燃えるスカートの少女 (角川文庫)

制作 : 管 啓次郎 
  • KADOKAWA (2007年12月21日発売)
3.65
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  • 本棚登録 :1018
  • レビュー :120
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042968016

作品紹介・あらすじ

人間から逆進化してゆく恋人、戦争で唇を失いキスができない夫、父親が死んだ日に客たちとセックスする図書館員、火の手と氷の手をもつふたりの少女…想像と言葉の魔法を駆使して紡がれる、かつてない物語。不可解なのに現実的、暗く明るく、哀しくて愛おしい。そこから放たれる奇跡的な煌めきに、私たちはいつしか呑み込まれ、圧倒され、胸をつかまれる-。各国で絶賛された傑作短編集、待望の文庫化。

燃えるスカートの少女 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「人間だった最後の日、彼は世界を寂しいと思っていた」

    もしもこの短編集の始まりが、「思い出す人」じゃなかったら私はこの本を買わなかったと思う。それぐらいこの一編のもつ話の魅力が私にとっては大きかった。
    癒す人、指輪、燃えるスカートの少女…、ふしぎだけれど、話の中にぎゅっと胸をつかまれるような一行をみつけてしまい、忘れられない。おおきな意味があるような話じゃない。でも、忘られない短編がごっそり詰まってる、そんな本。

  • 女性が女性でいることの生き苦しさにばかり焦点をあてた作品や、それを表現するためにすぐセックスを持ち出す作品が好きではないのですが、この短篇集に登場する女性たちや、彼女たちがおこなう行為には、そういった限定された存在の孤独だけをいいつのる煩さはなく、彼女たちの行為をとおして、なにか遠くの美しいもの、手が届かないものへと祈りをささげるような、普遍的で、一途な雰囲気を感じ、その開かれた気配が、おごそかで、さびしくて、やさしいなあと思いました。

    えらんだ言葉を丁寧に縒り集めて、ここしかないという場所に当てはめていくさまは小川洋子の作品に似ていますが、くるくると入れ替わる幻想的なイメージの奔流に、いつしか自分はこの風景を夢で見たような、それをようやく思い出せたような、不思議な感覚もおぼえます。

    「マジパン」「癒す人」「無くした人」「ポーランド語で夢見る」が好きです。「癒す人」の、氷の手をもった少女と、炎の手をもった少女の物語が、まるでエヴァに出てくるレイとアスカみたいだと思いました。

  • 指でつつくと、さくっ、ふわっ、ととけてしまいそうな短編集。一粒一粒、甘くて苦い。

  • 圧倒的な世界観に満ち満ちた短篇集だった
    不思議な設定なのに、現実的で、寂しくて、暖かい。

    「思い出す人」より
    私の恋人が逆進化している、という書き出しからがっちり心を奪われた。

    個人的に「思い出す人」「癒す人」が好き

  • 寂しさを貴方と縫い合わせ愛と呼んだ。キスの雨で優しく包み込む、貴方が何者にも何処へも行かぬよう。
    ドレスを切り裂き縛られ鑑賞されたのは私の方ね。遊んで欲しい御人形。
    最上の柔らかさよりプラスチックの曲線を愛してる。貴方はたった一輪のクチナシの花だわと私は泣いた。
    頭の鼠は砂糖を齧りパパは今日もイライラしてる。彼はオリーヴの実。可愛くて怖いからクローゼットに閉まっておくの。岩を担いだ私は何度も呼ぶのよ。コンコンコン。音楽が流れ可燃性のスカートが揺れ動く。炎に包まれ踊り狂う。最初で最後のその一瞬に、少女は熱く紅い薔薇の情熱を魅せる。

  • 思い出す人/私の名前を呼んで/溝への忘れもの/ボウル/マジパン/どうかおしずかに/皮なし/フーガ/酔っぱらいのミミ/この娘をやっちゃえ/癒す人/無くした人/遺産/ポーランド語で夢見る/指輪/燃えるスカートの少女

  • いま読んでいます、気まぐれに。

    とても非現実的で、とても現実的な物語の数々。
    ちぎり絵みたいな書き方。
    不思議と感情移入ができる。

    言葉遊び、羅列がすきなので
    著者のほかの本も読むつもりです。

  • 不思議ワールドの短編集

  • 2016.08.26

  • 鮮烈で、軽やかで、儚い。踊るように歌うように言葉が紡がれていく作品集。少しついていけない話もありますが、孤独で愛おしくて、ぐっとこみあげてくるものがある。寓話的なものは読みやすい。『酔っ払いのミミ』『癒す人』が好きです。

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