新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

  • 角川書店 (2004年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (274ページ) / ISBN・EAN: 9784043083206

作品紹介・あらすじ

岩手県遠野は山に囲まれた隔絶の小天地で、民間伝承の宝庫であった。天狗、河童、山神楽などの伝説や怪異譚、日本狼の目撃譚や死者の弔い方――。かつての日本にあった豊かな自然と人々の暮らしを伝える、日本民俗学の金字塔。年譜、索引、遠野郷地図付き。
解説・折口信夫、大藤時彦、鶴見太郎

みんなの感想まとめ

日本の民話や伝説を豊かに織り交ぜたこの作品は、遠野という特異な地域に根ざした人々の体験を通じて、自然への敬意や生活の感謝を伝えています。著者は、民俗学の先駆者である柳田國男が、地元の語り部から直接聞き...

感想・レビュー・書評

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  • 常野物語「光の帝国」を読み、なるほど元ネタ遠野物語なんだ、タイトル聞いた事あるなァと思ったのがひとつ。
    次読んだ本が「始まりの木」で、民俗学の祖柳田國男と遠野物語が物語のキーになっていたのがふたつ。
    ここまで連続して登場されると気になるというもの。ご縁を感じて読んでみました。

    東北のとある地遠野にてその地に住む人々が体験した話を、柳田國男がまとめあげた物語。
    日本に伝わる民話の大元、というのが体感だった。自然に対する敬意だったり、人としての礼儀だったり。
    今よりよほど、生活に対する感謝があったんだなぁ。
    いつからかなんて分からないけど、近代化の波に呑まれて、だんだんなくなってしまっていただろうと感じる。
    この物語が今読めることに感謝。

  • ポッドキャスト【意訳・朗読】遠野物語全話 現代語訳を淡々と聞き流せるチャンネル いちばんよみやすい遠野物語
    を聞きつつKindleで原文を確認した。
    その後、三浦佑之、赤坂憲雄「遠野物語へようこそ」(ちくまプリマー新書)を読んだ上で、本書で読み直しと、「拾遺」を新たに読んだ。
    ん面白い!
    なんでも、増補版を出すつもりだったのに、柳田の想定を超える熱意で佐々木喜善が「聴耳草紙」を出してしまったので、やる気が削がれてしまった、みたいなことが、再販覚え書きや解説で述べられていて、ちょっと笑った。
    (実際「拾遺」編輯は鈴木棠三)

    まず、スマホ+音声との相違を体験談として書いておくと、本のカッチリした作りがやっぱり嬉しい。
    音と小さな画面だと、流れていく。
    に対し、本は自分の時間で、しがめる、かみしめられる。
    しかも、本文中に付された番号を、目次というか題目として、冒頭に抽出している。無印と拾遺を別々に。
    その上、巻末に無印と拾遺に対して合わさった索引があって、なんという充実。
    今はまだしていないが、題目を本文中の上の部分にメモして、索引の語句をマーカーで浮かび上がるようにしたら、完璧アレンジ本になりそう。
    ちなみにこの文庫を読んだあとに図書館で借りた、畑中章宏「関西弁で読む遠野物語」は、題目ごとに並んでいた(スケラッコ挿絵!!)。
    またついでに書いておくと、大和書房の「新装版 遠野物語」も図書館で借りて、谷川健一の解説を斜め読みしたが、なんとカバー絵はヒグチユウコ!!

    脱線したが、本文についてはトーシロが何か書くのも野暮なくらい、多くの作者の想像力の根っこになっているだろうし、研究書も山ほどあるから沼……いや森というべきか。
    京極夏彦の関連本は早々に読みたい。
    個人の感想として、無印に対して拾遺がクソつまらなかったら嫌だなと負の予断があったが、辛うじてそうはならなかった。
    例えば、17……「沢の蕗の葉にはことごとく小さな穴がある」、「そこの蕗の葉で間に合わせたまえ」……葉っぱをオナホにした、しかもチンコサイズのため小さな穴とか、
    また例えば、23……「昭和二年一月二十四日の朝九時頃には、この地方を始めて飛行機が飛んだ」とか、
    読んでよかった。

    が、やっぱり無印のほうの面白みはもう断トツで、それは切り口のひとつとしては、「雑多」ということかと。
    1910年当時の現在の聞き書きであるということ。
    作家志望であり民話蒐集家の佐々木喜善が、たぶん柳田國男を魅了する話しぶりで、自分の出身地近辺の知り合いや爺さん婆さんやらから聞いたことを、大いに語った。
    だから、そんな言葉はないが実質「又聞き書き」なのだ。
    ここで生じる、時間のラグ、というか、結果的な拡がりが、まずは魅力。
    いわゆる昔話(時間も空間も抽象化された)に「なりかけ」の風情に、インテリがエキゾチシズムを感じている構図ではあるが、遥か遥かの大昔ではなく、取材者の顔が見えるという点で、ナウである、しかもその証拠に実名書いちゃうよ、だからナウで間違いないでしょ、という姿勢。
    しかもそれを、切り口ふたつめとして、口語ではなく文語で記しているというところに、無印の魅力があると思った。
    【ゆっくり解説】柳田國男『遠野物語』ー民俗学の出発点となった、"戦慄"の物語!ー
    https://www.youtube.com/watch?v=JBlsxisOf8A
    でいくつか言及されていて、なるほどなと思ったのは、擬古文ならではの、助動詞の効果。
    文体で迫真性を出すということ。
    さらに考えたのは、擬古文だからこそ、現代語訳できる、という発展性。
    私は現代語訳の朗読を耳で聞きながら読んだが、訳はネット上にいくつもある。
    しかも本なら関西弁で云々のようなコンセプチュアルなものもある。
    今後、もっと現代に沿った訳が、数十年や数百年単位で生まれる可能性があるし、なんなら「外国語文学」として訳文新規追加の際に紛れ込む可能性もあるのではないか。
    (もう少ししたら読む予定だが、いまは小泉八雲と呼ばれる作者、当時ラフカディオ・ハーンが、英語話者に対して日本の怪談kwaidanを紹介した英訳を、逆に日本語訳する手つきで、当時の英語話者がどう受け取ったかを追体験させるような、円城塔の翻訳、とか)
    (そういえば夏目漱石とかにも関わるだろうが、およそ100以上年前の言文一致運動とか、そういう「乖離を埋める」って、調べたら面白そう。シェイクスピアはさすがに古英語なので、おそらく英語話者に対する現代英語訳はあるだろう、が、森鷗外の現代語訳は日本にあるけど、森鷗外と同時代の英語作家の現代語訳はないんじゃないか)

    あとついでに書いておくが、思春期に熱中した中上健次の、没後刊行「現代小説の方法」という本に「中上健次氏の本棚──物語/反物語をめぐる150冊」というリストがあって、これは元々は、1984年に、「東京堂書店神田本店でのブックフェア用に配布されたパンフレット」に載っていたものらしいが、当然、「遠野物語」、ある。
    というか、射程の広さを誇るようなリストではある。
    また、吉本隆明は「共同幻想論」で、三角寛「サンカ社会の研究」を引用するという形で、その源流である柳田國男の「山人」に触れつつ、ホントにいたかいなかったかは別として、いたと思いたい心性を扱う、という手つきで言及したり、
    大江健三郎が「狩猟で暮らしたわれらの先祖」「我らの狂気を生き延びる道を教えよ」あたりで書いていたり……後に「ギー兄さん」って「やなギたくにお」から来ているのかも、と尾崎真理子が主張していたり、する(「大江健三郎の「義」」)。
    また、乗代雄介が「掠れうる星たちの実験」で言及していたりして、まあ本好きなら柳田國男読めばいろんな作家と共有できそう、という直感を、得た。
    角川ソフィア文庫の、瀟洒な文庫を、ひとつひとつ読んでいきたい。



    もくじ
     初版序文
     再版覚え書き
    遠野物語
    遠野物語拾遺  編輯・鈴木棠三
     解説
      初版 折口信夫
      改版 大藤時彦
      新版 鶴見太郎
     年譜
     索引

  • この「遠野物語」は日本民俗学、開眼の書である。
    岩手県遠野出身の小説家・民話蒐集家の佐々木鏡石が語った民話を、柳田國男が筆記、編纂した。

    題目を見ると、山男・山女・河童・天狗・神女・姥神・仙人。家の神だと(オクナイサマ・オシラサマ・ザシキワラシ)等々。
    妖怪や怪談、伝説、村の行事と多岐である。
    佐々木鏡石が代々、土地で伝えられている話を直接聞いたり、中には近親者や友人の話、自身の体験とリアリティー溢れている。

    書店で購入した時には気付かなかったが、"遠野郷本書関係略図"なる地図が付いていた。

    地図で場所をチェックしてみると、実際この目で確かめてみたくなる。
    私は土淵村辺りを散策したい。

    しばらく東北地方は御無沙汰しているので、弾丸ツアーでもいいから遠野郷を体感してみたい!

    できたら、白水温泉に入る余裕もあったらいいけど...。

  • 青空文庫8月8日公開分。
    高校の読書感想文で読んで以来の再読。
    ほぼ初読か。
    末尾の歌謡が全く記憶にないのは新版の追加分だからか単に記憶の衰え故か。
    高校当時とても読みたかったのは確かだが、読書感想文には不向きな内容で執筆に難儀したのを憶えている。
    オシラサマにオクナイサマ、ザシキワラシにマヨヒガに河童に猿の経立(ふったち)……名の羅列だけでテンション上がるのが凄い!
    民俗学の古典的名著たる本書に関しては、読みにくさを解消する新仮名でなく歴史的仮名遣いが正解。
    読感にはオススメできませんが。
    コレデドンドハレ。

  • 日本民俗学の父と呼ばれる柳田國男先生。
    岩手県遠野の民間伝承を採集して
    まとめられた「遠野物語」。

    日本の原風景を牧歌的に語るのではなく、
    昔話のように教訓を含んだもの、
    風習や伝説とともに、とりとめのない
    世間話のようなものも含まれているのも
    口承たるリアルさで面白い。

    目に見えない世界が信じられ
    怪異が不思議としてではなく、
    人々の生活と地続きだった古き時代。

    自然への畏敬の念、人々の暮らし。
    時に閉塞感があり、時に温かみをもって
    周囲と繋がり、年中行事で四季を感じ、
    目に見えないものを想う心の豊かさ。

    現代に語り継がれた物語などの原点も
    たくさん含まれていて感慨深く面白かった。

  •  河童、座敷わらし、マヨイガ、隠れ里といった他の作品でもよく使われるモチーフを始め、遠野における妖怪や狐、熊や犬、文化や風習に関する話を集めた説話集。言わずと知れた日本の民俗学の萌芽になった本だが、柳田国男の素朴な文章と相まって説話の一つ一つが短編の話を読んでいるように思えた。
     同じ文庫内に収録されている遠野物語拾遺の中にあったオシラサマに関しての比較や由来などの考察がとても興味深かった。私は正直なところ、そこまで響くものは多くなかったが、今でも音楽や物語で使われるモチーフが多く登場する後世への影響力や話の一つ一つに誰が話したかがきちんと記録されていたといった研究として緻密に行われたことなど、読んでいて感心することが多かった。解説にも三人の文豪の異なった批評が載せられていたりと、人により感じ方が違うのも、とても面白かった。
     田山花袋は「其の物語についてに就いては、更に心を動かさないが、其物語の背景を塗るのに、飽まで実際を以てした処を面白いとも意味深いとも思つた。」と評し、島崎藤村は「不思議な、しかも活きた眼の前の物語に対すると、ルウラウ・ライフの中に混じて見出される驚異と恐怖とを幽かに知ることが出来るやうな気がする。民族発達の研究的興味から著わされるものであるとしても、猶私は斯の冊子の中に遠い遠い野の声といふやうなものを聞くやうな思ひがする。」と評し、泉鏡花は「此の書は陸中国上閉伊郡に遠野郷とて山深き幽僻地の伝説異聞怪談を土地の人の談話したるを氏が筆にて活かし描けるなり。(中略)又此の物語を読みつゝ感ずる処は其の奇と、ものの妖なるのみにあらず、其の土地の光景、風俗、草木の色などを不言の間に得る事なり」と評した。私の抱いた感想は田山花袋に近いと思う。

  • 遠野に伝わる民間伝承集で、日本民俗学のメッカ。やっぱりオシラサマ・ザシキワラシ・カッパ・マヨイガなど知っていた譚が出てくるとより面白い。事象を淡々と書き連ねるような文体なので、祖父母から聞かされる昔話のような親しみやすさはないが、だからこそありのまま受け止められるのかもしれない。

  • 適当に開いてみたり、巻末の索引から気になる言葉をたどってみたり。
    そんな読み方も楽しいです。

    でも、山の神や河童、言葉を話すお大師様の像が現実に存在していたら
    「楽しい」なんて言っていられなかっただろうなぁ…

    理不尽な話や理由の語られない怪異も多くて、置いてけぼりにされること数知れず。
    現代人はオチのある話に慣れすぎているのかもしれません。

  • 20年近くに前に友人からもらった本。
    (私があげた、ルナールの博物誌のお礼に、と言っていた気がする)
    少し読んで、へえ、と思い、そのまま時間が経ってしまった。
    今回、ふと思い立って再チャレンジ。
    年末から少しずつ読んでいたので、3ヶ月くらい掛かったかもしれない。
    一編ごとに、ごく短い文で簡潔に纏められている。

    昭和初期のものだから、内容はおもに、明治大正、まれに江戸の話もある。
    伝わる風習、動物の不思議なエピソード、寺社仏閣、霊体験、身分制度、山にあるもの、人間など、あらゆる物語が記録されている。

    本書には、遠野物語および、遠野物語拾遺が収録されている。
    内容にも驚くべきことが多いが、何より、その分量に圧倒された。
    その昔、みんなが口々に伝え合ってきたことを、佐々木氏を通して、「書き留める」ことは非常に重要だったんだなあとわかる。
    すごい仕事量だ。

    作者の経歴をみると、80代になってもなお、精力的に講演や執筆、後進の育成、と活動を続けているので恐れ入る。
    この時代の80代なんて、今の100歳くらいの感覚では?

    読んでいて気に入ったのは、天狗と仲良くなる話、子供や祭りが好きで賑やかな場面には乱入したがる仏像の話など。
    あとは拾遺の最後のほうのエピソードで、兵役や旅行で遠くにいった家族の動向を占う術があったことも、電話もテレビもない時代の情を思って身に沁みた。

  • 日本の原風景ともいわれる岩手の「遠野」に行きました。タイトルこそ知ってはいたけれど読んだことがなかった「遠野物語」の故郷に行ってみよう、そしてそれを機に本も読んでみよう、と思ったのです。

     古い文体ですが、一つ一つのお話はとてもコンパクトですし、遠野に住む人びとの口述を整理していることもあって、文体には意外とすぐに慣れました。遠野物語と言えば河童や天狗などが有名ですが、読んでみると伝承されているお話は様々で、しかもいずれも生々しくリアルなものばかり。長らくの間、自然豊かな山里で生きていた人たちにとって、摩訶不思議なことがいろいろあったんだろうなぁ、それを尤もらしいストーリーを作って納得していったんだろうなぁと感じました。
    印象的だったのは、見た目や服装などが異なる人たち(外国人?、山の隠れ里のようなところに住んでいる文化の違う人たち?、ひょっとすると河童や天狗もそうなのかも)、人と違う能力を持った人、障がいがある人…などを、どう受け止めていたのかが少し伺えること。時に、現代の私たちから見れば差別があったんだなと感じられるエピソードもあるし、一方で、ひょっとすると今の私たちよりも自然に(どうしようもないことという、理屈ではない納得をしていたのかも)受け入れていた面もあるようで、興味深かったです。
    また、分からないものだらけで厳しい自然に囲まれていたはずの世界を、なんと豊かな想像力で折り合いをつけ生きていたんだろうとも。遠野物語の世界を、読みながら自然に受け入れられる自分に、あぁ日本で育ったってこういうことなんだなぁ・・・と、アイデンティティを意識する、そんな読後感もありました。

  • 日本独特の昔からある怪談話にそそられて読んだ。
    地理的な背景も詳しく説明されているため情景を想像し易い。
    民俗性を重視しすぎているからか、ラフカディオハーンの怪談のより淡々としている気がした。
    個人的には上田秋成の雨月物語やラフカディオハーンの怪談の方が好き。

  • 民俗学者が著した書物で、これほど名が知れているものは、他にはないのではないでしょうか。
    そのようなこともあり、柳田国男の数ある作品のうち「遠野物語」だけは読んでおこうと思っていました。
    「遠野物語」は文語調で書かれていますが、それほど難しくありません。「遠野物語拾遺」は完全に現代口語調なので大変読みやすいです。
    内容的には遠野地方に伝わる言い伝え等を、遠野地方出身である佐々木鏡石氏に語ってもらい、それを柳田国男が文章化したもののようです。
    とても読みやすい上に飽きることなく読めます。
    自分が幼かったころにも、「そういえば昔からの言い伝えのようなものを親や祖父母に聞かされたな」と懐かしく思い出しました。

  • ・遠野の人々は、動物も人間のような感情を持つ畏敬すべき存在、だと考えていました。

    雌狼が子供を殺され復習にやってきた時、素手で応じる猟師の話があります。
    子供への愛情から襲ってくる狼に対し、武器を持って戦うのは卑怯だと考えて、猟師は自分のワッポロを脱いで腕に巻き狼と対峙しました。その後、狼も猟師も深い傷を負ってまもなく死んでしまいます。
    文明の利器である鉄砲で野生動物と向き合うのは、ある意味では卑怯で、
    狼も人間も野生動物で、只の動物だとなった時には、素手と素手で戦うのが、最も敬虔な勝負というふうになるのだろうと思いました。
    一方で、猟師であるならばより効率よく狩ればよく、鉄砲を使わず命まで落としてしまうのはナンセンスだと考える人もいると思います。

    けれどもこれは現代人にとっては最も見えにくい(理解しがたい)、「狩猟民の精神」が垣間見えます。文明の利器によって人間はある程度、自然に勝ち、その効率の良さに甘んじてしまいがちですが、たとえば自然の猛威に触れ自然にはまるで敵わないことを思い知った時、人々のこれまでの生き方、在り方さえを問われると思うのです。
    その時、「遠野物語」は非常に大きい意味のあるものだといえて、人間が人間だけしかいないというそういう世界ではなくて、動物とも自然界ともバランスを取りながら慎ましく生きていく、現代の中では無意味に思われがちな事でも全体として大きく見据えたとき、遠野の人々の考えから学ぶことは一杯あるのだということを知りました。

  • おしらさま、座敷わらし、さむとの婆・・・大好きな遠野。曲がりやの主人の囲炉裏を囲んだ夏がよみがえります。学生時代、何回も遠野を訪れ、物話の場所をひとつひとつたずねました。やさしい暖かい方言・・。柳田さんの、この本は民俗学だけでなく、不思議な世界や、自然への畏敬がぎっしりつまっています。いつ読んでも、どのページをみても、感慨深い!日本の良さがここにあります。

  • 昔話が好きなので、面白く読めました。
    読む前は怪談系のお話が多いのかと思っていましたが、こどもの遊びや、地名の由来、初めて飛行機がこの地方の上を飛んだ日の話などもあって、思っていたよりも内容が多彩でした。
    昔はこういったいろんなお話が親から子へ、子から孫へと口伝されていたんだなぁ。
    将来自分にこどもができたら、こういった昔話をたくさん読んで聞かせてあげたいな、と思いました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「思っていたよりも内容が多彩」
      どうしても今の私達が読むと怪異譚の方がインパクトが強いですからね、、、纏めてなかったら日常の話は消え去ってい...
      「思っていたよりも内容が多彩」
      どうしても今の私達が読むと怪異譚の方がインパクトが強いですからね、、、纏めてなかったら日常の話は消え去っていたでしょうね。
      2013/03/04
  • 柳田国男の民俗学書として、非常に有名な本。前半の「遠野物語」は文語で書かれてますが、この版に追加されてる「遠野物語拾遺」は口語です。なんか、解説本とかもちょこちょこ出てるみたいですが、基本的な日本語力があれば解説なんぞ読まなくても難なく読破できます。

    遠野に伝わる民間伝承や物の怪、神様、山で起きる不思議などについて、数行からなる章の中で簡潔に、でも分かりやすく「伝承」しています。解説にもある通り、民俗学者である柳田国男が、自説を容れたり勝手な解釈を施すことなく、伝承を口述した方の話した内容をそのまま記していることで、読み物としても面白いし、民族学上の記録としても貴重なものになっているのだと思います。

    一つの教養として、触れておくに越したことはないと思います。
    作品としては前後するけど、この内容を読んでおけば、きっと『うしおととら』がもっと面白かっただろうなー。

  • 土俗・風俗を詳細に集められた遠野の物語

    民俗学の原点…?

    わずか数行の話を集めて、編纂されているが
    郷土史とか歴史に興味が薄い私だが
    読みたくて、ずっと探していた。

    夏休み期間で、中高生の参考にされるのか
    文庫の新版を書店で見つけた。
    暫く手元に置いて、じっくり読み返したい本です。

    各地で、パワースポットとか霊感スポットが
    人気の季節でもあるが、オシラサマ、座敷わらし、管キツネ…
    最近映画の題名になったデンデラ等の、妖かしや、ものの化、
    人々の暮らしが伺われて、200数頁に満ち溢れている。

    昔人が、自然や暮らしの中で語りつたえた話には
    合理性を超えた、奥の深さを感じる。
    関連がないが、京極夏彦作品を連想した。

  • 単なる奇譚集ではない、民俗学の最初の一歩なのでしょう。とはいえ、不可思議な話ばかりで、引き込まれてしまう。

  • 明治はまだ人の寿命が短く(とはいえ兵役や戦災で死ぬことはまれで)生と死が近かった時代。山道に馬の屍体があり「これの皮が欲しいが、取ると狼が付け狙って殺されることになるだろう」と伯父が言うなど狼·熊、化かす狐が身近。殺人の祟りで児が皆ある年限で死ぬといった怨念話も。活字で読んだら怖いが、聞き取り調査で読み書きできない語り手から採取する時は普通の話題(当時録音は困難)。文語記述が簡潔で内容にマッチし、グリム童話や、著者の指摘・対比する今昔物語と訣別して「これは現代の話である」と序文で断定される。民話や民謡は作ろうとして作れるものでなく、個人でない集団の無意識が自ずと形をなしていくのかも知れない

  • それぞれの逸話が独立している上に数が物凄いので、暇つぶしにめちゃくちゃいい〜〜…と思ってたら
    予想以上に一個一個面白くて時間溶けました

    もっとはよ読めばよかった

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著者プロフィール

1875年(明治8年) – 1962年(昭和37年)。兵庫県生まれ。日本民俗学の開拓者である。
代表作に『遠野物語』、『蝸牛考』、『桃太郎の誕生』『海上の道』などがある。

「2025年 『大活字本シリーズ柳田國男⑤ 雪国の春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柳田国男の作品

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