ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (角川文庫)

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本棚登録 : 640
感想 : 78
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042976035

作品紹介・あらすじ

老人として生まれ、若者へと時間を逆行して生きるベンジャミン・バトン。しかしその心は同世代の人間と変わらず、青春時代の苦悩や恋愛や結婚を経験し、戦争などの逆境に果敢に挑んでいく。不思議な人生を歩みつづける彼を、最後に待つものは…(「ベンジャミン・バトン」)。20世紀を代表する伝説的な作家による、ロマンあふれるファンタスティックな作品を集めた傑作選。

感想・レビュー・書評

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  • 先に映画を見てから読んだ。「ベンジャミン・バトン 数奇の人生」に関しては原作は非常にリアルだが、派手さのない内容であった。映画は巨額の費用でストーリーも派手に改編されて作っているからすごい出来だが、原作は文学としては良かったと思う。他の短編も虚無感を抱かせるものが多かった。推理系のミステリー短編もあるが、基本的には読後に虚無感を感じるようなものが多く、村上春樹に似てるものを感じた。

  • …人生は夢であると感じたことはないだろうか。

    老人の姿で生まれ、年を経るごとに若返っていくー。
    周りと逆行した人生を送った男の哀しく数奇な物語。

    ***
    いつかの話題作。
    深みをつければいくらでも哀しみや美しさを強調できそうな、人を感動させられそうな、そんな題材をもってしてその描き方はあまりに淡白。
    人生のどこかにスポットをあてることもなく、最初から最後までほぼ同じ速度でベンジャミンは若返り、その生涯を終えるのです。
    あっけなくて物足りなさを感じる反面、描きすぎていないところを素敵だとも思えたり。不思議ですね。
    私は、好きです。

  • 人生とは、始まりから始まっても、終わりから始まっても、損なわれていくもの。だからこそ愛おしい。

  • 初めて読んだフィッツジェラルド。純文学っぽいのより、ちょっとトンデモな設定の話の方が生き生きしてて好き。

  • 表紙の美しい文庫。ナイトホークス。うまくいっていないカップルを書かせたらフィッツジェラルドは最高ですね。

  • 「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
    老人の姿で生まれ、年を重ねるごとに若返っていき、赤ん坊の姿で亡くなる1人の男の物語。

    「レイモンドの謎」
    フィツジェラルドが13歳の時に書いたミステリー。ミステリーの完成度は低いけど、普通の中学生が書いたのなら、まずまず。

    「モコモコの朝」
    犬の目線で語られるある日の朝。

    「最後の美女」
    兵役で南部のある町に滞在した男が密かに想いを寄せる美女の恋愛遍歴。

    「ダンスパーティーの惨劇」
    主人公は家の都合で北部から南部に移住してきた少女。町の若者の中で唯一大学を出ているインテリア青年を好きになるが、彼には婚約者がいた。なので、町を出ようと決心した。

    町を出る2日前に開かれたダンスパーティーに参加した。そこで彼の婚約者が別の男とキスしている現場を目撃してしまう。パーティーもたけなわの頃、銃声が轟いた。彼の婚約者が射殺され、アリバイのない彼が容疑者として浮上するのだが…

    「異邦人」
    他人との付き合いが煩わしく、でも二人きりの生活も退屈して住まいをころころ帰る若い夫婦の話。

    「家具工房の外で」
    母親が買い物している間にふと見た景色から御伽噺を展開させる父親と幼い娘。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー
    個人的にダンスパーティーの惨劇が良かった。こちらはミステリーとしての組み立てもしっかりしていて犯人が誰か?だけでなく動機や殺害方法も納得の行くもの。

    異邦人はフィツジェラルド自身と妻のゼルダをモデルにしてるんじゃないかな?という気にさせられた。

    私もギャッツビーしか読んだことがないけど、純文学だけでなく、こういうエンタメも書いていたんだ!と新鮮な驚きがあった。

  • フィッツジェラルドのミステリーな作品、七篇。

    「ベンジャミン・バトン」
    ブラッド・ピットさん主演で映画化もされた作品。フィッツジェラルドの作品だったと知らなかった。しかも短編だったとは。
    老人の姿で生まれて赤ん坊の姿で死ぬ、数奇な運命に生きた男バトン。
    老人の姿といっても大きさは赤ん坊で、要するにシワのある赤ん坊と思っていたら、読んでみると老人が大人の大きさで生まれたようで、お母さんは産むときは大変だろうなと思った。産みの苦しみなんてものじゃない。
    老人とはいえ自分より大きいだろう男をお腹に入れていたわけで、どういうシステムでお腹に入っていられて出てこられたのだろうと思う。ちょっとしたツッコミどころではある。
    物語自体は淡々と残酷に進む。

    「モコモコの朝」
    少し怖いような作品の中ではかわいらしい作品。

    「最後の美女」
    「グレート・ギャツビー」に出てくるデイジーのような女性が出てくる。こういう女性は自分で自分の魅力に気づかず周囲を掻き回すタイプではなく、自分の魅力を十分あるいは過大に認識しているタイプで、計算された言動と態度で周囲を翻弄する。下手をすると痛々しい、友人なら苦笑して見守るようなひとだ。
    フィッツジェラルドはこういう華やかで男性を惑わせる小悪魔な女性が好きなのじゃないかなと思う。

    「異邦人」
    ラストで何となく恐怖を残す作品。

    他に「レイモンドの謎」「ダンス・パーティの惨劇」「家具工房の外で」が収められている。

    フィッツジェラルドは「グレート・ギャツビー」以外は余り知られておらず、どちらかというと私生活に注目のいく作家だったが、短編も面白く他の作品も探して読んでみたい。

  • 表題作のベンジャミンバトン。思った以上に短い物語だった。死ではない、生まれる前に戻る描写が奇妙で、でも納得できる気がした。フィッツジェラルドらしい作品は、ベンジャミンバトンよりも、やはり男女の哀しい物語かな?

  • 映画の方が、はるかに出来栄えが良いということもあるのだな。
    著者さんが、ヘミングウェイ時代の人だったとは知りませんでした。
    他の短篇もいくつか読んでみたけれど、オチもよくわからず、面白さが読み取れず残念でした(´-`)

  • 周りと違うと疎まれたり、必死に普通になろうとしたり…現代の日本人に似たものを感じた様な気がする。

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著者プロフィール

1896年ミネソタ生まれ。ヘミングウェイとともに「失われた世代」の作家として知られる。大学在学中から小説を書きはじめ、『グレート・ギャツビー』を刊行して一躍時代の寵児となる。激しい恋愛の末、美貌の女性ゼルダと結婚、贅をつくした生活を送る。しかし、夜ごとの饗宴を支えるため乱作をはじめ、次第に人気を失い、ハリウッドの台本書きへと転落の道を辿る。1940年、再起をかけて執筆していた『ラスト・タイクーン』が未完のまま、心臓発作で逝去。

「2022年 『グレート・ギャツビー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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