夜はやさし(下) (角川文庫)

制作 : 谷口 陸男 
  • 角川グループパブリッシング
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042976028

感想・レビュー・書評

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  • フィッツジェラルドの儚い願いを託された一作。書くということで彼は浄化を求め、慰めを受けたかったに違いない。ディック博士のようなあっけない幕引きを望んで夢みて、物語に託した。
    失われていってしまったものへの哀惜。だけど、それはどこまでも自分だけのもので、誰に知らせることもできない。ただ、笑って波風立てぬよう過ごしていくより他ない。またしてもギャッツビーが現れる。優雅や気品さというものは、そうやって作り上げていくものだ。
    彼の文体がどこか断片的でとりとめのないように感じられるのは、思い出を壊したくなくて、バラバラに壊してしまった、そんな彼のやさしさゆえなのだと思う。子どもの大切にしまっておいた花や草・虫が、大切にするあまり色褪せて萎びてしまったのに似ている。そして、そんな残り滓なんていらないと、すべて粉々に砕いてしまいたくなる。
    彼にとっての慰めは、酒による酩酊と、書くということによってしか見いだせなかった。そんな彼を受け入れてくれるのは夜の闇のやわらかさだけだった。存在をくっきり浮き立たせる眩しい光より、存在が溶けて広がる闇を愛した、孤独な輝き。だが人生は虚構のようにはできていなかった。

  • 下巻のほうが転落ぶりが面白くってすぐ読めた。違う訳のものも読んでみたい。

  • 改訂版とオリジナル版があるが、先にこちらを読んだからかもしれないが、改訂版のほうが話の流れがなじんだ。とにかくストーリと描写のスムーズさに感激する。
    また、南仏は個人的に大好きな場所でなんども行っているので、時代は別として、そのイメージで読めるから、ますますのめり込む。何度でも読み返した1冊。

  • 村上春樹の影響で背伸びしてフィッツジェラルドを読んでるけど、1回読んだだけじゃ理解できないよー。自分の読書力の低さに嫌気がさす。2011/014

  • なんか、ローズマリーと出会ったあと うだうだぐずぐず しててなかなか話が進まない感じが、「この話ほんとにおもしろいんかい」って感じだったけど、すべて読み終えてみると、この人は自分をどうにかするための結論を出せなかった人なのかとふと思えてしまって、そこはかとない空しさを感じて、そこがよかった。やっぱりフィッツジェラルド。

  • かつてのエイブのようにアルコールに溺れ転落していく主人公のディック。田舎の貧乏牧師の息子が一流大学を出て、優秀な医師・研究者として身を立てるはずが、ニコルと出会って金持ちになり、アメリカを離れてヨーロッパをさ迷い、道を外れていく様子が怒涛の後半で描かれる。しかしディックが道を誤るきっかけになるスイスも、ローズマリーも、リヴィエラも、パリも、崩壊する妻のニコルでさえも、フィッツジェラルドの目に映ったそのままのように生き生きと描写され、対岸の光や遠くの窓の灯のように眩しく美しい。ディックの結末は胸が締め付けられるような思いで読んだ。

  • 俗物の崩れゆく様の、その美しさたるや

  • 俗物の崩れゆく様の、その美しさたるや

  • /?day=20060707


  •  すごい良いが消耗する。なんというか意識過剰なところが田舎くさい。ビヨンセ的な

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プロフィール

1896年ミネソタ生まれ。「失われた世代」の作家として知られる。大学在学中から小説を書きはじめ、『華麗なるギャツビー』を刊行後、一躍時代の寵児に。激しい恋の末、美貌のゼルダと結婚、贅をつくした生活を送るが、やがて転落の道を辿る。1940年心臓発作で逝去。

「2008年 『夜はやさし(上)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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