文学と精神分析―グラディヴァ (角川文庫)

制作 : 安田 徳太郎  安田 洋治 
  • 角川書店
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043089048

感想・レビュー・書評

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  • うろ覚えだが、河合隼雄著「ユング心理学と仏教」で確かこの本が言及されていて、それで気になって購入した。

  • フロイト理論ではそもそも文学作品とは作家の白昼夢の賜物であるからそこですでに願望充足が行われている。現実世界では達成できない訴えや建築や破壊。そしてもっとも強烈で頻度も高いものは愛情希求だろう。世界中に恋愛小説が後を絶たないのはフロイトのリビドー説をしっかりと証明し続けているかのようである。
    この作品をフロイトに教えたのはユングであったそうだ。主人公が考古学者であるという設定からしてフロイト好みである。ヒステリー的妄想が娘の<治療>によって解放されハッピーエンドに至るあらすじはまったく絵にかいたような話だが、局所論、リビドー説によって巧みに裏付けられる。
    「お医者様でも草津の湯でも・・・」という恋の病いは、「肉体への好奇心と嫉妬と残忍な征服欲」にさいなまれ、こころがそれを必死に<抑制>しようとするところに発現する。したがって恋の成就に勝る特効薬はないのであるが、この辺に精神分析的治療を考える上での微妙な問題がある。すなわち<転移・逆転移>というものだ。
    フロイトに多大な感化を受けていたシュールレアリストたちはこの小説に大喜びしたそうだ。

  • 文学作品をフロイドさんが、精神分析的解釈をしていく。物語自体は妄想にとり付かれた若い考古学者が、ポンペイで紆余曲折の末、結婚相手を見つける話。で、その結婚相手というのが、この男を治療した。話事態はチープで、なんとも展開の読みやすいものだが・・・。その後のフロイドさんの解釈はやはりフロイドさんなんだなと思わせる。まあ、フロイドさんが自分でぶち上げた理論だから、これを使いすぎるのもいいでしょう。しかし、なんでも性衝動にしてしまうフロイド理論はあまり好きではないのでした。ちなみの翻訳者は同じ角川文庫で「精神分析入門」を訳した親子コンビ。親子で仲がいいやの。

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