経度への挑戦 (角川文庫)

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レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042982081

作品紹介・あらすじ

時は18世紀。ヨーロッパ諸国では、「正確な経度を測ること」が科学上の最重要課題となっていた。大航海時代を経て海洋交易が賑わう一方で、幾多の命が海難事故で失われていた。1714年、英国議会は「実用的かつ有効な」経度測定方法の考案者に対し"国王の身代金"に相当する賞金を設定。天文学者たちは天体の運行から経度を求めようとするが、決定打とはならない。そんな中、1人の天才的な時計職人が名乗りを上げた-。

感想・レビュー・書評

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  • 孤高の挑戦者に敬服。

  • 天文学者は月の周期を記録するために十何年も記録を取り続け、時計職人は振動や寒暖差に負けないために何十年もかけて時計を作ります。

    小説ではないため淡白な描写ですし、もっと掘り下げた方が読み物としては面白いと思いますが、先駆者たちのとてつもない苦労は伝わってきます。

    小説的面白さを求めるなら『リリエンタールの末裔』の「幻のクロノメーター」をお勧めします。

    https://www.kakimemo.com/book-report-dava-sobel-longitrude/

  • 緯度と経度ってどっちが難しい?
    この本を読んでいなければ、こんな質問も何を小学生みたいなことかと切って捨ててしまっていたかもしれない。
    縦と横は人の視点の違いだが、右と左、上と下、東と西、そして緯度と経度には、世界の視点の違いが含まれている。

    東京の緯度経度も知らない自分でさえ、地球が球であることと赤道の概念さえ分かっていれば、自分なりの経度線を定義することはできる。
    一日かけて適当な木の棒の影の長さの推移を測り続け、1年かけて南へ歩き続け、1年後の同じ日に同じように計測した影の長さと比較する。
    赤道まで到達できなくとも、同じようにデータを集め続ければ、道に迷ったときも南北どのあたりにいるかの示しとすることはできるだろう。

    では経度はどうだろう。この時も基準となるのが太陽となることは変わらない。
    日の出の時間と日にちの比較を記録し続ければ、基準地点からどれぐらい東にいるかを検討付けることはできる。
    そう、時計さえあれば。

    現代ではどこの条文にも書いていないだろうと思われるほど誰もが当たり前に享受している、『現在時刻を知る権利』
    ほんの300年ほど前には誰も持っていなかった地点からの今日の進歩に、『経度の探索』が影響していたと知っている人はどれぐらいいるだろう。
    いわんや、そのために生き、そのために死んだ人々の人生なんて。

    もし今後、急に大航海時代に異世界転生してしまうことになった際は、なんとか本書と腕時計を掴んでいこう。
    たとえ時計の詳しい仕組みがわからなかったとしても、それを扱う人生というものの一端を、味わえるかもしれない。

  • 学がなくても、周りの助けがなくとも、熱意と試行錯誤があればやりようはいくらでもあるんだなと思えました。

  • 新書文庫

  • 緯度を計測するには北極星の高さを測る。経度を測るには時差を測る。そのためには正確な時計が必要。本書は航海用クロノメータを1700年台に最初に作ったジョン・ハリソンの伝記。独自の様々な工夫で飛躍的に時計の精度を向上させた。
    クロノメータ以外の方法として、太陽以外の天体のを時刻基準とする方法もある。最初に使われたのが木星の衛星の食、それ以外に月と天体の位置関係。木星の衛星の食の周期性は光速を求めるのにも使われたのが興味深い。

  • 緯度とちがって経度の測定には精確な時計が必要で、海上で経度をしることはスゥイフトなどの作品でも「あり得ない発明」として論じていたほどである。実際、18世紀でも大英帝国の付近で経度がわからないためにひどい海難事故が起こっていた。これに挑んだのが、プレーストリやハレーらの天文学者と時計職人たちである。本書は天文学者と時計職人の確執を活写していて、たいへん興味深い。結局、この問題にかけられた賞金(経度法による)を勝ち得たのは、ジョン・ハリソン、独学で時計づくりを学んだひとだった。

  • 原題:Longitude
    著者:Dava Sobel
    翻訳:藤井留美

  • 9784042982081 212p 2010・6・25 初版

  • 教員からのコメント:大航海時代、経度をはかる方法を見つけた時計職人の話です。

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