現実に戻って来れない…
    そんな魅惑的な世界。
     

    『壜の中の手記』ジェラルド・カーシュ

    無垢で静かな狂気が、じわりと肌に入り込んでくる。

    カーシュの作品を読む時に感じるのは、
    ただ淡々と、冷たい水が足元から満ちてくるように
    気づけばもう、逃げ場がない…あの感覚。

    とても静かに、人間の「底」に触れてくる短編集だった。



    今回、特に心を掴まれたのはこの3編。

    『豚の島の女王』
    手足のない美女。醜いが優しい巨人。二人の小人。
    4人だけの閉ざされた歪な世界と、ゆっくりと訪れる崩壊。

    手記から明かされる真実が痛ましく、
    ラストの静けさは、むしろ残酷さを際立たせる。
     

    『壜の中の手記』
    実在の作家アンブローズ・ビアスの
    失踪事件を下敷きにした物語。

    メキシコ中南部で見つかった壜から、
    ビアス直筆の古文書が発見され…
    その内容は、異様に静かな狂気に満ちている。

    宮沢賢治『注文の多い料理店』を思わせる寓話性があり、
    これがめちゃくちゃ好き。
     

    『ねじくれた骨』
    人喰いワニの住む河、
    人の皮を剥ぐインディオの住む密林に囲まれた刑務所。
    脱出の鍵を手にした主人公は、友人にそれを託してしまう。

    その結末に待つのは、「自由」とは何かを問い直す皮肉。
    読み終えたあと、しばらく呆然となってしまった…



    ジェラルド・カーシュの恐ろしさは、
    人間が壊れる瞬間を決して大げさに書かないところにある。

    悪趣味で、残酷で、時に悪魔的。
    それでもどこか神話のように静かで、美しいのだ…!

    カーシュは、どこまでもカーシュの世界。
    そしてまた他の短編も読みたくなってしまう。

  • 短編集。
    何の予備知識もなく買った本が大当たり。
    ホラーのようなミステリのような、SFのような、独特の雰囲気。
    若干の読みにくさはあるけど、それ以上に面白い。
    表題作の他、「豚の島の女王」「凍れる美女」「骨のない人間」「ブライトンの怪物」「死こそわが同志」と好きな作品ばかり。
    インパクトのある結末が魅力のSF短編、「骨のない人間」が個人的ベスト。

  • ■「豚の島の女王」は、ぼくがアンソロジーを編むなら絶対に載せてやろうと勝手に決めこんでる傑作短編小説。これだけは奇譚の作家ジェラルド・カーシュの中でも破格の出来だ!
    ■「壜の中の手記」……アイデアは、アンブローズ・ビアス失踪事件の真相、無尽蔵に金(gold)を持つ”古い一族の長”との邂逅、不思議なカタチの喘息治療器具、ロバだけが危険地帯を通り抜けられるということ。
    ■「破滅の種子」……即興のホラ話を駆使してガラクタを売りつける骨董品屋。ひとつの指輪にほどこされた売り口上が秀逸。その指輪がめぐりめぐって――。
    ■「時計収集家の王」……読んでて、オチはきっと”となりで相槌をうつ妻のミナも実はカラクリ人形だった”ってなことになるんだろうなぁと思って読んでたら、……普通の人間なんかぁ~~い!

  • 短編、奇譚、


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    <blockquote>ビアスの失踪という米文学史上最大のミステリを題材に不気味なファンタジーを創造、エドガー賞に輝いた「壜の中の手記」、無人島で発見された奇怪な白骨に秘められた哀しくも恐ろしい愛の物語「豚の島の女王」など途方もない奇想とねじれたユーモアに満ちた語り/騙りの天才カーシュの異色短篇集。「凍れる美女」「壁のない部屋で」の新訳2篇、「狂える花」ロング・ヴァージョンを収録した新編集版。 (内容紹介より)</blockquote>

     2002年に出た同題の晶文社ミステリの一冊の文庫版ですが、晶文社版には収録されていなかった「凍れる美女」、「壁のない部屋で」と「狂える花」の加筆版が収録されています。翻訳は西崎憲さん、駒月雅子さん、吉村満美子さん、若島正さんのベテラン四名が競っている。

    「豚の島の女王」
    「黄金の河」
    「ねじくれた骨」
    「凍れる美女」
    「骨のない人間」
    「壜の中の手記」
    「ブライトンの怪物」
    「破滅の種子」
    「壁のない部屋で」
    「時計収集家の王」
    「狂える花」
    「死こそわが同志」

  • 意外に拾い物だった。作品集なんだけど、山師のようないかがわしい男がよく登場する。作品自身も人をくったような不思議な話が多い。でも魅力的。私はハマった。

    以下気に入った作品
    『ブライトンの怪物』
    漁村で発見された人魚とされる男は実は……このオチは簡単には予想できないと思う(日本人としては複雑になるオチだけど)。二段階で驚かせてくれる。
    『破滅の種子』
    詐欺師まがいの古物商が呪いの指輪として売った宝石が人から人へ手渡っていくうちに……
    『時計収集家の王』
    時計狂いのニコラス3世に仕えていた時計技師が語る驚きの物語

  • 最高の短編集。
    気持ち悪くてわけわからないのに呑まれる。

  • はじめの3篇まではよかった。
    「豚の島の王女」「黄金の河」「ねじくれた骨」……けどそのあとはもう飽きちゃったね。

    だいたいの話が語り手が見たり聞いたりした不思議な話を読者に伝えるという構成。「語り」って言やァそら都合いいけど、描写じゃなくて説明のための説明って部分が多すぎる。

    「時計収集家の王」なんかは説明に夢中になって小説がおざなりになったいい例。舞台はきちっと作ったけど脚本はない、みたいな。

    要は中途半端なんだ!ぜんぶ。
    中にはSFっぽい話もあるけど、薄っぺらい。かといって切れ味のいいショートショートならもっと他のもん読むしっていう。原爆はいけませんなんて小説の最後に出てくるのはほんとサブい。

    それってぇとビアスはやっぱりスゴイ。
    ハッとするような描写があって、話そのものにグイグイ引っ張っていく力がある。

  • ロアルド・ダール劇場に出てきそうな不可思議な短篇集。ねじれた骨が個人的には面白かった。

  • いくつかの職を経て文筆生活に入り、
    多岐に渡るジャンルで活躍したというイギリスの作家の短編集。
    そんなバカな!
    と、ツッコミたくなる、人を食った法螺話の数々といった趣だが、
    情景をイメージすると背筋が寒くなるような巧さがある。
    怪力男の純愛が切ない「豚の島の女王」は、
    グロテスクだけどグッと胸が締め付けられるし、
    「凍れる美女」は、ちょっと夢野久作っぽくもあり――と、
    不気味にして魅惑的な世界。
    でも、あまり湿っぽくなくサラッとしているのが、また不思議。

  • 1話1話がおもしろすぎる。
    長編も読んでみたけど、そっちは微妙でした。
    短編が天才すぎる!

  • 奇想の作家だと思う。なんというか、まさに「物語!」といった感じの作品ばかり。

  • 裏表紙の解説にあるように、奇妙な話の詰まった短篇集だった。どこから発想が出てくるのだろう・・・。「途方もない奇想とねじれたユーモア」(裏表紙より)・・・まさにそのとおりだった。

  • 豚の島の女王が読みたくて購入。このほの暗い感じが本当に大好き

  • 黒い嗤いで包まれた奇想小説を集めた短編集。面白かった♪。伝聞形式で語られるホラ話が何処に着地するかのドキドキ感もたまらない。お気に入りは表題作と「時計収集家の王」。「骨のない人間」も捨てがたい。

  • 怪奇幻想のイメージで読んでたけど、SFの味も。奇妙な物語たち。展開が見えなくもないけど、面白かった!

  • 読みたいなー、と思っていたのがちょうど文庫化された。

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    ・・・とてもクセがあります。慣れてくると面白いと感じるようになってハマります。くどくどした架空のワケ分からない地名だのまぁ、そんな描写も多いのですがそれにも自然と慣れるでしょう。一つ一つの話はみな面白いと思う。よくそういうこと考えるよなーと。偏屈だよなーと。

  • 不気味で奇妙、そして不可思議な物語の短編集。どの作品も暗い魅了があります。自分は「豚の島の女王」が題名からして印象深し。「破滅の種子」も面白かった。

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著者プロフィール

イギリスの小説家。パン屋、ナイトクラブの用心棒、新聞記者などの職を転々としながら文筆生活に入り、幅広いジヤンルにまたがる夥しい作品を発表した。独創的なアイディアと特異なスタイルはエラリイ・クイーンやハーラン・エリスンなど目利き達も熱烈な賛辞を寄せている。

「2006年 『壜の中の手記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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