脳のなかの幽霊、ふたたび (角川文庫)

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レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042982166

作品紹介・あらすじ

詩人ランボーは母音に音を感じたという。それは詩的表現ではなく共感覚ではないか? 幻肢患者の鏡を使った治療で効果を得、世界を驚愕させた著者が、脳が演出する奇妙な現象を手掛かりに、さらなる謎に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 脳のなかの幽霊の内容をまとめたもの。新たな知見はないが、復習にはちょうどいい。

  • 面白いんだけど 記憶に残っていないので備忘録
    1)脳にクロス配線があり、数字に色がついて見える人がいる。
    2)脳はつじつまあわせをするため、半側空間無視の患者は鏡に映るペンを鏡の裏側にあると言う。
    3)芸術は脳のピークシフト(平均から離れた特徴を誇張する)が生む。進化の過程で生き延びるために芸術に反応ニューロンが活性化されたのではないか?
    4)脳のクロス配線(共感覚)は遺伝する。図形から音を想起する共感覚は皆が持っている。ギザギザな図形はキキ、丸い図形はブーパと思うのが例
    5)人間の進化を考慮した神経科学の理解が必要。指を動かそうとする前に脳は活性化している。

  • 前作と違って、最初から1冊の本としてまとめられたものではなく、5回の講演を5章として1冊にまとめたもの。
    そのため、章の最初で提示された内容とそれて話が展開して戻ってこなかったり、話が前後したり駆け足になって結論が分かりにくかったりする。

    どれも十分に興味深くて面白いが、少し分かりにくい部分があるのが残念。

  • 「サイエンス・ブック・トラベル」から。

  • 前作と重複する部分もあるが、本作の方が面白い。
    共感覚の箇所を読んでいて気が付いたが、自分にも似たような感覚がある。数字に温かさや冷たさを感じるのである。これも共感覚と言うのだろうか。基本的には、奇数は冷たく、偶数は温かい。特に1や7は突き刺さるようなイメージで冷たく、2、6、8は温かい。形状は勿論、奇数は2列に配置した場合に、1余るので、鋭く刺さる感覚があるのだ。例えば7だとこんな感じ。
    oooo
    ooo
    上の娘に話したら全く同感だと言っていたが、妻は全然理解出来ない様子であった。遺伝的要素が大きいのであろう。
    友人の中には、漢字と色が結びつく人もいる。和は紫色、真は黒色と言うのだ。明確な理由は良く分からない。

  • 脳の中の幽霊、脳の中の天使の両方を読んだ後で読んだため、内容が両作とオーバーラップしていて、新情報が少なくなって新鮮さが薄れてしまった。刊行順で読めばよかったと少し後悔。
    内容自体は相変わらず非常に面白いものであった。ラマチャンドラン氏の神経科学についての考えをおさらいするような形で読めた。やはり彼の研究は非常に面白い。

  • 原題「The Emerging Mind」。過去半世紀に渡ってイギリスの知的・文化的象徴であり、名立たる学者がその壇上で話すことになったリース講演を始めとしたいくつかの講演をまとめたもの。日本語のタイトルが示している様に多くが前著と重複しているのだが、本作では講演の内容を基にしてるだけあって種々の事例がより簡潔に示されている。それ以外にも脳とアートの関係について推測交じりながらより掘り下げられており、芸術や宗教的能力が脳の一部のモジュール部位に依存しているという話は興味深い。僕らの人格だって同じなんだよ。

  • 本書は,脳の働きや仕組みについての一般のひと向けの講演内容に基づいて書かれた本である。著者のラマチャンドラン博士は脳神経科学を専門とする研究者だ。脳の研究を一般の方がたにもっと身近に感じてもらえることを目指した(7頁)というだけあって,内容は興味深いだけでなくとてもわかりやすい。

    本書では稀な神経疾患がいくつも取り上げられている(相貌失認,カプグラ症候群,幻肢,半側空間無視など)。これらの神経疾患では,脳の一部になんらかの損傷や変化が生じたために,何かしらの機能が失われてしまっている。たとえば,側頭葉の紡錘状回が左右ともに損傷されると,それ以外の視覚はまったく正常なのに人の顔が認識できなくなる(=相貌失認,19頁)。このように神経疾患を詳しく調べることで,特定の脳の部位の機能を明らかにすることができる。

    本書ではさらに,芸術を生み出す神経機構についても推論的に議論されている(3章)。世界にはたくさんの芸術様式があるが,それらの芸術には文化の境界や様式を超えた10の普遍的な法則が存在するという(62,65-66頁)。そして,それらの芸術的普遍性を備えた芸術作品を創作したり鑑賞したりすることを好むように人間の脳が進化してきたと著者は論じている(82-83頁)。

    また,4章では,共感覚という現象が取り上げられている。共感覚とは数字を見たり音を聞いたりすると色が見えるという現象のことで,前著では触れられていなかったトピックだ。脳の中で,数字の領野と色の領野は隣り合っており,この領域同士の「クロス活性化」(97頁)が共感覚の原因であることを示す証拠があるらしい。さらに著者は,共感覚とメタファー(比喩)を作る能力との関係を指摘したうえで(105頁),共感覚的な感覚が言語の進化に対する原動力となったのかもしれないと論じている(110-112頁)。

    本書で取り上げられている神経疾患の多くは前著『脳のなかの幽霊』にも登場する。そのため,前著の読者にとっては本書を読むことはよい「復習」になるだろう。本書はとてもコンパクトな本であり,脳の仕組みや機能についての良い入門書となっている。ただし,それぞれのテーマについて多くのページが割かれているわけではないので,興味を持った各テーマについて,本書のあとに別の本へと読み進めると良いと思う。前著『脳のなかの幽霊』やオリヴァー・サックス『妻を帽子とまちがえた男』(ハヤカワノンフィクション文庫)がおすすめである。また,共感覚について関心があるひとはジョン・ハリソン『共感覚―もっとも奇妙な知覚世界』(新曜社)を読んでみるとよいだろう。

  • <a href="http://mediamarker.net/u/akasen/?asin=4042982115" target="_blank">前のやつ</a>の続編…。と思いきや、焼き直し。文量を大胆にスリム化していくらか足して、講演口調にしたもの。"ふたたび"とか付いてるが、むしろこちらから読んだほうが入りやすい。ならば前作を読んだ人は本書を読まなくてもいいのかと問われれば、そうではない。追記された"芸術と脳"に関する章は、一読の価値がある。
    本書を読むまで、芸術とはコンテキストなのだと思っていた。例えばピカソのキュビズム。一見して価値がわからない抽象画は、過去の写実主義などの積み重ね打ち破ってからこその評価なのであって、未開の地の原住民に見せても理解されないだろう。だからそんな"文脈"を勉強しないとわかんないような美しさなんて…。と、まるで興味がなかった。だが、違う。
    例えばデフォルメ。くちばしに赤い斑点がある親鳥に育てられた小鳥は、赤い線が3本入った黄色い棒に、本物よりも強く反応するようになる。同様に人間も、写実的なものをただ見るよりも、抽象的なものに意味を見出すときや、隠されたものを想像するときの方が脳が激しく反応する。
    もちろん美術品の評価に文的な影響が多大にあることは間違いないだろうが、芸術家はそんな多くの人の脳を刺激する抽象性を模索しているのだと考えると、なるほど納得できる。
    『脳のn%の領域はまだ解明されていない』なんてフィクションでよく聞くお題目であるが、こうして脳の反応領域が明かされていった先には、確かに今までと違う世界があるかもしれない。

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